楽天証券経済研究所 アナリスト
今中 能夫
1961年生まれ。1984年に岡三証券においてアナリストとなり、アナリスト歴20年以上。インターネット、ソフトウェア、エンタテインメントを中心にテクノロジー、サービスを幅広くカバーする。
株式会社オフィス出島 代表取締役
出島 昇
チャート分析の第一人者で柴田罫線をベースとした相場分析の実践者。株式投資関係の著書多数。
3D(3次元)映画は数十年前から何度となくブームになっています。映画やコマーシャルに飛び出す画像としてさまざまな3D技術が使われてきましたが、いずれも一時的なブームに終わっています。
しかし、2009年から状況が違ってきました。まず、2009年10月に幕張メッセで開催されたエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC」において、ソニー、パナソニック、東芝などのテレビメーカーが一斉に「3Dテレビ」を発表しました。発売時期は2010年春から秋にかけてです。次いで、2010年1月のアメリカで開催された「CES(Consumer Electronics Show)」では、ソニー、パナソニックなどの日本勢だけでなく、サムスン電子、LG電子などの韓国勢が積極的に3Dテレビを展示しました。
映画の世界でも大きな変化が起こりました。2009年12月23日に全世界一斉公開された3D映画「アバター」は公開と同時に大ヒットし、これまで1位だった「タイタニック」の全世界興行収入記録を年明けの2010年1月25日に抜きました。3月上旬には全世界の興業収入が26億ドルを超え、それまで1位だった「タイタニック」の18億4290万ドルを大きく引き離しました。それまでも、3D映画はいくつも制作されてきましたが、「アバター」は従来とは数段上の臨場感、飛び出し感、奥行き感を持ち、加えて、ストーリーの面白さが評価されました。続いて、2010年3~4月にアメリカ、欧州、日本など全世界で順次公開された「アリス・イン・ワンダーランド」は公開当初の勢いがアバターを超えました。
このように、「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」という3D映画の秀作2作が好調な興行成績を挙げたことが、映画界、特にハリウッドメジャーの3D映画製作意欲を大きく刺激することになりました。表1は、今後予定されている3D映画のラインナップ、表2がハリウッドメジャー各社の3D映画製作予定本数ですが、各社の積極的な姿勢がうかがえます。
また、エンタテインメントの重要な分野である音楽、ゲーム、スポーツ映画・放送、テレビ放送でも3D化が始まっています。音楽はライブの3D化が始まっています。ゲームではソニーがプレイステーション3®用の3Dゲームソフトを、ソニーが3Dテレビを発売する2010年6月以降に発売する予定です。スポーツ映画・放送ではソニーがサッカーの2010年FIFAワールドカップの試合を3Dで撮影してブルーレイディスクにして発売する予定です。
任天堂も3Dを始めます。6月に開催されるE3で新型の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」をお披露目し、2011年3月期内に全世界で発売する予定です。裸眼で3D映像を見ることができます。どういうものが出てくるか楽しみなマシンです。
次に、3Dの世界を楽しむために必要なハードウェアを見てみたいと思います。
3Dコンテンツの中で映画は非常に重要です。年齢を問わず楽しめ、映画館でも家庭でテレビでも観賞できるからです。テレビシリーズも同様です。それらを撮影するための機材に注目する必要があります。
この市場は決して大きくありませんが、重要な市場です。現在、映画、テレビ放送の機材市場の約60%をソニーが占めています。3D映画でも、撮影、編集用のカメラ、機材はソニーがほぼ独占していると思われます。ソニー以外では、市場の20%をパナソニック、20%をキヤノンとJVCが占めていますが、技術、経験のいずれの面でもソニーが他社をリードしているようです。
家庭に3Dを普及させるときの中核が3Dテレビです。今年2月にサムスン電子が韓国と北米で先行発売しました。これは予想を上回る売れ行きになった模様です。また、3~4月にはパナソニックが日米欧で3Dテレビを発売しましたが、これも好調に推移している模様です。ただし、サムスン、パナソニックの技術比較もできるようになりました。現状ではパナソニックのほうが映像が綺麗だと言われているようです。このように、テレビは映る絵の内容で技術の良し悪しがわかります。厳しい世界ですが、これからのテレビ市場は、特に40インチ以上の大型画面において、3D機能搭載型が主流になると思われます。これまで以上に技術力の格差が表れるでしょう。
サムスン、パナソニックに続き、6月から7月にかけてソニーが3Dテレビのラインナップを順次発売します。サイズと価格帯は他社よりも広く、買いやすさを狙っています。また、3Dテレビ発売と同時に、自社製の3D映画BD(ブルーレイディスク)、3D音楽ソフト、3Dゲームも発売する予定です。
テレビの世界市場は、現在サムスンがトップで、2位がソニーです。これまでのテレビは、テレビ単独で売ることができました。映画やテレビ番組は映画会社や放送局が独自に作っており、テレビメーカーはコンテンツに対して受身でよかったのです。しかし、3Dテレビの時代になると、質の高いコンテンツをより早く、多く獲得した会社がシェアの上位を占める可能性があります。テレビビジネスが単純なハード売りからコンテンツ主導型に変わる可能性があるのです。このことを考えると、シェアの変動が起こる可能性があります。
なお、2011年3月期ないし2010年の3Dテレビ販売目標は、サムスン電子が200万台以上、ソニーが250万台以上、パナソニックが100万台となっています。出荷した分はすべて売れると思われます。
3D映画は、片目ずつ画像を交互に移さないと視聴者が画像を立体的に見ることができません。通常の映画の倍の記憶容量が必要になるため、記憶媒体としてブルーレイディスク(BD)が必要になります。プレイヤーも3D対応BDプレイヤーが必要になります。テレビメーカーは3Dテレビを発売すると同時に3D対応BDプレイヤーも発売しています。また、ソニーのプレイステーション3は5月からネット経由でファームウェアを書き換えることによって3D対応ゲーム機になりますが、年内には3D対応BDプレイヤーになるファームウェアの書き換えが可能になる模様です。
ゲーム機で3D映像を使ったゲームを楽しもうとすると、高性能CPUとBDプレイヤーが必要になります。現在、これが可能なのはソニーのプレイステーション3だけです。マイクロソフトの3Dに対する態度は不明ですが、BDプレイヤーを取り付けてファームウェアを3D対応に交換すれば可能になるかもしれません。Wiiは、CPUの性能が他の二機種に比較して低いので、高精細CGを使った3Dゲームは無理と思われますが、簡単なアニメ画像の3Dならできる可能性はあります。ただし、3Dの世界が今後進歩していくにつれて、任天堂も数年後には3D対応の新型機(据置機)を発売する可能性があります。
携帯ゲーム機では、任天堂が2011年3月期中に「ニンテンドー3DS」を発売する計画です。まだ詳細は不明ですが、裸眼で3D映像を見ることができる液晶ディスプレイと3次元センサー、振動装置など体感型の性能を持っているようです。期待が高いマシンです。
3D関連企業には様々な業種が含まれます。まず、映画製作会社と配給会社です。特に100億円以上の資金を投じて大作を作ることができる「ハリウッドメジャー」です。ワーナー・ブラザーズエンタテインメント(タイム・ワーナー子会社)、ユニバーサル・ピクチャーズ(GE子会社)、ディズニー、パラマウント・ピクチャーズ(バイアコム子会社)、フォックス・エンタテインメント(ニューズ・コーポレーション子会社)、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(ソニー子会社)の6社です。
次にテレビメーカーです。サムスン電子、パナソニック、ソニー、シャープ、東芝など。音楽も関わります。ユニバーサル、ソニー・ミュージックエンタテインメント(ソニー子会社)などです。ゲームでは、任天堂、ソニー、カプコンなどです。放送・撮影機材も関わります。これは前述しました。
これらの3D関連市場の全てでソニーは重要な企業です。このような企業は世界でもソニー以外にありません。3D市場の拡大は、ソニーの各事業を活性化し、中長期的に大きなシナジーを生むと思われます。
目先の業績では、為替が懸念材料です。2011年3月期の会社予想営業利益は1600億円ですが、これは1ドル=90円、1ユーロ=125円を前提しています。為替感応度はドルが1円で20億円のマイナス、ユーロが1円で70億円のマイナスですから、足元の1ドル=90円、1ユーロ=109円が今後1年間続くとすると、営業利益に対して1120億円のマイナス効果が発生しますが、これでも黒字は維持できます。また、ソニーは営業利益に構造改革費用と持ち分法投資損益が含まれています。これを控除して他の電機大手と同じ基準に修正した会社予想営業利益は2300億円ですが、今の円高でも約1200億円は維持できることになります。過去1~2年でかなり思い切ったリストラを行ったために、収益力が強化されたことがわかります。
6月10日にソニーは3Dテレビを発売します。その後、夏から秋にかけて3Dテレビのラインナップと、3D対応BDプレイヤー、3D映画、3Dゲームなどの3Dコンテンツを発売します。売れ行きが注目されます。
4月12日(月)の分析で、2007年7月22日の7,190円からの長期トレンド(A)の中で、2008年10月28日に1,766円の安値をつけたあと11月5日に2,580円まで戻し、その後下向きの先細三角形となって2009年2月24日に1,491円で底を打ち、3月3日に1,734円で買転換が出現し上放れる形となりました。
6月8日の2,800円まで上昇した後7月13日の2,145円まで調整し、その後は2,145~2,830円のボックス相場(C)となっていました。その中で、12月1日の2,250円を安値に12月3日に2,475円で買転換が出現し、2010年1月12日の3,210円まで上昇したところで下降トレンド(A)にあたってもみあいとなり、業績急回復期待から再上昇となって3月23日に3,645円の年初来高値更新となりました。
その後予想通り調整が続き、5月13日(木)は決算発表で2011年3月期の連結営業利益が前期比△403%の1,600億円と発表したことで、いったん反発して△125円の3,165円となるものの、5月4日(金)は材料出尽しとなって▲215円の2,950円と3,000円を割り込みました。
その後は、ドイツの空売り禁止発表をきっかけにユーロが急落し、特に1ユーロ=110円を割る動きとなったことで、ヨーロッパへの輸出比率の高いソニーはさらに売られ5月25日(火)は▲144円の2,728円となりました。
パナソニックは4月23日に国内で初めて3Dテレビを発売しました。まずは順調な滑り出しの模様です。北米では既に3月に発売しています。6月から本格的な生産に入り、今後は新興国も含め拡販していく方針です。
パナソニックはプラズマ型の3Dテレビを販売しています。液晶パネルは使っていません。これは、プラズマのほうが応答速度が速く、画面が明るく、製造コストが安いという理由です。
そして、テレビ全体では42インチをプラズマ、液晶両方で生産し、これ以上はプラズマ、これ以下は液晶と区分けしています。一方、サムスン電子は3Dテレビをプラズマ、液晶両方で展開しており、ソニーなど他社は40インチ以上の大画面液晶で3Dテレビを展開する方針です。パナソニックも将来は液晶パネルで3Dテレビを生産するかもしれません。そうなると、生産体制の問題、コストの問題が浮上するかもしれません。
ただし、ソニーが日本向けの高機能型3D対応BDプレーヤーを6月時点では準備していないのに対して、パナソニックは既に発売しているように、ハードウェアの技術力は高水準です。また、パナソニック全体での海外比率はソニーよりも低いため、為替の感応度も小さく、為替に対する収益の安定性は他社よりも高いと思われます。
2007年8月21日の1,912円を安値にして、上値は12月7日の2,395円とする8カ月近いボックス相場(A)を抜けて、2008年5月1日に2,500円、6月6日に2,515円とダブル天井をつけて下落に転じ、9月リーマンショックで暴落となって12月17日の1,000円で底打ちとなりました。
大底圏でもみあったあと2009年2月24日に1,016円をつけてダブル底のような形となって、下降トレンド(B)を上に抜けて5月7日に1,510円まで上昇しました。
その後は、11月27日の1,062円まで下落し、2010年1月15日の1,585円と高値を更新していますが上値は重い展開です。1,067~1,585円の大きなボックス圏の中の動きとなっています。
5月13日の発表で、電機8社が営業黒字となって回復が鮮明になりました。11年3月期は全社最終損益が黒字転換する見通しですが、パナソニックは今期は赤字縮小にとどまりました。チャートの形としては、まだ来期の業績は織り込んでいないように思われます。
シャープは3Dテレビを夏以降に発売する方針です。東芝も同様で、「セルレグザ」の3Dバージョンを夏に発売する予定です。両社ともに今は3Dに関しては様子見です。ただし、シャープは3Dブームがテレビ需要全体を底上げするようなら、液晶パネルの出荷増加でメリットを受けます。
また、シャープ、東芝ともに、裸眼で3D映像を見ることができる小型液晶を開発、商品化しました。携帯ゲーム機や携帯電話への搭載が見込まれています。引きあいが強いそうです。
現在の株価は、まだ2007年4月9日の2,445円の高値からの下降トレンド(A)の中にあります。この中で、2008年2月26日の2,150円の戻り高値から、この年9月のリーマンショックで暴落(B)となり、11月21日の554円で底打ちとなりました。
2009年1月7日の897円まで反発したあと三角保ち合い(C)を形成して上放れとなり、上昇トレンド(D)を形成して現在に至っています。この上昇トレンドの中で、1月15日に1,253円の高値をつけ3月4日に1,007円まで下げて反発し、4月5日に1,253円をつけて高値圏のもみあいとなりました。このもみあいの中で、4月15日にザラ場で1,260円と年初来高値を更新し下落となって、4月23日に1,193円で売転換が出現しました。
その後も、もみあいが続き4月27日に再び1,260円をつけたあとに小さなもみあいの下放れとなって、5月17日には1,079円でろく売も出て上昇トレンド(D)の下値斜線である1,070円をアッサリ切って、5月25日(火)は▲33円の969円となっています。
チャートをみると、現在の株価は2007年7月24日の1,185円からの下降トレンド(A)の中にあります。この中で2008年の6月4日の戻り高値953円をつけたあと、リーマンショックで暴落となり2009年2月23日の204円で底打ちとなりました。
ここから上向きの末広がり三角形の形で上昇してきており、この中で2009年10月23日の572円で高値をつけ11月27日に426円まで下げて、2010年の1月15日に547円で2番天井のような形となりました。ここからの下落では円高進行を嫌気して末広がり三角形の下値斜線を切って2月9日に408円の安値をつけましたが、この水準でもみあって2度の買転換が出現し(2度目は3月23日の466円)そのまま上昇となり4月26日(月)はIHIと原子力事業で今秋にも会社設立と報道されたことで一段高となり、翌日4月27日(火)は552円まであって終値は548円となって1月15日の547円を1円上に抜きました。
目先は560円から上はフシになるところであり、このまま上昇するにはさらに材料がほしいところです。決算発表では、2011年3月期連結営業利益は大幅改善が続く見通しとなったものの、目先は材料出尽しとなり500円を割ってきています。
前述したように、任天堂は2011年3月期中にニンテンドー3DSを発売する計画です。今の任天堂の競争相手はアップルです(携帯型ゲーム機市場で)。また、DS市場がスローダウンしているため、当面は携帯型ゲーム市場に注力する模様です。
また、2~4年後、3Dテレビが日米欧で数千万台行き渡ったところで、Wiiの後継据置機を3D対応で出す可能性があります。足元ではソニーのプレイステーション3に勢いがあります。任天堂もいつまでも据置機市場の3D化を無視するわけにはいかないでしょう。
任天堂のリスクも為替です。1円当たりの為替感応度は、ドル42億円、ユーロ36億円(いずれも2010年3月期実績)。2011年3月期の前提レートは1ドル=95円、1ユーロ=120円ですから、足元のレートが続けば、営業利益に対して570億円のマイナス要因が発生します。会社側の今期営業利益予想は3200億円(前年比10.3%減)ですので、今の円高が続けば減益幅が拡大するでしょう。今期の会社予想の中にニンテンドー3DSの寄与がある程度入っていますので、実際にどの程度売れるかが、業績の焦点となるでしょう。
2008年6月26日の63,900円の高値から、9月のリーマンショックもあって10月28日の21,600円までの暴落となりました。
ここから、12月11日の36,850円まで反発したあと、ここを戻り高値とし、21,600円の安値を基点とする下向きの先細三角形となって上値、下値を切り下げる展開となりました。この中で、2009年7月20日に27,000円の戻り高値から(1)8月21日の23,470円、(2)10月6日の21,630円、(3)12月4日の20,140円と順次下値を切り下げる三段下げとなって12月4日に20,140円で底打ちとなりました。
ここで買転換が出現(12月22日の21,800円)して、2010年1月28日の26,420円まで反発し、いったん2月26日の23,960円まで押し目を入れたあと、3月1日の24,820円で再び買転換が出現して、一気に上放れとなり4月5日の32,950円まで上昇しました。
その後、高値圏でもみあった(C)あと下放れとなって、昨年12月4日の20,140円の安値からの上昇トレンド(B)を下に切って、5月25日には25,800円まで下落してきました。
日本で映画、アニメの制作、配給、興業を行っている会社も注目できます。現状では、3D映画でヒットしている作品はハリウッド作品になります。これら映画の配給は、東宝、東映、松竹、角川映画(角川グループホールディングス子会社)の大手4社や東北新社などが行っています。
また、系列映画館での興業を、東宝、松竹、角川グループホールディングス(子会社の角川シネプレックス)などが行っています。「アバター」の大ヒットは映画館経営に大きなメリットがありました。2009年末時点で、3D対応スクリーン数は約350で、1年前の8.5倍になっています。3D対応は映画館にとっては投資が必要になりますが、チケット代が2Dに比べ10~20%高くてもお客が入りますので、映画館にとって3Dはメリットが大きいと言えます。
これらの配給、興行会社は映画、アニメ、テレビ番組の制作も行っています。3D映画が日本映画にどのような影響を与えるか、まだ不明ですが、変化が期待できるかもしれません。
2007年10月24日の2,085円を安値の基点、12月7日の2,650円を高値の基点とした三角保ち合い(A)をなり、この煮詰まった2008年4月21日の2,570円を戻り高値に三角保ち合い(A)を下放れし、7月15日の2,030円まで下落しました。
ここから反発するものの、9月10日の2,365円の戻り高値をつけたところでリーマンショックが起こり、急落となって10月27日に1,430円の安値をつけました。急反発したあとは、下向きの先細三角形の形となって、この中で2009年5月18日に1,251円で底打ちとなり、上放れとなって8月3日の1,691円まで上昇しました。
その後、11月13日の1,310円まで下落して5月18日の1,251円に対する2番底の形となって短期の上昇トレンド(D)を形成しています。この上昇トレンド(D)の中で、4月26日に1,693円の年初来高値をつけたあと反落となって、5月7日に1,528円で短期の売転換が出現しました。ここからの押しが深すぎるようですと、8月3日の1,691円、4月26日の1,693円のダブル天井となりますので短期のリバウンド狙いとなります。結局、11月13日の1,310円から4月26日の1,693円までの上昇幅の2/3押し(1,438円)を切ってきましたので、次の下値ポイントは上昇トレンド(D)の下値サポートライン1,380円水準となり、これを切ると11月13日の1,310円がポイントとなります。
2007年12月7日の4,490円の戻り高値から、リーマンショックによる暴落がありながらも、きれいな形の下降トレンド(A)を形成し、この中で2008年10月28日の1,369円で底打ちとなり、その後は、現在に至るまで緩やかな上昇トレンドを形成しています。
トレンドの上限に接近すれば売り、下限に接近すれば買いということで、時間はかかってもかなり確率の高い利益確定ができる可能性が高いといえます。この方法で投資するならば、この半年間の動きは、昨年12月1日に2,395円の高値から一段下げ、今年1月13日の2,300円から二段下げ、そして4月6日の2,209円から三段下げとなっています。
2,000円を切ると下値ポイントは1,800円台半ごろとなり、上昇トレンド(B)から1,800~2,300円のボックス相場へ移行することになります。
2007年6月22日の1,322円、12月12日の1,285円、2008年5月23日の1,221円と順次アタマを低くする三尊天井の形となって、2008年3月18日の925円の安値を切って、リーマンショックもあって暴落となり、10月28日の492円でいったんの底打ちとなりました。
ここから、2009年1月15日の744円まで上昇したあと三角保ち合いとなり、この中で3月16日の739円の戻り高値から下降トレンド(B)を形成し、三角保ち合いを下に切って11月25日に450円を底値に緩やかな上昇トレンド(C)を形成していましたが、2010年3月10日の485円を安値に急伸となって、上昇トレンドを上に抜け4月7日に635円まで上昇しました。
この会社は、CM制作や外国映画の日本語版製作でトップであり、衛星放送のチャンネル運営、映画の製作・配信も行っています。業績は11年3月期も低調ですが、東宝の3D映画参入もあり、3D関連として買われましたが出来高は伴っていませんでしたので、下落となって再び上昇トレンド(C)に戻ってきています。
5月25日(火)は、3月10日の485円とほぼ同じ486円で終わりました。
3D映像を手軽に楽しむための材料、機材をいくつかの会社が販売しています。有沢製作所の「Xsol」は液晶パネルに張り付けるだけで、偏光メガネで3D画像を簡単に見ることができます。
2007年12月12日の1,408円の戻り高値からの急落で、2008年3月17日の692円を安値に下向き先細三角形(B)となって、この中で8月7日の745円の高値をつけて再急落(この時はリーマンショックの影響)となり、10月28日に301円の安値をつけて再び下向き先細三角形(C)となりました。
大底圏での下向き先細三角形(C)は、上放れする可能性が高く、結局2009年2月24日の276円を底値に上放れとなり、急角度の上昇トレンド(E)を形成して8月17日に806円の高値をつけました。
ここをピークに下落したあと、10月21日の759円を2番天井に急落となって11月30日の391円まで下落しました。11月30日の391円の安値から、2010年1月13日の662円まで急上昇したあと、2月5日に583円まで下げて緩やかな上昇トレンド(F)を形成しました。この上昇トレンド(F)の中で、4月7日の797円を1番天井、4月30日の757円を2番天井として、5月7日に692円で売転換出現となり、上昇トレンド(F)を下に切ってしまいました。これは、調整が長引く形です。「いし型」といって、急騰相場(上昇トレンドE)が大幅に下げて、次の上昇で上昇トレンド(E)より鈍い角度の上昇(上昇トレンドF)となって、その下値斜線を切ると、「売り」という法則です。
2008年10月2日の72,500円、11月28日の71,000円とダブル天井のような形となって下向きの三角保ち合い(A)となり、この煮詰まった2009年12月15日の41,000円を底値に暴騰となりました。
大底圏で時間をかけて煮詰まっていただけに、売り場はほとんどなくなり暴騰の状況が出来上がっていたといえます。
今年になって、ザラ場では3月24日の166,000円、4月14日の176,400円、5月18日の182,000円と順次上値を切り上げる三尊天井の形となって急落となりました。5月7日の125,100円を終値で切ってしまいましたので、三尊天井の完成となって調整は長引くことになると考えられます。
2008年1月18日の2,390円の戻り高値からの下降トレンド(A)の中で、9月24日の1,948円の高値からリーマンショックで暴落となり、12月1日の933円で底打ちとなりました。
ここから、12月15日に1,144円で買転換が出現し、緩やかな上昇トレンドを形成しています。この中で、2009年4月28日に1,236円からの上昇で急騰となって、上昇トレンド(B)上に抜けて7月31日に1,912円まで上昇しましたが、10月2日には1,338円までの下落となって再び上昇トレンド(B)の動きとなりました。
今年になって、この上昇トレンドの中で1月15日の1,697円、4月7日の1,695円とダブル天井を作って下落となり上昇トレンド(B)を切る動きとなっています。
柴田罫線で売りが強いか買いが強いかの判断方法の1つに、法則数の数によって判断するというものがあります。この場合ですと、大底圏で2009年8月14日の57,000円を高値に緩やかな下降トレンド(A)を形成し、11月19日の27,200円の安値をつけるまでは、買法則1に対して売法則が9も出ています。
ところが、ここからのもみあいで売法則1に対して買法則が5つ出て、下降トレンド(A)を抜けだすと急騰し1月27日の129,000円まで一気に上昇しました。ここから2月9日の79,400円まで下げて、下値を切り上げる直角三角形の保ち合いとなり(安値圏でこの形になると上放れの確率が高い)上放れて、3月30日の269,900円まで急騰しました。押し目を入れて4月15日の305,000円まで上昇して年初来高値更新となり、そこから5月7日の195,600円まで下落し、再度反発するものの5月11日のザラ場高値288,900円の戻り高値をつけて反落となりました。
3月30日の269,900円、4月15日の305,000円、5月11日の288,900円と三尊天井を形成して、5月20日の終値194,000円となって5月7日のザラ場安値195,600円を終値で切りましたので、三尊天井は確定したことになり調整は長引くことになると思われます。結局、そのまま下落し5月25日には▲23,000円の163,000円となりました。
2008年6月6日の1,181円の高値から下降トレンド(A)となり、この中でリーマンショックも加わって暴落となり、2009年2月20日の250円で底打ちとなりました。
ここから、3月4日に300円で買転換が出現して短期の上昇トレンド(B)を形成し、6月15日に613円の戻り高値をつけました。6月15日の613円をピークに下降トレンド(C)となって、10月2日に375円で当面の底を打って、現在緩やかな上昇トレンド(D)となっています。
チャートの形としては、2月20日の250円から6月15日の613円までの急角度の上昇トレンド(B)となって、その後10月2日の375円まで下落し、ここからの上昇トレンド(D)は上昇トレンド(B)よりもかなり緩やかな角度になっており、昨年6月15日の613円を抜くには出来高を伴った上昇が必要といえます。
2007年1月30日の2,315円の高値から、下値の下げ角度が(1)→(2)→(3)→(4)と徐々に緩やかになり、2009年1月26日の303円で底打ちとなりました。
ここから、3月16日の344円で買転換が出現し短期の上昇トレンド(A)を形成して、8月27日の718円でいったんのピークとなりました。ここから、短期の下降トレンド(B)を形成して2月10日の460円で目先の底を打ち、3月25日の586円で買転換出現となりました。
4月7日の決算発表で、2010年5月期の連結最終益が9億円の黒字(前期9億3,600万円の赤字)となり従来の予想5億5,000万円を大きく上回ったことで買いが膨らみ、3Dディスプレイを手掛けるためテーマ株として物色されてきたこともあり、4月23日には979円の年初来高値更新となりました。
本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。
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