先週の予測では、4月3日(金)のアメリカの雇用統計を受けてアメリカ景気の鈍化懸念からアメリカ株式も不透明感が出ると、日本の輸出産業にも影響が出るため上値は重く19,000~19,500円台でのもみあいが継続する可能性が高いとしました。しかし、チャートからは、19,000円を切ると18,700円水準までの下げが想定され、逆に3月30日の19,603円を上回れば3月23日の年初来高値19,778円を試すことを想定しました。
先週は方向性が読みにくい状況でしたが、雇用統計の予想を大幅に下回る結果が景気の悪化懸念よりも早期利上げ観測の後退が好感され、世界的な金余り相場の流れからNYダウも三角保ち合いの中で戻りを試す形となり、日経平均は7日(火)に△242円の19,640円となって3月30日の19,603円を上回って引けました。その後も為替が1ドル=120円台の円安基調となっていることで先高期待から先物主導で上昇し、8日(水)は△149円の19,789円となって柴田罫線で更なる上昇を暗示するろく買が出現し、9日(木)も△147円の19,937円と3日連続の大幅続伸となりました。週末の10日(金)は、円安進行や欧米株高を受けて買い先行となって一時20,006円と2000年4月17日以来の水準となりました。しかし、達成感から利益確定売り優勢となり▼30円の19,907円で引けました。SQ値は20,008円でしたので、終値ベースでは上回ることができませんでした。
引け後のアメリカ市場ではアジアや欧州の堅調な流れを引き継いで堅調に推移し、NYダウは△98ドルの18,057ドルと3週間ぶりに18,000ドル台を回復しました。シカゴの日経先物は20,035円と2万円台にのってきました。
先週は、日経平均は472円(2.43%)上昇し、週末の10日(金)は一時20,006円と2万円台を回復したこともあり、目先目標達成感が出るところです。終値では▼30円の19,907円となってSQ値の20,008円を下回って引けていますので、これが目先の上値抵抗ポイントとなるため、すぐに突破できるかどうかが注目となります。突破できれば2万円台での値固めをして、更に上値を追う可能性がありますが、そうでなければ2万円を上限に高値圏でのもみあいとなりそうです。
短期の大幅上昇となった割りには、テクニカル指標はそれほど過熱感がみられません。そのため、2万円は単なる通過点であるという強気の見方もできますが、日経平均の指数だけが上昇し、個人投資家好みの中小型株など全体的に上がっているわけではないので、実感なき2万円回復だと考えられます。それは先週の動きをみても、ファーストリテイリングなど日経平均の指数に連動する限られた銘柄の上昇で日経平均が上昇しており、例えば9日(木)の日経平均は△147円の19,937円でしたが、値下がり銘柄数938に対して値上がり銘柄数は786となっています。また、本来2万円回復であれば、これまで相場を引っ張ってきた輸出株の代表であるトヨタなどは同時に高値更新となっていいのに、そうはなっていません。今のところ、何かちぐはぐな2万円回復だったと思われます。
当面のポイントは上を試す場合は、いつSQ値の20,008円を突破できるかとなりますが、それにはNYダウの明確な上放れ(18,140ドル突破)が必要かもしれません。柴田罫線では、昨年の10月17日の14,529円からの上昇トレンド(A)の中で、今年の3月23日に19,778円の高値をつけて上昇トレンドの上値ラインに接近して反落し、4月1日の18,927円まで下げて再上昇となり、4月8日に19,789円でろく買(更なる上昇を暗示)となって、10日(金)にザラ場で20,006円の高値をつけました。このままの上昇では、終値ベースで20,300~20,500円くらいで上昇トレンド(A)の上値斜線にあたることになります。(日経平均のチャートを参照)
本日13日(月)は、前場は先週末の欧米株高と円安を受けて△59円の19,967円で寄り付くものの、高値警戒感から売り優勢となりマイナス圏に沈んで19,825円まで下げ、前引けは▼25円の19,882円でした。後場になると下げ渋り19,000円を挟んだもみあいが続き、終値は▼2円の19,905円と先週末の終値とほぼ変わりませんでした。しかし、値下がり銘柄数は1,000、値上がり銘柄数は731となっています。
先週の予測では、アメリカの雇用統計を受けて売り先行となり、アメリカ株式が軟調であれば上値重く、19,200円を終値で切ると柴田罫線では短期の売転換となり、逆に3月30日の19,603円を上回れば3月23日の19,778円を試す可能性があるとしました。
結局、6日(月)は▼193円の19,241円まで下げるものの終値では▼37円の19,397円となり、その後は欧米株式が堅調となったことや、1ドル=120円台の円安進行となったことで先物主導で連日の上昇となり、7日(火)は△242円の19,640円と3月30日の19,603円をクリアーし、8日(木)は△147円の19,937円となりました。週末10日(金)はSQ清算日であり、△51円の19,989円で寄り付き一時20,006円と15年ぶりの20,000円台を回復しましたが、後場は利益確定売りに押され▼30円の19,907円で引けました。SQ値は20,008円となりました。
今週は、先週末2万円台に一時のせて目標達成感や高値警戒感はあるものの、先週末のSQ値を上回って引けることができれば2万円の大台固めを意識した動きが想定されますが、基本は先高期待と利益確定売りの強弱感が対立して2万円を挟んだ展開が想定されます。柴田罫線でみると上値を追う場合は、前回は3月23日の高年19,778円の後、いったん4月1日の18,927円まで下落して反発し、高値更新となってきていますので20,300~20,500円が上昇トレンド(A)の上値斜線にあたることになります。
週明け13日(月)は、先週末の欧米株高と円安を受けて△59円の19,967円で寄り付くものの、高値警戒感から利益確定売り優勢となってマイナス圏に沈み、19,825円まで下げて押し目買いが入り19,000円でこう着状態となって▼2円の19,905円で引けました。
先週の予測では、前週末の雇用統計の結果を受けてアメリカ景気の後退懸念から売り優勢を想定していましたが、早期利上げ後退が好感され戻りを試す形となりました。週明け6日(月)は、一時▼116ドルの17,646ドルと下落するもののすぐに切り返し△117ドルの17,880ドルとなり、その後は欧州・アジア株が堅調だったことで戻りを試し、週末10日(金)は△98ドルの18,057ドルと3週間ぶりの18,000ドル台回復となりました。但し、柴田罫線ではまだ三角保ち合いの状態となっています。
今週は、1-3月期の決算発表が材料となって史上最高値に挑戦できるかどうかとなります。スタートを切った大手アルミ会社アルコアは予想を下回りました。ファクトセット社の調査によると1-3月期のS&Pは昨年末の予想で△4.2%となっていたものが10日時点の予想では▼4.8%と減益となっています。一方で3月小売売上高は好結果が見込まれており、強弱が対立して高値圏のもみあいとなりそうです。柴田罫線では終値で18,140ドルと上回ると三角保ち合いの上放れとなり、史上最高値を試すことになりそうです。
先週の予測では、前週末の雇用統計の結果を受けてドルが売られたものの今年中の利上げ観測は根強く、ドルの先高観があるため119円を挟んだ±1円の動きを想定しました。
週初めは雇用統計の結果を受けて早期利上げ観測が後退し、118.80円までのドル売・円買いとなったものの利上げ観測は根強く、8日(木)のFOMC議事録の公表で大多数のメンバーが6月の利明けについて支持したことが判明し、ドルは120.74円まで買われました。週末10日(金)は120円台での小幅の値動きとなり、120.23円で引けました。
雇用統計の結果を受けてFRBの金融政策の先行き見通しが不透明になっており、今週は120円を挟んだもみあいが続きそうです。4月28日の日米首脳会談に向けて円安抑制の思惑があり、今週は16~17日にG20財務相・中央銀行会議で為替協議の思惑もあり、方向感が出にくいところです。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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