2022年6月29日配信
積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。楽天証券の山口です。
毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。
突然ですが、皆様は、ご自身がお持ちになっている投資信託の「リスク」をご存じでしょうか?
ここまで、本ニュースレターでは「投資に対する心構え」に関するお話をしてきましたが、今週からは、知っているようで知らない「リスクの話」をしていきたいと思います。
「暗い話は聞きたくないなぁ…」と思われるかもしれませんが、リスクについてあらかじめ理解しておくことで、冷静な判断をすることができますよ。
というのも、相場が好調な時には、「これだけやっておけば正解」「絶対に失敗しないやり方」といった言説が多く流れ始めるのですが、それだけ聞いていると「こんなはずじゃなかった」と想定外のケースに面食らってしまうことが多いのです。
いま、実際に相場の大きな変動を体験し、初めて「投資は怖いものだ」と実感している方も多いのではないでしょうか。
やはり、大前提として、投資には元本割れのリスクがあります。
ただ、投資にはリスクがあるからといって投資に踏み出さないと、実はもっと大きなリスクが気付かないうちに降りかかっているかもしれない…というお話を今日はさせていただきます。
前回のメールでもお伝えしました通り、世界の株式市場は年初来大きく下落していますが、現在日本では同時に円安が急速に進んでいます。
皆様は、海外株式に投資するファンドで積立を行っている方が多いと思いますが、思ったよりも基準価額が下落していない、というケースがあると思います。これは、円安により、相対的に海外資産の通貨が高くなり、株価の下落が相殺される形となっているためです。
このように、日本から海外資産に投資を行う場合は、必ず為替の影響が発生します。今は円安なので海外資産にとってはプラスとなっていますが、反対に円高が進むと、海外資産にとってはマイナスの影響になります。
今では信じられない水準なのですが、私が新卒で金融機関に入社した2011年は、ドル/円の為替が過去最大の円高である75円32銭を記録した年でした。この時、海外資産に投資する投資信託をお持ちだったお客様は、株安と円高のダブルパンチで、大変大きな損失が出ていました。
「資産の分散、通貨の分散をしておきましょう」といった提案など、お客様を損させてしまうだけなのでは…?と、新人だった当時は思っていたものです。
しかし、今となっては、やはり資産や通貨の分散というのは、リスクヘッジのうえで非常に理にかなっていると考えています。
円高になれば、投資している海外資産にはマイナスの影響が出ますが、預金などで持っている円建て資産の部分は相対的に価値が上がるわけですから、うまくリスク分散が成り立っているといえるからです。
当時は1ドルを交換するのに75円しかかからなかったので、円の価値が非常に高く、得しているといえますよね。
しかし、現在は大幅な円安が進み、1ドルを交換するのに135円かかってしまいます。
世界的に見れば、いま日本人が円で持っている資産は、相対的に大幅に価値が下落しているのです。
つまり、「損をするのが怖いから」とすべての資産を預金などに置き、安全・安心だと思っていても、実はすべての資産の価値が下落してしまっていることになります。
投資にリスクはありますが、投資をせずすべて同じところに資産を置いておくことも、また気づかないうちにリスクを受けている可能性があるということです。
現在の世界や日本の不透明な情勢の中では、ご自身の資産を幅広く世界に分散させ、何かあった時にも全部がダメージを受けないようにする、ということの重要性がより高まっているといえるでしょう。
なので、すでに海外資産などに投資を行っている皆様は、現在の円安の恩恵を受けていることになりますので、是非「やっててよかったなぁ」と思ってくださいね。
また、最近投資を始めた方も、為替の水準はこの10数年でもこれだけ大きく動いていますから、ずっと同じ水準が続くということは考えづらいです。ぜひ長期の積立でタイミングを分散しながら、この調子で資産分散を図っていきましょう!
ご質問
「投資信託は株価が好調時には少数しか買えない。株価低迷時は投資信託を多く買える。との認識は合っていますか?どこを見ればその推移は確認出来ますか?」
ご回答
はい、認識お間違いないですよ。
投資信託には、「基準価額」という値段がついており、株式に投資を行うタイプの投資信託であれば、株価が上がれば基準価額の上昇要因となり、株価が下がれば基準価額の下落要因となります。
この値段(基準価額)が低ければ、同じ金額でもたくさんの数量を買うことができ、値段が高ければ、同じ金額でも少しの数量しか買うことができません。
例えば、50,000円で積立を行っている場合、購入時の基準価額が10,000円であれば50,000口買えますが、20,000円であれば25,000口の買付と、買える口数が少なくなります。
実際に購入した数量や単価については、購入履歴でご確認いただけます。
スマホでご覧になる場合は、ログインして投資信託の画面に移っていただき、上部のメニューにある「履歴」を押していただくと、過去の購入・売却履歴がご覧いただけます。
各履歴の項目を押していただくと詳細の内容が出てくるのですが、そのページ下の方のグレーの枠に「数量」と「単価」が載っています。積立をされている方でしたら、過去の詳細を見ていただくと、同じ金額でも単価が低いときには口数が多く、単価が高いときには口数が少なく買えていることがお分かりになると思います。
特に、今は相場が下落しており、基準価額が低くなっているファンドが多いため、「安いときに沢山買っておく」という積立の理論が実践できているはずです!是非確認してみてくださいね。
お役に立てましたでしょうか?引き続き、皆様からのご質問をお待ちしております!
投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。
各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。
買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。