先週の予測では、週末にSQを控えており先物主導で荒い動きが想定されるため、その下げで悪材料を織り込むことができるかどうかとしました。その場合チャートの形から1つのシナリオとして16,500円を切って先月の1月21日の16,017円に対するダブル底を形成するような形を想定しました。
結果的には、原油価格の安値更新、ドイツ銀行の急落、イエレン議長の議会証言などをきっかけにリスク回避の円買いと、日米金利差縮小からのドル売り・円買いが重なり為替が一時111円を切る円高となったことで週末の日経平均は約1年4カ月ぶりに15,000円を割って引けました。
もう少し詳しく先週の動きをみてみると、週始めの8日(月)は為替が117円台の円安に進んだことで5日ぶりに反発し、△184円の17,004円となりました。しかし引け後の欧州でドイツ銀行が自己資本を拡大するために発行した債券の利払いが滞りかねないとの懸念が浮上し10%以下の下落となり、それが金融株に波及して全面安となり、アメリカも金融株中心に全面安となりました。さらに原油価格が再び1バレル=30ドルを割り込んだことで、9日(火)の日本市場は114円台の円高も加わり▼918円の16,085円の暴落となりました。さらに世界同時株安となって10日(水)も▼372円の15,713円となって2014年10月31日以来の16,000円台を割り込みました。11日(木)は日本市場は建国記念日で休日でしたが、アメリカでイエレン議長の議会証言があり、利上げのペースを鈍化させるとの見方から、世界的な金融情勢が景気減速につながる可能性があるとして欧米株式は全面安、原油は1バレル=26.05ドルと12年ぶりの安値、さらにリスク回避の円買いで1ドル=110.98円まで円高が進みました。シカゴの日経先物は▼495円の15,195円となっていました。 休日明けの12日(金)の日本市場は追証発生による投売り、ストップロスオーダーによる処分売りなどで売り一色となり、終値は▼760円の14,952円と1年4カ月ぶりの15,000円割れで引けました。
しかし引け後、欧州市場でドイツ銀行が54億ドル(約6,100億円)相当の無担保優先株を買い戻す計画を発表したのをきっかけに金融株中心に自律反発の流れが強まり原油価格も大幅反発となったことで欧米株式は大幅反発で引けました。為替も1ドル=113円台の円安となったことでシカゴの日経先物は大証比△610円の15,410円となっていました。
今週は、欧米株式の大幅反発と為替の円安を受けて、買い先行となることが考えられます。その場合、どこまで戻るのかは春節明けの中国株式や為替の方向に影響されることになるでしょう。あくまでも目先の反発は自律反発であり、ドイツ経済の先行き懸念は高まっており、原油価格もまだ生産調整の話し合いが進んでいません。ドイツ経済については2月16日(火)発表の2月独ZEW景況指数が注目となります。中国株式や欧州株式が堅調となれば日経平均も戻りを試すことになると思われますが、現時点では大きく下げた株式の反動高という側面がありますので、まだ手放して安心できる局面ではないかもしれません。戻りのあとは、きっかけ次第で値動きの荒い展開となって底打ちを確認する動きとなる可能性があります。但し、日柄調整は2カ月半、値幅調整も25%の下げであり、目先は調整はほぼ終了とみることができます。
2月15日(月)は、先週末の欧米株式の大幅高を受け△295円の15,248円で寄り付くと、上げ幅を拡大し為替が円安方向に動いたことを好感し、輸出関連株中心に上値を追う動きの銘柄が相次ぎ、終値は△1,069円の16,022円と昨年9月29日以来、約5カ月ぶりの大幅上昇となりました。
先週の予測では、週末にSQを控え原油相場や為替、イエレン議長の議会証言によっては荒い動きが想定されるとしました。
チャートからは、終値で16,600円を切ると売転換となり下値は16,321円、ここを切ると1月21日の16,017円に対するダブル底形成の形となる可能性を想定しました。
結果的には、一方向の暴落となって週の終値では約1年4カ月ぶりに15,000円を割って引けました。
週始めこそ、自律反発して△184円の17,004円となるものの、翌日は欧州での銀行株安をきっかけに全面安となり、原油価格も再び30ドルを切ったことで、日経平均は▼918円の16,085円の急落となりました。その後も原油安は止まらず、又、イエレン議長が議会証言で追加利上げのペースが遅くなるとの見方で円が急騰し、休日明けの2月12日(金)は日本市場は▼760円の14,952円と15,000円を切って引けました。
2月12日(金)の日本市場の引け後の海外市場では、欧州で銀行株が大きく反発し、原油価格も同じく反発したことでアメリカ株式は大幅高となりました。特に為替も1月小売売上高が予想を上回ったことで1ドル=113円台の円安となり、シカゴ日経先物は△610円の15,410円となりました。
週明けの2月15日(月)は買い先行で始まり、戻りを試すことになりますが中国の上海市場と連動して大きく下げているだけに春節明けの上海株式が注目となります。下げなければ日経平均は今後の日銀の追加緩和期待もあり戻りを試す動きが続くことになるでしょう。
2月15日(月)は△295円の15,248円で寄り付き10-12月期のGDPは予想を下回ったものの、上海株式の下げは限定的であったことで、買い戻し中心に上げ幅を拡大し、△1,069円の16,022円と16,000円台を回復して引けました。1月21日の16,017円の安値からのマドを埋めた形となります。
今週の予測では、前週末こそ日銀のマイナス金利政策を受けて大幅高となったが、決算や原油相場に注目して一進一退の動きになるとしました。
しかし、欧州株式が大幅下落となり、原油価格が再び1バレル=30ドルを切ったことで週始めは▼179ドルの16,027ドルと反落し、その後も原油の下げが止まらず続落となり、2月11日は原油価格が26.05ドルと12年ぶりの安値となったことで▼254ドルの15,660ドルとなりました。
ところが週末の2月12日(金)は欧州の金融株が大幅高となり、原油価格も+3.3ドルの29.44ドルと大幅反発し1月小売売上高も予想を上回ったことで、△313ドルの15,973ドルと大幅反発となりました。チャートからは、このまま上昇して16,153ドル以上で引ければ目先の底を打った形となります。
今週は市場の混乱で大幅の下落したことで原油価格が落ち着けば、経済指標をにらみながらアメリカの消費の底堅さが確認されれば、過度な不安が払拭されて戻りを試す展開となりそうです。2月1日の16,510ドルを終値で上回れば2点底確認となります。
先週の予測では、アメリカの経済指標に注目しながらの動きとなり、強弱感が対立してもみあいとなるとことを想定しました。
結果的には、欧州市場で銀行株安から世界的同時株安となり、さらに再び原油価格が1バレル=30ドルを切って一段安となったことでリスク回避の円買いが活発化し2月10日(水)には114円台の円高となりました。その後、日本市場が休日の11日(木)にイエレン議長の発言から利上げペースが鈍化するとの見方からドルが売られ円が急騰して一時111円を割る状況となりました。しかし、週末には欧州株式の反発からNYダウも300ドルをこす上昇となり、為替も1ドル=113.28円となりました。
チャートでは、115円を下回る円高となりアベノミクス相場がスタートする近辺のドルの安値である9月28日の77.4円からの上昇トレンド(A)を下に切ってしまいました。早い段階で115円以上を回復しないと日経平均も戻り売りとなってしまいます。
先週末は、原油価格が大幅反発しアメリカの1月小売売上高も予想を上回ったので、アメリカ経済に対する過度の悲観論が後退し目先は円売り・ドル買い優勢となりそうです。115円台が視野にはいるところですが、そこからはドルの上値は重くなる可能性があります。
15日(月)は欧米日の大幅株高を受けリスク回避の円買いが後退して1ドル=114円近辺で引けました。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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