先週の予測では、上海株式の下落や原油価格の下落など外部のファンダメンタルズは変化せず、そのまま日本株式も下落が続けば政府の株価対策が必要であり28~29日には日銀の金融政策決定会合も控えており、何らかの政策が出てくるタイミングになるとしました。目先の下値ポイントは昨年の1月16日の16,592円からの上昇トレンドとなって6月24日の20,952円まで上昇した形ですので、そのスタートラインである16,592円の水準で止まると想定しました。
結果的に、今回の下げは大発会以来、外部の悪材料が続出し需給関係の悪化(売り手一色)となり、テクニカル的な下値抵抗ラインは無く、無視される一方的な下落となりました。まずは中国の経済指標の悪化、人民元の急落、サウジとイランの国交断絶、原油が1バレル=30ドルを割る暴落、IMFの世界経済見通しの下方修正など次々に悪材料が飛び出して一時16,000円寸前まで下落しました。 日経平均は18日(月)▼197円の16,955円、19日(火)は円高一服、上海株上昇を受けて4日ぶりに△92円の17,048円と反発するものの20日(水)はIMFの世界経済の下方修正、原油安から▼632円の16,416円と急落し、2014年10月31日以来ほぼ1年3カ月ぶりの安値となって目先の下値目標としていた16,592円を割り込みました。21日(木)は前場は大幅反発となるものの、後場になると黒田日銀総裁の発言(すぐには追加緩和を考えていないと受け取れる内容)やドイツ銀行の過去最大の赤字決算を嫌気して▼398円の16,017円と安値引け(先物は15,990円)となりました。
しかし、ここで下げすぎれば政府の何らかの対策がでてくると想定しましたように、欧州中央銀行(ECBドラギ総裁)が次の会合で金融政策の見直しの可能性に言及したことで、追加緩和の期待から原油が30ドルを回復し、欧米株式が大幅高となったことで22日(金)の日経平均も日銀も追加緩和をするだろうかとの思惑もあり、△941円の16,958円と大幅反発となりました。下げ続ければ政府の株価対策がでてくると予測しましたが、日本政府が出すより先にECBが先に打ち出したことになります。
今週も、ECBによる3月の追加金融緩和期待と原油価格の反発を背景に欧米株式も上昇したことで日経平均の自律反発が継続することになります。日経平均の反発には、今週末の日銀金融政策決定会合でECBの追加金融緩和示唆と連動して日銀も追加の金融緩和を出してくるのではないかという期待が含まれています。そのため、日銀の金融政策決定会合(28~29日)までは、反発が継続する可能性があります。しかし、何も出なければ失望売りとなる可能性もありますので注意が必要です。これまでの日銀の追加緩和に対する市場のコンセンサスは早くとも4月という見方となっていますので、今回の暴落でそれが変わるのかどうかとなります。ETFの買い入れ増額などの措置があれば、その内容によりますが、資金供給量の増額(1年間 約80兆円)を据え置いて、量的・質的金融緩和の補完措置ぐらいであれば相場は一服となる可能性が高いと考えられます。
現在の反発は、売っていた側の一斉の買戻しが中心であり、その要因は「原油相場」と「為替相場」のリバウンドですので、そのリバウンドが終われば株式市場がどう動くのかはわかりません。もし、日銀が追加の緩和を出せばポジティブサプライズとなって自律反発から本格的な戻りを試す相場となるでしょう。そうでなければ再び原油安となってドル売り・円買いとなる可能性があります。 アベノミクスの足を引っ張る材料として、甘利大臣の金銭授受疑惑が出てきました。与党の内部からも辞任もやむなしの見方もでており、辞任となるとアベノミクスの中心人物の1人であるだけに外国人投資家が嫌う政治の問題がからんできますので、アベノミクスへの期待がさらに後退することになります。
1月25日(月)は、ECBによる追加緩和期待と原油価格の反発を背景に欧米株式の大幅反発が続いていることで日経平均も△187円の17,145円と買い先行で始まりました。一時下げに転じてマイナスとなる場面もありましたが、売り一巡後は切り返し上げ幅を拡大して17,208円まで上昇しました。後場になると上値重く17,100円をはさんだもみあいとなって△152円の17,110円で引けました。
先週は、依然として上海株式の下落、原油価格の下落に振り回される展開が続くことになると想定し、17,000円を割ってくると安倍政権にとってマイナス要因となるため、追加の金融緩和への思惑がでてくる可能性があると予測しました。目先の下値は昨年の1月16日の16,592円が意識されると想定しました。
結局、先週は上海株式、原油価格とも一段の下げとなったことで、日経平均も17,000円を軽く下回り1月20日(水)には黒田日銀総裁の発言への失望やドイツ銀行の過去最大の赤字を嫌気し▼632円の16,416円と昨年1月16日の16,592円を割り込み、1月21日(木)には16,017円まで下げました。ここでECBのドラギ総裁の追加緩和を示唆する言及で原油が急反発しドル買い、株高となったことで週末の日経平均は△941円の16,958円と大幅反発となりました。
短期的な急反発は、売り方の買戻しとなっており1月28日~29日の日銀の追加緩和期待もでてきたところですので、それまでは買い戻しが続く可能性が高いと考えられます。今のところ原油価格のリバウンドやドルの買い戻しからの円安となっておりますので、このリバウンドが終わった時、日銀の追加緩和がでるのかどうかに注目することになります。何もなければ短期の反発で終わり、日銀の追加緩和がでると中期的には再び2万円を目指す上昇相場となると思われます。(但し、その場合は当面は18,000円水準を目指す)
今週は目先の戻りは17,218円でここをぬけると17,715円となります。
1月25日(月)は△187円の17,145円で寄り付き一時マイナスに転じて16,922円まで下げるものの、すぐに切り返し前引けに17,208円をつけました。後場は17,100円をはさんだもみあいとなり△152円の17,110円で引けました。
先週の予測では、決算が本格化するが現在の中国株式や原油相場の下落の影響を受けて上値は重いとしました。チャートでは、すでに昨年の9月29日の15,942ドルを切っているため次の下値ポイントは15,666ドルでここを切ると昨年の8月24日のザラ場安値15,370ドルが視野にはいってくるとしました。
結果的に原油価格が下げ止まらず1月20日(水)はNY原油は1バレル=26ドル台まで下げたことで、NYダウも15,450ドルまで下げました。その後は、ECBのドラギ総裁の追加緩和への思惑から原油価格が反発し、NYダウも1月21日(木)は△115ドルの15,882ドル、1月22日(金)は△210ドルの16,093ドルと反発しています。
今週は、原油相場や為替のリバウンドに合わせて戻りを試すことになりますが、特別ファンダメンタルズが変わったわけではありません。リバウンドが終わったあとに何か好材料(好決算など)があれば戻りは継続することになるでしょう。柴田罫線では、引線の終値で1月14日の16,482ドルをこえると買転換出現となって底打ちを確実なものとします。
先週の予測では、原油価格の先安感や世界的な株安を受けてリスク回避の円高は続くとしました。但し、116円水準ではドルの下値は堅いところであるため、116~118円のレンジを想定しました。
結果的には、リスク回避の円買いが続き1月20日(水)には原油価格の1バレル=26ドル台への急落からドルも売られ一時115.96円をつけました。その後はECBのドラギ総裁の追加の金融緩和への言及を受けて原油価格が30ドル台を回復したことでドルも買い戻され週末は118.79円で引けました。
今週も引き続き、原油価格の反発からドルが買われる流れとなりそうです。中国も株式支援を継続する方針を示し、又、日銀の追加緩和への思惑がでてきたことでリスク回避の円買いが後退することになります。但し、28~29日の日銀の金融政策決定会合で何も出なかった場合は、失望売りとなって日本株式は下げ円高への動きも想定されます。118~120円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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