先週の予測では、週末の7日(金)に、アメリカの9月雇用統計を控え16,300~16,900円のレンジの中で、一進一退の動きになることを想定しました。結果的には、アメリカの経済指標が相次いで予想を上回り、年内利上げ観測が高まって円安にふれ、原油高もドル買いをサポートしたことで、日経平均は戻りを試し、一時16,971円まで上昇しましたが終値では16,900円を突破できませんでした。
週初めの3日(月)は、前週末のアメリカでドイツ銀行の信用不安の後退や101円台の円安へのふれを受け△148円の16,598円と反発して始まりました。4日(火)は、前日のアメリカ株式は下落したものの、為替が102円台の円安進行となったことで、△136円の16,735円と続伸しました。さらに5日(水)も円安進行となって△83円の16,819円と3日続伸し、6日(木)は、前日のアメリカ市場で9月のISM製造業景況指数が予想を上回り、年内利上げ観測が強まってドルが買われ、さらに原油価格も上昇してドルが買われ、1ドル=103円台後半の円安となり、日経平均は一時16,971円まで上昇しましたが、終値では△79円の16,899円の4日続伸でした。週末の7日(金)は、3連休とアメリカの9月雇用統計を控えて手控えとなり、海外では為替は一時104.16円まであったものの、その後は円高にふれていたことで手がけにくい状況となり、利益確定売り優勢で▼39円の16,860円と5日ぶりの反落でした。16,900円台にのせると戻り売りに押されて17,000円を突破できないのは、売買代金が2兆円を割る状況が続いているためと考えられます。
週末7日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、注目の9月雇用統計は、市場予想を下回ったことで年内利上げがやや後退し、為替は一時ドルが102.86円まで売られましたが、年内利上げ観測が見送られるほどの内容ではなかったことで、雇用統計への見方がかわり、NYダウは▼28ドルの18,240ドルと小幅安で引けました。シカゴ日経先物は▼105円の16,785円となっていました。
日本市場が休日の10日(月)のアメリカ市場は、原油価格が一時51.6ドルと6月29日(水)以来の水準まで上昇したことを好感し、エネルギー株中心に全面高となり、NYダウは△88ドルの18,329ドル、シカゴの日経先物は△60円の16,950円となりました。為替も102円台後半から103円台後半への円安進行となっています。
3連休明けの今週は、先週末のアメリカの9月雇用統計がやや予想を下回り、為替が1円ほど円高にふれたことで、先週末のシカゴ日経先物も▼105円の16,785円となっていましたが、前述のように10日(月)のアメリカ株高、円安を受けて17,000円を試す動きとなりそうです。先週のチャート分析で柴田罫線では、三角保ち合いを上放れ寸前であるものの、ザラ場では上放れの形となっており、9月2日(金)の16,946円を終値で上回れば上放れ確定となるとしました。ただし、上昇が続くためには売買代金が2兆円を超えてくる必要があるともしました。目先の上値ポイントは、9月5日(月)の17,156円、その上は17,200円台、ここを超えれば17,600円を試す形といえます。17,156円を突破できなければ17,000円をはさんだもみあいとなって、年内利上げに対する材料の強弱で、為替ももみあいとなり日経平均は一進一退となる可能性があります。16,700~17,100円のレンジでの動きを想定します。
10月11日(火)は、原油高を背景に欧米株高となり、円安へ戻してきたことで△76円の16,936円で寄り付き、ジリ高となって17,074円まで上昇し、後場になると戻り売りに押されるものの、△164円の17,024円と9月9日(金)以来の17,000円台回復となりました。アメリカ大統領候補のテレビ討論会では、クリントンの優勢変わらず、原油動向も不透明感が薄れていることで薄商いの中(今日も売買代金2兆円割れ)17,000円を回復しました。しかし、国内的に材料乏しく利上げやドイツ銀行問題など海外環境は不透明な部分も残り、もう一段の上昇には疑問が残るところです。
先週は、前週末のドイツ銀行の信用不安の後退や、OPECの原油減産合意の好影響から欧米株高を受けて、自律反発スタートを想定し、ただ、週末に雇用統計が控えていることから戻りのあとは、もみあう展開になるとしました。
結果的には、欧州金融不安の落ち着きやアメリカ経済指標の予想を上回る結果や原油高を受けて、予想よりも円安進行となったことで、週末の雇用統計の前日の10月6日(木)まで、4日続伸となり、一時16,971円まで買われましたが、終値では16,900円を回復できませんでした。週末の10月7日(金)は雇用統計を控えて▼39円の16,860円で引けました。
今週も、16,000~17,000円のボックス圏の中の動きが継続することになりそうです。先週、想定した16,300~16,800円の小さなもみあいを突破して一時16,971円まで上昇し、アメリカの雇用統計が予想を上回れば、円安進行となって17,000円突破も期待できましたが、予想を下回り、ドル安・円高となってシカゴのCMEは▼105円の16,785円となっていました。
10月5日(水)の分析で、16,300円水準からは下値切り上げ、9月2月(金)の16,946円からは上値を切り下げると三角保ち合いとなっていましたが、柴田罫線では上放れ寸前となっているとし、16,946円を終値で突破できれば確定的となるとしました。10月6日(木)に16,971円の上ヒゲを出しましたが柴田罫線では、上放れの形となりませんでした。
連休明けの今週は、先週末にアメリカの9月雇用統計が予想を下回ったことで、102円台の円高となってシカゴ日経先物は▼105円の16,785円となっていましたが、日本が休日中の10日(月)は原油高を受けて欧米株高、為替の103円台後半への円安となり、シカゴ日経先物も△60円の16,950円となっていたことで、17,000円台を回復しました。9月5日(月)の17,156円を確実に突破できなければ戻り売りに押され16,700~17,100円のもみあいとなりそうです。
10月11日(火)は、原油高を背景に欧米株高となり、△76円の16,936円で寄り付き、ジリ高となって17,074円まで上昇し、後場になると戻り売りに押されるものの、△164円の17,024円で引けました。
先週の予測では、多くの経済指標が発表されたが、内容的には年内利上げが期待される動きとなり、その場合は、ドル高・株安の流れになるとしました。原油価格もそれに影響を与えることになるものの、18,000~18,500ドルのレンジ内の動きを想定しました。
結果的には、経済指標の上ブレや地区連銀総裁のタカ派的発言で年内利上げ意識から週始めは2日連続安、10月5日(水)は原油価格の上昇を受け、反発するも注目の週末の9月雇用統計は予想を下回り、2日連続安となるものの、小幅安の▼28ドルの18,240ドルで引けました。
今週も年内の利上げ観測への思惑から10月12日(水)のFOMC議事録の公開や10月14日(金)のイエレン議長の講演が注目となります。先週9月雇用統計がやや予想を下回ったものの、FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は、12月は61%とかわっていませんので、年内利上げに関しては強弱感が対立してもみあいが続きそうです。18,000~18,500ドルのレンジ内の動きを想定。
柴田罫線でみると、昨年の2月11日(水)の15,503ドルからの上昇トレンド(A)の中で、7月20日(水)の18,622ドル、8月15日(月)の18,668ドルと2点天井となって9月14日(水)に17,992ドルの安値をつけ、その後は18,066~18,339ドルのもみあいとなっていますが、徐々に上昇トレンドを横に切る動きとなってきていますので、最高値を更新するのは難しくなっています。
今週は、9月雇用統計を控え年内利上げの思惑からドル買い、さらに原油高となればドルが買われるため、やや円安方向が考えられるとしました。
結果的には、想定のレンジ99.5~102.5円を突破する動きとなりました。経済指標の上ブレで年内利上げ観測の思惑からドル買い、原油価格の上昇でリスク選考のドル買いとなり、一時104.16円までドル高・円安となりました。週末の7日(金)は、9月雇用統計が予想を下回ったことでドルが102.8円まで売られ102.90円で引けました。
今週は、ドルがやや底堅い展開が想定されます。ドル・円の柴田罫線をみると昨年の11月9日(月)の123.6円のドルの高値から下降トレンド(B)を形成。この中で6月24日(金)に99.02円、8月18日(木)に99.54円、9月29日(目)に100.09円と3点底をつけたあと、下降トレンド(B)を上にぬけて10月6日(木)に103.7円で買転換となって、10月7日(金)に104.16円まで上昇して102.90円で引けました。先週末の10月7日(金)は、9月雇用統計が予想をやや下回ったことでドル安・円高となりましたが、年内利上げ後退にそれほど影響を与えておらず、12月利上げ予想は61%のままです。102~105円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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