先週の予測では、夏場の市場参加者減少の中で市場ボリュームは増加せず、16,550~16,850円の中で、どこまで戻るかはアメリカ株式と円安次第となるが、戻りのあとは上値の重い展開になるとしました。結果的には、前週末のアメリカの7月雇用統計の結果を受けアメリカ株式が3指標(NYダウ、S&P、ナスダック)そろって史上最高値を更新したことを受け、一時、原油安からもたつくことがあったものの、週末の12日(金)には△184円の16,919円となって16,550~16,850円のゾーンを突破して引けました。
週明けの8日(月)は、前週末の雇用統計が予想を大きく上回ったことで、アメリカ株高、為替の102円台前半への円安基調、さらに日銀のETF買い期待から△207円の16,462円で寄り付き、上げ幅を拡大して△396円の16,650円の大幅反発となりました。9日(火)は円安基調を支えに週末のオプションを控えた先物への思惑的な買いも入り、△114円の16,764円と続伸しました。10日(水)は、為替が101円台の円高に振れたことで、一時▼107円の16,657円まで下げるものの、その後はETF買いを背景に先物主導で△57円の16,822円とプラスに転じるものの翌日の休日を控え、上値を追えず▼29円の16,735円で引けました。休日明けの12日(金)は、前日のアメリカ市場で原油価格の反発を受け、NYダウ、S&P、ナスダックの3指標がそろって史上最高値を更新したことでSQ値は16,926円となり、日経平均は△142円の16,877円で寄り付いて前引けは△121円の16,856円となりました。この時点では、SQ値を大きく下回って引けているため、幻のSQとなって16,926円が大きな上値抵抗ラインとなる可能性もありましたが、後場になるとETF買い期待から先物買いによって上げ幅を拡大し、一時△208円の16,943円をつけてSQ値の16,926円や7月21日の高値16,938円を突破して終値は△184円の16,919円で引けました。
この日の引け後のアメリカ市場では、7月の小売売上高や生産者物価指数が予想を下回ったことで指標はマチマチの動きとなり、ナスダックは△4Pの5,232Pと最高値を更新しましたが、NYダウは▼37ドルの18,576ドルと小反落となりました。為替は経済指標が予想を下回ったことで年内の利上げ観測が後退し、ドルが100.83円まで売られ、101.26円で引けたことでシカゴ日経先物は▼110円の16,810円となっていました。
先週末の12日(金)は、△184円の16,919円と2カ月ぶりに16,900円台を回復し、チャートでみると過去の累積売買高が膨らんでいる16,550~16,850円を突破し、ザラ場ではSQ値の16,926円、7月21日の戻り高値16,938円を突破し、25日移動平均線と75日移動平均線がゴールデンクロスし、柴田罫線でも買転換となっていることで、上値を試す形と考えられます。しかし、一方で為替は依然として輸出企業の現時点での確保したい最低水準の1ドル=105円を下回っており(それが継続すればいずれ下方修正となる可能性)、ファンダメンタルズからは上値は追えない状況です。株価というものは基本的に需給関係という側面があり、日銀のETF買いや今後の追加緩和の可能性があり、又、アメリカの金利引き上げは根強く、日米金利差からの円売り期待もあり目先は下値は堅く、上値は17,000円水準を突破することができれば(その場合は、カラ売りの買戻しによる上昇圧力加わる)18,000円へ向かう可能性があります。
今年になっての相場の動きは、2月1日の17,905円をつけて、2月12日の14,865円まで急落し、大きくは15,000~18,000円のボックス相場の中の動きといえます。この中で最近の相場は15,000~17,000円の往来相場となっていますので、17,000円(より確実には17,100円水準)を突破できれば、18,000円を目指す上昇の可能性がでてきます。逆にこれが不発に終わればアメリカ株式の最高値更新後の調整となった場合は、最悪、往来相場の下限の15,000円まで下げる可能性もあります。但し、16,000円水準も下値のフシとなっており、ここでいったん反発の可能性も高いと思われます。どうなるかは、その後のアメリカ株式と為替の動向によります。当面は17,000円を突破できるかどうかの正念場と考えられます。
現時点では、チャート上は上値を試す形となっているものの、夏休みで市場参加者も少なく、特に海外投資家は9月5日のアメリカのレイバーデーが過ぎるまでは本格的な資金流入は限られているとみられます。そうであれば上値を試すにしても上値は限定的で、こう着感の強い展開となりそうです。何か悪材料がでても下値ではETF買い期待が下支えとなり下げは限定的と思われます。
8月15日(月)は、先週末のアメリカ株式はマチマチの動きで、為替は101円台の円高となっていることで前場は▼53円の16,866円で寄り付き▼75円の16,844円まで下げるものの売り一巡後はETF買い期待を支えにプラスに転じて△0.79円の16,809円と小幅続伸しました。しかし、後場には再びマイナスに転じ▼50円の16,869円で引けました。夏休みから市場参加者は極端に減少し、売買代金は1兆5,701億円と今年2番目の低水準、出来高にいたっては12億4,377万株と約2年4カ月ぶりの少なさとなっています。
先週の予測では、5日(金)のアメリカ雇用統計が予想を大きく上回ってアメリカ株高となり、シカゴ日経先物が大証比△200円の16,410円となっていたことで、週始めはシカゴ先物にサヤ寄せする形で始まり、アメリカ株式の堅調な動きに対応して戻りを試す動きとなるとしました。その場合16,550~16,850円が累積出来高が膨らんでいるゾーンのため16,550円を上回ってくると上値が重たくなり、目先の上限を16,850円としました。
結果的には、週前半は雇用統計やアメリカ株高、円安基調を受け8月8日(月)は△396円の16,650円の大幅反発、8月9日(火)は△114円の16,764円の大幅続伸となり、休日前の8月10日(水)は小反落となりましたが、週末の8月12日(金)はアメリカ株式が3指標ともに史上最高値となったのを受け△184円の16,919円となりました。
先週末の時点で日経平均は、16,943円まで上昇して△184円の16,919円で引けましたが、SQ値の16,926円や7月21日の16,938円を一時突破し、25日移動平均線と75日移動平均線はゴールデンクロスしていることで、チャートは17,000円水準を突破できれば、さらに上を目指す形といえます。しかし、柴田罫線では、2月12日の14,865円からの上昇トレンド(A)が上値抵抗ラインをなっているため、17,100円水準を突破する必要があります。今週は夏休みで市場ボリュームも極端に減少しており、高値圏でのこう着感の強い展開となりそうです。
先週の予測では、8月5日(金)の雇用統計の好結果を受けて、上昇したものの原油価格が40ドル水準では一方的に上昇するのは難しく18,300~18,650ドルのレンジを想定しました。
週前半は、高値警戒感や原油安が重しとなって18,500ドル台でのもみあいとなっていましたが、8月11日(木)には原油価格が大幅反発したことで3指標がそろって史上最高値更新となり、NYダウも△117ドルの18,613ドルと18,600ドル台となりました。週末の8月12日(金)は7月小売売上高が予想を下回り▼37ドルの18,576ドルで引けました。
今週は高値圏でのもみあいが想定されます。引き続き企業決算と経済指標の結果を受けて、年内利上げの可能性に反応して株価が上下動すると思われます。8月17日(水)に7月26~27日に開催されたFOMCの議事録が公開されるため、この内容の中に利上げの実施の可能性をさぐることになります。そのため9月の雇用統計発表までは利上げの時期をめぐる不透明感は続くことになるため一方的な上昇は考えにくいところです。
先週の予測では、101円水準でダブル底のような形となっており、原油安からの過剰なドル売り・円買いも一服しており、日銀の追加緩和期待も持続しているためドル買い・円売り圧力がまさるとし101~103円のレンジを想定。
前週末8月5日(金)の7月雇用統計の予想を上回る結果を受けて102.66円までドルが買われましたが、週後半は4-6月期の非農業部門の労働生産性が低下し、さらに7月小売売上高が予想を下回ったことで、早期利上げ観測が後退し、一時100.83円までドルが売られました。引け値は101.26円でした。基本は想定通り101~103円のレンジの動きでした。
今週も引き続き101~103円のレンジの動きが基本となりそうです。年内の利上げをめぐっては、まだ期待が持続しており、17日のFOMCでの議事録(7月26~27日)発表から、利上げの可能性をさぐる展開となりそうです。早期利上げ後退は円高材料、一方で原油高(9月下旬にOPECの非公式会合で生産量の協議)が継続すれば、株高となってリスク選好のドル高・円安方向となると思われます。強弱の材料でもみあう展開となりそうです。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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