週始めは、前週末のG7財務相会議で成果なく、利益確定売り優勢となって2日連続の下落で一時16,500円割れとなるも下値は限定的でした。その後、原油価格が上昇し欧米株式の大幅高、為替の1ドル=110円台回復から、日経平均は反発に転じ、直近の上値抵抗ラインである5月SQ値の16,845円を突破し、16,957円まで上昇し、終値は16,834円となりました。
先週の予測では、SQ値を突破しても、すぐには16,900円、その上は17,200円水準が上値抵抗ラインになるとしましたが、結局16,957円まで上昇し終値では16,834円でした。この16,900円台というのは、16,900~17,000円の間で過去大商いが急増しているところですので、戻り売りがでるところです。
23日(月)は、21日(土)開幕のG7で財政出動の全面的合意が得られず、又、4月の貿易収支で前月より700億円の黒字発表を受けて一時▼318円の16,417円まで下落しましたが、サミットを控え政策期待から下げ渋り、▼81円の16,654円まで戻しました。24日(火)も円安一服で手控え状況が続き売買代金は連日の今年最低となり、▼155円の16,498円と16,500円を終値で割り込みました。しかし、25日(水)は、前日の海外市場で原油価格が上昇し、欧米株高となったことで為替が1ドル=110円台を回復すると△258円の16,757円と急反発となりました。26日(木)は、原油先物が7カ月ぶりに49ドル台を回復し、欧米株式も続伸となったことで、寄り付き価格で△170円の16,927円と上値抵抗ラインとした5月SQ値の16,845円を突破し、4月28日以来の16,957円まで上昇するものの、利益確定売りに押されて上げ幅を縮小し△15円の16,772円まで下げました。週末の27日(金)は、消費税増税先送りなどサミット後の政策期待が支えとなって、買い先行で16,901円まで上昇するものの、引け後のアメリカでのイエレン議長の講演を控えて、利益確定売り強く、△62円の16,834円で週も終値となりました。売買代金は7日連続の2兆円割れとなっています。
27日(金)のアメリカ市場では、30日(月)がメモリアルデーで休場のため3連休を控えて買い戻しが優勢となり、NYダウは△44ドルの17,873ドルと週足では5週間ぶりの反発となりました。イエレン議長の講演では、早期利上げの可能性を示しましたが、株式市場は、アメリカ経済は利上げに耐えられるとの楽観的見方が多くなっています。シカゴ日経先物は△90円の16,910円となっています。
今週は、28日(土)に安倍首相が麻生財務大臣ら政権幹部に消費増税を2019年10月まで2年半再延期すると伝達したと29日に報じられたことで好感され上値を目指すものの、かなり織り込まれているとみてよく、むしろアメリカの早期利上げ期待からのドル高・円安がポイントとなります。5月のSQ値を突破したことで、次は17,000円大台挑戦となり、その上は17,200円台となります。
チャートの上値のフシとしては、16,900~17,000円は過去の累積売買高が大きいところですので、現在の市場ボリュームで突破できるかどうかとなります。目先の需給関係からみても外資系のファンドなどは17,000円のコールを売り、16,000円のプットを売っていますので、円安進行がなければ16,000~17,000円の中のもみあいが6月10日のSQ前日まで続く可能性があります。もし17,000円を突破できれば17,000円のコールの投げがでて17,200円ぐらいまでの上昇の可能性はあります。
今週は、週末にアメリカの雇用統計を控え利上げ実施の思惑や、OPEC総会が予定されており、原油生産調整が合意できないようですと、すでに足元のフシである1バレル=50ドルを回復したので、いったん調整入りも考えられます。今週も戻りを試したあとは様子見ムードで主力株は動きにくく中小型株の動きとなるかもしれません。
5月30日(月)は、消費増税延期がほぼ決定的となり、これはかなり織り込んだ感じですが為替がアメリカの早期利上げ観測からドル高・円安が継続しており後場には111円台前半までの円安となったことで、日経平均先物が一段高となり、17,000円台を回復して17,068円の高値引けとなりました。ただし、売買代金は年初来の低水準を更新しており、薄商いで売り物薄の中を、上昇していることになります。 柴田罫線のチャートをみると、17,048円を突破すると17,233円、その上は4月25日の17,613円となりますが、そうなるには補正予算の規模のサプライズ、もしくは日銀の追加緩和などが必要と思われます。市場ボリュームが増加しないまま上昇すれば、ちょっとした悪材料で急落のパターンとなりますので注意が必要です。
先週の予測では、前週のG7財務相・中央銀行総裁会議は期待ハズレに終わって株価の上昇材料とはならなかったものの、サミットを控え政策期待を下支えに下値は限定的で上値は5月13日(金)のSQ値16,845円を突破できるかどうかとしました。
結果的に、週始めはG7財務相会議の成果がないことで、利益確定売りの流れが続き、為替も109円台前半の円高にふれたことで、2日連続のマイナスとなりました、下値は16,400円台で底堅く5月25日(水)は為替の1ドル=110円台回復と、欧米株高を受けて△258円の16,757円と大幅反発となりました。5月26日(木)には、注目としていた16,845円を突破して16,957円まで上昇しましたが、上値重く終値では△15円の16,772円となり、週末の5月27日(金)は△62円の16,834円で引けました。
今週は、先週一応目先の上値抵抗ラインである5月13日(金)のSQ値16,845円を突破したことや、消費税増税の先送りが現実的となったことで戻りを試す可能性はあります。
ただし、週末のアメリカの雇用統計やOPEC総会が予定されており、様子見ムード強く為替の一段の円安がなければ期待できないと思われます。又、16,900~17,000円の水準は過去の出来高が多いところですので、大きな材料がでない限り現在の市場ボリュームで突破するのは一段の円安がなければ難しいと思われます。
5月30日(月)は、消費税増税延期報道の他に、アメリカの6月利上げ観測が高まって111円台前半までの円安進行となったことで、16,900~17,000円をぬけ出して、△233円の17,068円の高値引けとなりました。その上は17,233円水準が抵抗ライン、そこをぬけると4月25日の17,613円となりますが。それには補正予算のサプライズが必要かもしれません。
先週の予測では、早期の利上げ観測から5月17日に17,529ドルで柴田罫線では短期の売転換となり、5月19日に17,331ドルまで下げて反発となりましたが、当面は戻り売りとなって上値は重いとし、17,500ドルをはさんだ±300ドルのレンジを想定しました。
結果的には、原油高、欧州株高、経済指標が予想を上回ったことで、金利引き上げ懸念よりも経済の回復が期待され、5月24日(火)は△213ドルの17,706ドル、5月25日(水)は△145ドルの17,851ドルと想定したレンジの上限17,800ドルを上回ってきました。ここから上値は重くなって5月26日(木)▼23ドルの17,828ドル、5月27日(金)は△44ドルの17,873ドルとなっています。柴田罫線では、現在の売転換が買転換になるためには5月10日の17,934ドルを終値で上回ってくる必要があります。
今週は、30日(月)はメモリアルデーで休場となりますが、週末の6月3日(金)の5月の雇用統計をはじめとして経済指標の発表が多く、その内容を受けて利上げの見通しがどのように変化するのか注目となります。5月の雇用統計が予想を上回れば、6月利上げ観測も高まり、相場はこれを織り込む動きとなります。上昇する場合は、17,934ドルを終値で上回れるかどうかがポイントです。
先週の予測では、6月利上げ観測の高まりで、ドル高・円安方向が継続とし、110円台は戻り売り多く戻り売りをこなすことができれば、4月28日のドルの急落前の水準である111円台半ばを目指すとしました。
結果的には、日本の4月貿易黒字額の拡大で、一時109.11円までの円高となるものの、6月利上げ観測根強く、すぐに110円台回復さらにイエレン議長が早期利上げの可能性に言及したことで、週末は110.45円までドルが買われ引けは110.24円でした。
今週は、週末の6月3日に5月雇用統計を控え、ドルは底堅い動きが想定されます。もし雇用の改善が示されると6月利上げを織り込む展開となり、111円台後半まで買われる可能性があります。但し、OPEC総会で減産合意できず原油価格が下落するとドル高一服となります。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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