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2016年11月08日

第353回 大統領選に注目。クリントン勝利ならばリバウンドへ

先週は、週半ばから大統領選挙に不透明感が生じ急落相場へ

先週の予測では、前週の17,500円に接近する上昇は、特別に新しい材料がないまま相場環境のプラス面(原油価格の上昇、円安、クリントン氏の優勢など)のみを材料にして上昇してきたため、一服する週になるとしました。 結果的には、週前半は17,400円台でのもみあいとなるものの、11月2日(水)は一部のトランプ氏優位報道で、日経平均は▼307円の17,134円と急落し、休日をはさんだ4日(金)は引き続き大統領選の不透明感を嫌気し▼229円の16,905円で引けました。

要するに、目先プラス評価してきた原油価格がイランとイラクの協議不調となって下落し、クリントン氏のFBIによる私用メールの再捜査でトランプ氏有利の見方が一部報道に出て、それに伴いリスク回避の円買い・ドル売りと悪材料に転化しました。各種の調査では、ややクリントン氏が有利と思えますがイギリスのEU離脱でまさかのことが起こっていますので、もしトランプ氏が大統領になる可能性も想定してリスク回避の売りとなっています。トランプ氏が大統領になったら、世界の株価ももう一段下がる可能性が高いと思われます。それは、トランプ氏の人間性(女性に対する軽蔑すべき扱いなど)の問題なのではなく、これまで述べてきた金融政策などになります。ウォール街と政府の間を切るとか、FRBメンバーを全部入れ換えるなどという発言は、これがもし本当ならばアメリカの金融政策はこれまでと違ったものになり、世界に一時的に混乱を巻き起こすことになると思われます。

31日(月)は大統領選の不透明感から反落スタートとなるものの、日銀のETF買い期待で下げ幅を縮小し、▼21円の17,425円となりました。1日(火)は午後の日銀金融政策決定会合の発表待ちで小幅続落でしたが、現状維持発表で円安にふれ日経平均は△17円の17,442円と小反発しました。2日(水)は、前日のアメリカの一部調査でトランプ氏有利が伝わるとNYダウは大幅下落し、ドル売り・円買いとなりこれを受けて日経平均は▼204円の17,238円で寄り付き、後場は一段安となって▼307円の17,134円で引けました。3日(木)は、日本市場は休場でしたが、アメリカでは株価の続落となってシカゴの日経先物は▼130円の16,970円と17,000円を割っていました。これを受けて4日(金)の日経平均は、▼170円の16,964円で寄り付き、トランプリスクを織り込む動きから前場は▼332円の16,801円まで下げて▼229円の16,905円でした。

11月4日(金)のアメリカ市場では、10月の雇用統計が発表され非農業部門雇用者数は+16.3万人と予想の17.5万人を下回りましたが、利上げの目標とされる+15万人は上回りました。さらに平均時給は前月比+0.4%と予想の0.3%を上回っているため、労働市場の回復は堅調さを示したことで、12月利上げ期待は高まり一時ドル買いとなり株価も上昇して始まりました。しかし、大統領選への警戒感強くNYダウはプラスからマイナスに転換し、▼42ドルの17,888ドルと7日続落となりました。S&Pは36年ぶりの9日続落という状況になっています。シカゴ日経先物は▼35円の16,855円で引けました。

大統領選でクリントン勝利ならばリバウンドへ

今週は、8日(火)のアメリカの大統領選の結果待ちということになりますが、先週の動きはクリントン氏の私用メール問題をきっかけにアメリカの大統領選への不透明感からアメリカ株式が下落し、それに日本株も連動することになりました。予想ではクリントン氏有利ですが、イギリスのEUからの離脱が予想外だったため、トランプ氏の勝利の可能性も想定されて相場が下落してきたと考えられます。トランプ氏勝利ならば株価は一段安のあと、アメリカの景気回復は現時点では順調ですので、いったん反発してくることになると思われます。クリントン氏勝利ならばリバウンドとなって元の相場レンジに戻ってくることになりそうです。その場合は12月利上げの期待は高まり、為替も再び105円台を試しますが、OPECでの減産合意が不透明になっていますので、円安がさらに大きく進むとは考えにくいところです。要するにクリントン氏が勝利しても日米の株価はリバウンドしたあとは方向性のない展開の可能性があります。さらに先を見ると、クリントン氏は保護主義者ですので、いずれ夫の元大統領ビル・クリントンと同じように円高政策をとってくる可能性は、大きく円高不況による場合も考えられます。

11月7日(月)は、早朝にFBI長官による私用メール再捜査で「訴求を求めない」との発言が伝わり、クリントン優勢の見方に戻り、日本市場は104円台の円安となって日経平均は△220円の17,126円で寄り付きました。少し押し目を入れるものの、後場にはジリ高となり△271円の17,177円で引けました。この大幅反発はトランプリスクで売っていた側の買い戻し中心であり売買代金は2兆円を切っています。

(指標)日経平均

先週の予測では、前週までの上昇が17,500円のフシを前に一服することになりそうだとしました。その場合17,200~17,500円を基本レンジとしました。結果的には、クリントン氏の私用メールの再調査をきっかけにトランプ氏を後押しし、一部調査ではトランプ氏有利もありリスク回避のドル売り、株売りとなりました。

週始めの2日間こそ17,400円台での動きでしたが、11月2日(水)はETF買いの効果もなく▼307円の17,134円でした。休日明けの11月4日(金)も引き続き米大統領選への不透明感や原油安から寄り付きで▼170円の16,964円と17,000円を割れ、一時▼332円の16,801円まで下落して引けました。

11月2日(水)のチャート分析では10月14日(金)の16,727円を切らない限り問題なしとしましたが、ここを試すところまできています。

今週は、11月8日(火)のアメリカ大統領選挙に注目となります。クリントン氏が勝利すれば10月14日(金)の16,727円を守ってリバウンド修正となり、再び17,500円を試す動きが想定されます。トランプ氏が勝利すれば10月14日(金)の16,727円を切って売転換となり下値模索となります。

11月7日(月)は6日(日)に、早期にFBIが私用メールの再調査を終えて問題なく訴追しないことを発表したことが伝わりクリントン氏優勢が再び高まり、17,177円の大幅反発となりました。売買代金は2兆円を割っていますので買い戻しによる大幅反発と思われます。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、FOMCと10月雇用統計を控えており、内容によって12月利上げ観測が高まれば長期金利上昇となって株価の上値は抑えられるので18,000~18,400ドルのレンジ内のもみあいを想定しました。ただし、柴田罫線ではこのレンジの中で10月11日(火)の18,128ドルで売転換が出現しているため、この売転換が確実になるのには引線の終値で10月13日(木)の17,959ドルを切った時としました。

結果的には、10月28日(金)のイランとイラクの減産合意ができず、その後、原油価格は下落し10月31日(月)には約1カ月ぶりの1バレル=47ドル割れとなり、又、クリントン氏の私用メール問題からトランプ氏が猛追して大統領選が不透明となり、NYダウは続落が続いて11月3日(木)は▼28ドルの17,930ドルでレンジの下放れとなりました。さらに週末は▼42ドルの17,888ドルと7日続落でした。

今週は、11月8日(火)の大統領選の結果に注目となります。クリントン氏勝利でリバウンドとなってレンジへの回復、逆にトランプ氏勝利で一段安として17,500ドルを試す動きを想定。その後は、12月利上げに注目となり、クリントン氏勝利ならば12月の利上げは確実となり、ドルは買われるが株価は上値が重くなりそうです。トランプ氏勝利であれば12月利上げは不透明となって様子見となると思われます。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、12月利上げ観測は高まるものの、クリントン氏の私用メールの再調査から大統領選の不透明感が生じ、イランとイラクの減産合意できず原油価格の下落でドルの上昇を抑える要因がでてきたとし、103~106円のレンジを想定しました。

10月31日(月)は、GDPが予想を上回ったことでドル買いが続き105.20円まで上昇するものの、原油の減産合意できなかったことで1カ月ぶりの1バレル=47ドル割れとなり、ドルが売られ104円台後半の動きとなりました。その後、一部の報道からトランプ氏有利の報道もあり株売り、ドル売りとって円高が進み11月3日(木)には海外で102.58円まで円が買われました。

今週は、先週の10月雇用統計の結果を受けて非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの、内容は労働市場の回復を示すものであり、クリントン氏勝利ならば12月の利上げ観測高まってドルは買われて105円を目指すことが想定されます。もしトランプ氏勝利ならば12月利上げは不透明となり100円を試すドル安・円高の動きが想定されます。

ドル/円

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

出島昇

柴田罫線実践教室

株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

【かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)にかかるリスクおよび費用】 

リスクについて
かぶミニ®の取扱い銘柄については市場環境等により、取扱いを停止する場合があります。
費用について
売買手数料は無料です。

かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

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(貸株サービスのみ)

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