(本レポートは8月25日開催のネットセミナー「2012年3月期第1四半期決算を読み解く」をもとに加筆修正したものです。
楽天証券経済研究所 アナリスト 今中 能夫
1961年生まれ。1984年に岡三証券においてアナリストとなり、アナリスト歴20年以上。インターネット、ソフトウェア、エンタテインメントを中心にテクノロジー、サービスを幅広くカバー。
企業調査レポートや、毎週発表される前週時点の信用評価損益率を解説。また、決算発表予定銘柄についてもコメントしています。
7月下旬から8月中旬にかけて世界の株式市場が大きく下落しました。
昨年始まったギリシャの財政問題は、欧州各国の財政問題に波及し、アメリカの財政問題にも火がつきました。ドル、ユーロは大きく下がり、円は大きく上昇しました。そして、アメリカ、欧州、日本の株式市場が大きく値下がりしました。新興国でも日米欧ほどではありませんでしたが、株式市場は下落しました。
この事態をリーマンショック以上のショックと見る向きが多くなっているようです。確かに、欧州もアメリカも問題は深刻で、それを解決しようとする政治の意欲はあまり感じられません。政治のレベルが低いのは、日本だけではなかったようです。また、OECD諸国はどこも財政難で、財政出動は無理でしょう。金融政策に頼らざるを得ないのが現状です。
しかし、リーマンショック(2008年9月)と今回はいくつか違いがあります。リーマンショック後は、特にアメリカの大手企業が一斉に設備、資材などの発注を止めました。一般消費者も購入を手控えました。金融機関でも、世界有数の金融機関が倒産の瀬戸際に追い詰められました。今回はそうなっていません(もちろん、「まだ」そうなっていないだけかもしれませんが)。今回は新興国においてある程度の経済成長が続いています。また、リーマンショック後、日本企業は各分野でリストラ、コストダウン、工場の海外移転を行った結果、収益力が大きく向上しました。
また、東日本大震災では様々な分野でサプライチェーンが寸断されましたが、今これが急速に回復しています。そのため、自動車、電機など主要産業の生産が急速に上向いています。円高は懸念材料ですが、日本企業がリーマンショック後のような大赤字に再び陥る懸念は、今回は小さいのではないかと思われます。 株価が大きく下落した結果、PER、PCFR(株価/グロスキャッシュフローレシオ)のような「グロース」指標(成長企業に対する株価指標)だけでなく、「バリュー」指標(その企業の実体価値あるいは解散価値を表す指標)であるPBR(株価/純資産倍率)が1を大きく割り込んでいる有力企業が出てきました(例えば、ソニー、パナソニックなど)。あるいは、これらの株価指標がリーマンショック後の安値だけでなく、過去10年間の安値に到達した会社もあります(例えば、任天堂)。
もちろん、自動車のように、今回の株安、株安が示唆する世界経済の低成長の長期化、円高が、業績へどう影響するか不透明なセクターもあります。ただし、そろそろ選別して投資しても良いところまで、下がってきたセクター、銘柄も出てきたようです。
2012年3月期第1四半期決算は、東日本大震災後の日本経済の回復を印象付けるものになりました。
大震災によるサプライチェーン寸断が予想以上に早く復旧したため、電機、自動車を中心に、会社想定を上回る営業利益を達成した会社が出ました。自動車大手のように通期業績見通しを上方修正した企業も出ています。
一方で、欧米経済の不調や、韓国、台湾などとの競合でダメージを受けているセクターも明らかになりました。ソニー、パナソニックのテレビ事業の今期営業赤字は、このままだと各々900~1000億円になる可能性があります(11/3期はソニーが750億円の赤字、パナソニックも同じ程度の赤字)。両社共に抜本的なリストラを行うようです。ただし、このリストラは両社の問題点を解決するという意味で歓迎すべきことでしょう。リストラが成功すれば、両社とも先に向かうことができます。
電機セクターでの注目テーマは、スマートフォン、自動車の電子化、再生エネルギーなどです。この中で、再生エネルギー関連では、再生エネルギー法案が可決、成立しました。太陽電池、風力発電が日本でブームになる可能性があります。ただし、輸入品との競合や政治に注意が必要です。
任天堂は新型ゲーム機の目論み違いから大幅下方修正になりました。経営に甘さがありました。そのため、ニンテンドー3DSを25,000円から15,000円に値下げしましたが、これは歓迎すべきことです。
ゲームでは、家庭用ゲームからソーシャルゲームへの流れが出来てきたかのように見えます。ディー・エヌ・エー、グリーの大幅増益に対して、任天堂は赤字転落しました。しかし、スマートフォンが急速に普及する中で、携帯電話で通用した単純なゲームが、スマートフォン(実質的にはゲーム機の機能を持っています)で通用するとは限りません。同じ理由で日本のソーシャルゲームの海外展開がうまくいくとは限りません。これから様々な動きがソーシャルゲーム、家庭用ゲーム双方で出てくると思われます。
内需系の会社は業績堅調が目立ちます。建設会社では、民間からビル、工場の建築など復興需要が出ています。道路会社でも復旧需要が出ています。建設機械も同様です。今後は既に成立している政府予算からの被災地に向けた発注(復興需要)を待つことになります。野田新政権が発足しましたから、停滞している補正予算の発注は期待してもよいでしょう。
住宅会社は、利子優遇税制の恩恵で業績好調でした。ただし、今年度から優遇税制の程度が縮小されるため、業績見通しは控えめなものになっています。
建設機械は、日本での需要が増えています。海外では、中国向けが大幅に減っていますが、その他の地域では、資源開発向けの需要が成長分野になっています。
一方、内需については、政府の財政難と、東京電力救済が政府の財政負担となることを考慮する必要があります。これは後述しますが、東京電力が賠償すべき最終的な金額は10兆円を超える恐れがあります。これを政府が全て肩代わりしたのでは、復興予算に響くだけでなく、財政難の今日では一般会計にも大きな影響を与えることになる可能性があります。今の政府の東京電力支援の枠組みは、近い将来財政難で継続できなくなる可能性があるのです。これは、東京電力の将来像だけでなく、電力供給体制と、原子炉メーカーの将来にも影響を与えることになりかねない問題です。
表1 2012年3月期1Q決算-営業利益:1
表2 2012年3月期1Q決算-営業利益:2
表3 2012年3月期1Q決算-営業利益:3
グラフ1 主要企業の営業利益合計
(単位:億円)
電機・電子部品セクターでは、2012/3期1Qは予想以上にサプライチェーンが早く回復したため、減益ながら会社想定を上回る営業利益を上げた会社が多かったです。例えば、ソニー、パナソニックの営業利益は想定を大きく上回りました。
京セラ、村田製作所、日本電産のような大手電子部品会社の業績も、減益ではありますが堅調でした。3月11日の大震災後、部品不足を心配した電機メーカーや自動車部品メーカーから、電子部品会社に対して一時的ですが大きな受注が入りました。今期の1Qはその受注が業績に寄与しているため、減益ながらも一定の利益水準を維持した電子部品メーカーが多かったのです。
一方、産業用電機では、会社の事業構成によって収益に差が出ています。日立が堅調なのに対して、東芝の1Qの利益水準の低さが目立ちます。
電子部品セクターでは、今期以降の注目点は、スマートフォンと自動車です。スマートフォンを事業の中にどのように取り込んでいるか、自動車の電子化に関連しているかが、今後の成長のポイントになります。
まず、スマートフォンでは、電子機器に多用されるチップ積層コンデンサで世界シェア30~35%を占める村田製作所の受注が7月下旬から上向き始め、8月も堅調に増えた模様です。同社の受注高は3月にセットメーカーからの駆け込み受注によって前年比一桁増となった後、震災による電機、自動車の生産高減少などによって、4~6月は各月とも二桁減となりました。それが7月は下旬に盛り返したことから前年比微減となり、8月は前年比10%前後増えた模様です。7月下旬からは、これから年末にかけて生産、出荷するスマートフォンの新型機のための発注が始まっている模様です。表5のように、携帯電話とスマートフォンが高機能化するに連れて、コンデンサなどの重要部品の装着点数は増加する傾向にあります。
また、タブレットPCにも期待できます。タブレットPCで済む業務処理、スマートフォンで済む業務処理がどんどんパソコンから移行する傾向にあります。
電子部品にとって、自動車も重要になってきました。従来は自動車向け電子部品というと、カーオーディオとカーナビゲーションが二本柱でした。この2分野は今も重要な分野ですが、今注目されているのは、エンジン制御の部分です。環境性能を上げること、燃費を良くすることが、自動車の至上命題となった結果、エンジン制御にマイコンや電子部品が数多く使われています。これは、電気自動車やハイブリッドカーだけでなく、一般のガソリン車でも、電子制御による低燃費化を実現する車が増える傾向にあります。一つの好例がマツダの「デミオ」でしょう。また、パワーステアリング、パワーウィンドウ、電動ミラーなど、各所にモーターが使われています。今回の震災で、ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)が被災したため、自動車用マイコンが入手できなくなり、そのために日本の自動車生産は一時期前年比50%以上の減産となりましたが、自動車はエコカーであるか、ガソリン車であるかを問わず、マイコン、電子部品、モーターの塊になりつつあるのです。
要するに、自動車の中身が、自動車部品から「電機」に入れ替わっているということです。自動車は商用車合わせて世界の年間生産台数が約7700万台(2010年)になる巨大市場です。生産台数はおそらく5年以内に1億台に達するでしょうが、1台に付き1万円の部品を新たに付けたり取り替えるだけで、年間1兆円の市場が出来上がります。電機・電子部品セクターを見るときは、自動車を避けては通れなくなりました。
電機セクターの民生用セットメーカーを見ると、ソニー、パナソニックでは、テレビのリストラが始まる見込みです。一時的な費用負担は発生しますが、テレビは、液晶パネルを韓国や台湾メーカーから仕入れて、それに自社の画像処理半導体をつければ、高級機種ができてしまう「コモディティ」になってしまいましたので、リストラはやむを得ません。ただし、例えばソニーのプレイステーション3が大赤字を出していたときに比べれば、テレビのリストラは難しくは無いと思われます。後は経営陣のやる気の問題です。パナソニックは、自社のパネル工場、特にプラズマ工場の稼働率が推定で50~60%と低く、生産能力の削減に手をつけなければならない状況です。ただし、これまでの目論見がはずれ、プラズマテレビが思うように売れませんから、もはや猶予はありません。
ソニー、パナソニックともに、テレビ事業が社内の最大の赤字部門であり、この赤字が縮小すれば、全体の損益は大きく好転します。そうなると、経営者は前を向いて仕事が出来るようになるでしょう。テレビのリストラが成功すればソニーは、デジタルAV機器とゲーム機を同じネットワークでつなぎ、その上にゲームソフト、映画、音楽を流通させて利益を得るという事業モデルを追求することが出来るようになります。パナソニックは、彼らがかねてから目指している、「家丸ごと」「ビル丸ごと」「工場丸ごと」を追求できるようになります。この動きに注目したいと思います。
一方、原子力事業には引き続き注意が必要です。東芝、日立製作所、三菱重工業の原子力事業の最大の問題点は、経営者は一切認めようとしないでしょうが、リスクに全く見合わないということです。福島第一原発によって引き起こされた現実を、この半年間我々は目の当たりにしています。そして、この先何年も何十年も我々はこの現実を直視し続けなければならないのです。
後述しますが、今の政府の財政事情を考えると、いずれは東京電力解体論が現実のものになる可能性があります。一時国有化による全資産の切り売りや法的処理の可能性もあります。そうなると、原子炉メーカーの責任を追及し、一定の費用負担を要求しようとする動きが出てくるかもしれません。東京電力が最終的に賠償すべき金額は、おそらく10兆円を超えると思われますが、その1~2割でも原子炉メーカーに対して責任を追及され、仮に裁判をしてそれが通ったときには、関わった原子炉メーカーは経営上の重大問題を抱える可能性があります。休止中だった福島第一原発4号機の主契約者である日立製作所の責任は軽いかもしれませんが、1号機の主契約者であるGE、3号機の主契約者で、2号機をGEとともに共同受注した東芝については、その責任が追及される可能性があります。ちなみに東芝の純資産は約1.1兆円です。原子炉メーカーの財務内容は、とても原子力リスクに耐えうるものではないのです。
もしここで書いたことが現実になったら、彼らは国に救済を求めるでしょうが、財政難でいよいよ格下げリスクにさらされ始めている日本政府が彼らを救済するとは思えません。
火力発電所が爆発事故を起こしてもこのような事態にはなりません。原子炉メーカーのリスクを考える必要があるのではないでしょうか。
グラフ2 業種別営業利益:四半期ベース:電機
(単位:億円、出所:会社資料より楽天証券作成)
表4 スマートフォンの世界市場:2011年4-6月期
スマートフォンの世界シェア:2011年1-3月期
グラフ3 スマートフォンの世界市場:OS別
(単位:万台、出所:ITMediaより楽天証券作成、元出所はCanalys)
表5 主要電子部品の電子機器搭載個数の推移
グラフ4 村田製作所の用途別売上高:四半期ベース
(単位:百万円、出所:会社資料より楽天証券作成)
任天堂は8月11日に「ニンテンドー3DS」を25,000円から15,000円に値下げしました。日本では効果が出ており、3DSハードの販売台数が急増しています。その後は落ち着いた動きになりましたが(グラフ6)、店頭にはお客が戻っています。また、北米では8月12日に249.99ドルから169.99ドルへ、欧州では8月12日から249.99ユーロから169.99ユーロへ値下げしました(ユーロ圏での価格は店舗によって多少異なります。この価格はフランスのトイザラスのウェブサイト価格)。北米、欧州では、持続的に販売が持ち直しています(グラフ7)。市場は値下げに反応しました。ただし、ソフトはかなり揃ってはきたものの、「キラーソフト」はなく、秋以降のクリスマス商戦に発売される「マリオ」関連ソフトを待つことになります。
また、これに先立って任天堂は5月にWiiを実質値下げしました。5月に、アメリカでソフト2本付きで199.99ドルから、マリオカートとハンドル付きで149.99ドルに値下げしました。欧州でも同じ構成で199.99ユーロから149.99ユーロに値下げしました。日本では、20,000円のままで、ソフトの「Wii Sports Resort」とコントローラの「Wiiリモコンプラス」が1本付くようになりました。
任天堂は今期大幅減益の見通しですが、値下げはやって良かったでしょう。
また、ソニーもPS3の値下げに踏み切りました。日本では8月18日からPS3の160GBHDD搭載の標準タイプを29,980円から24,980円に値下げしました。北米では同じタイプを299ドルから249ドルに、欧州では299ユーロから249ユーロに値下げしました。
日本ではゲーム売り場に人が戻っています。ゲーム機の対欧米輸出は、例年9月下旬がピークになります。そのため、国内への3DSハードの供給量が多くなっていない可能性があり、店舗や通販サイトによっては、3DSハードの品切れも出るようになりました。また、PS3ハードにも値下げの効果が出てきました。今年のクリスマス商戦は、買い易くなった高性能ゲーム機が焦点になりそうです。
日米でソーシャルゲームを巡る動きが活発になっています。アメリカのソーシャルゲームは、ユーザーの中でお金を払う人の比率(アクティブユーザー比率)が平均3~5%、課金額は月間平均10~12ドルです。日本はゲームにもよりますが、アクティブユーザー比率が5~20%以上、課金額が月間1000~2000円以上で人によっては数千円から数万円になります。日本のソーシャルゲームのユーザーは、家庭用ゲームで遊んだ経験がある人だけでなく、家庭用ゲームで遊んだことが全くない人たちも多くいます。このようなゲーム未経験層を開拓し、3~20分程度の暇つぶし時間をお金に換えたのが、日本流ソーシャルゲームの「功績」でしょう。ディー・エヌ・エーとグリーは海外でも有名な成功例です。また、既存の家庭用ゲームソフトの専業会社の中で、コナミのようにグリー向けのソーシャルゲームを他の大手ゲームソフト専業に先駆けて展開することで成功する会社も出てきました。
しかし、日本のソーシャルゲームは大きな転機を迎えていると思われます。ディー・エヌ・エーもグリーもフィーチャーフォン(普通の携帯電話)から始まったため、ゲームは紙芝居的なもので、操作はボタンを押すだけです。ゲームの開発費は数百万円から数千万円で、たまに1億円かけたものがある程度です。
ところが、世界中でブームになっているスマートフォンは、ゲーム機の機能を既に搭載しています。即ち、高性能CUP、ジャイロセンサー、タッチパネルなどを搭載しています。近い将来、デュアルコアCPU搭載モデルも出てくるでしょう。スマートフォンは、いわばゲーム機とPCの機能を持つ携帯電話で、携帯ゲーム機は通信機能を持つゲーム機ということです。ですから、スマートフォンの上では、通常の家庭用ゲームのような手の込んだゲームを遊ぶことが出来ます。
従って、家庭用ゲームの開発力が無いディー・エヌ・エーとグリーの海外展開がうまくいくとは限りません。両社は、積極的な海外展開を始めており、国内だけでなく、海外のソフト開発会社を取り込もうという動きをしていますが、期待するだけでなく、注意しておいたほうが良いように思われます。
また、ソーシャルゲームの開発コストはこれから上昇すると思われます(既にアメリカではそうなり始めています)。日米欧の力のある大手ゲーム会社が既に専門組織や子会社を作って参入しています。携帯ゲーム機用ソフトの開発費は1億円以上しますから、これからスマートフォン向けゲームソフトも、資金力とクリエーターの組織力が重要になるでしょう。今のディー・エヌ・エーとグリーには資金はありますが、家庭用ゲーム並みのソフトを自前で作る能力はありません。大手ソフト会社と組むしかありません。
なお、スマートフォンの性能が無限に上がっていくかどうかは分かりません。最近持ち出されてきた通信料の「従量課金」の問題は重要です。ゲームで遊ぶと通信量が跳ね上がることになりかねないので、ソーシャルゲームにとって従量課金制の主張は脅威となります。
スマートフォン向けにゲームを供給しようとすると、アップル向けは、iOS(iPhoneのOS)の課金システムがあるため、ゲームソフト会社単独でも参入できます。アンドロイドやウィンドウズフォンも同様です。ディー・エヌ・エーとグリーの彼らにゲームを提供している外部のゲームソフト会社(サードパーティ)向けの標準料金モデルは、ゲームソフトのアイテム課金収入から通信会社へ支払う課金手数料10%を除いた後の90%に対して、ディー・エヌ・エー、グリーが30%取り、70%をソフト会社が取るというものです。アップル向け、アンドロイド向けは、課金収入の30%をアップルとグーグルが取った後、グリー、ディー・エヌ・エーとソフト会社側で3対7でシェアします。
ハードウェアを提供しないディー・エヌ・エーとグリーが30%取る理由は、マーケティングしてお客を集めることが出来るからという理由ですが、この理由が今後も世界的な知名度があって、開発体制、マーケティング体制も整っている大手ゲーム会社に通用するかどうか不透明です。特に、スマートフォンは、アップルやグーグルの取り分が多いので、大手ソフト会社にとっては自前で世界展開する動きが出てくるかもしれません。例えば、カプコンは国内ではグリー、ディー・エヌ・エーと契約していますが、アメリカではソーシャルゲーム専門子会社を作って配信して成功しています。
今は好調に見える両社ですが、スマートフォン時代を迎えて、また海外展開を始めるようになって、ディー・エヌ・エーとグリーの立場は揺らぎ始めているか、あるいは今後揺らぐ可能性があるというのが私の見方です。
こう考える理由をもう一つ述べておきます。ディー・エヌ・エーとグリーのゲームを携帯電話でやってみると、紙芝居風の絵が出てきて、ひたすらボタンを押せば勝ちます。より早くゲームを進めたい場合は、アイテムを買えばよいのです。頭は使いません。テクニックも必要ありません。
しかし、ゲームを含むエンタテインメントの歴史は、より良いもの作ってきたものだけが生き残ってきた歴史です。また、エンタテインメントの歴史は技術革新の歴史でもあります。例えば、音楽や映画の制作、編集技術は日進月歩で進歩してきました。ゲームは音楽、映画の技術革新の激しさをそのまま受け継いでいる分野です。そのためカネもかかります。「マリオ」(任天堂)、「ポケモン」(ポケモン、販売は任天堂)、「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」(いずれもスクウェア・エニックス)、「バイオハザード」(カプコン)、「メタルギアソリッド」(コナミ)のような長寿シリーズが生き残ってきたのは、新しい技術を取り入れた良質なエンタテインメントを幅広い年齢層に提供してきたからです。「Halo」(マイクロソフト)、「Call of Duty」(アクティビジョン)が欧米で大ヒットしている理由もそうです。そもそもアメリカのソーシャルゲームは、パソコン上で育ってきて、スマートフォンに移っていますが、どんどん高度化しており、家庭用ゲームと遜色の無いものも出てきています。
こうして見ると、様々な人がつながりを持つことがゲームで遊ぶときの「面白さ」の一つになる「ソーシャルゲーム」という分野はこれからも残って、それなりの発展をするでしょう。しかし、グリー、ディー・ヌ・エーという、紙芝居型の日本流ソーシャルゲームのピークは近いかもしれません。
今年から来年にかけて、家庭用ゲームの世界で重要なイベントがあります。3DSの値下げはその皮切りでした。年末にはソニーの「プレイステーションヴィータ(PS Vita)」が発売されます。来年中には任天堂の「Wii U」が発売されます。これら新世代機の発売が刺激となって、この業界のモメンタムは今後上向きになると思われます。
新世代機には各々特色があります。例えば、Wii Uはユニークなマシンになると思われますが、3D対応はしていません。任天堂は3DTVの普及、あるいは大画面の裸眼3DTVの登場を待つ姿勢と思われます。その結果、次の世代でも3Dゲームが出来るマシンは据置型ではPS3だけになる可能性があります。これは、ソニーにとって重要なビジネスチャンスになると思われます。
また来年から、携帯型で3DS、PSP、PS Vitaの3機種、据置型でXbox360、PS3、Wii Uの3機種の高性能ゲーム機がゲーム市場で稼動している状態になります。それにスマートフォンが加わります。ゲームソフト専業にとっては、マルチプラットフォームで収益極大化を追求するのに良い環境が到来します。
日本でのゲーム開発力とコンテンツの蓄積は、任天堂、ソニーを除くと、カプコン、コナミ、スクウェア・エニックス、バンダイナムコ、コーエーテクモ、セガの専業大手6社と、レベルファイブなど中堅数社に集中しています。任天堂、ソニーのようなハードメーカーの企業価値はゲーム機の売れ行きに左右されますが、ゲームソフト専業の企業価値を形成するのは、開発したソフトの質と売れ行きです。彼らの価値が下がることは当面ないのではないでしょうか。
グラフ5 業種別営業利益:ゲーム
(単位:億円、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成)
表6 最近のゲーム市場:各ハード、ソフトの販売数量前年比、世界市場
表7 ゲーム市場:全世界
グラフ6 ニンテンドー3DSの販売動向:日本
(単位:台、本、週次、出所:VGChartzより楽天証券作成)
グラフ7 ニンテンドー3DSの販売動向:海外
(単位:台、本、週次、出所:VGChartzより楽天証券作成)
グラフ8 日本の携帯電話出荷台数:四半期ベース
(単位:万台、出所:JEITA)
グラフ9 日本のスマートフォン出荷台数予測
(単位:万台、出所:MM総研)
自動車の電子部品不足はほぼ解消しています。日本の自動車各社は2Q~3Qにフル生産に入る計画です。今下期の生産台数は前年同期比で二桁のプラスになる見込みです。
震災に伴う生産減少によって失われたシェアを回復すべく、各社とも各地域で販促費を積み増します。特に北米市場が重要になります。
自動車セクターの円高デメリットは他のセクターよりも大きいですが、生産を抑えるわけには行かないだろうと思われます。中長期的には海外展開が進むでしょう。
また、欧米と日本で環境規制が厳しくなりつつあります。各社のHV(ハイブリッドカー)、EV(電気自動車)、低燃費車への注力は続きます。
前述したように、自動車は、カーオーディオ、カーナビだけでなく、ステアリング、エンジン周りなどが、マイコン、セラミックコンデンサー、モーターなど各種電子部品の塊になり始めています。自動車生産の動向が電機メーカーに与える影響が大きくなっていることに注目したいと思います。
グラフ10 業種別営業利益:自動車
(単位:億円、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成)
グラフ11 日本の自動車生産台数
(単位:台、月次、出所:日本自動車工業会)
グラフ12 日本の新車販売台数:前年比
(出所:日本自動車販売協会連合会より楽天証券作成)
グラフ13 ハイブリットカーの国内販売動向
(単位:台、月次、出所:日本自動車販売協会連合会より楽天証券作成、
注:フィットハイブリットは2010年10月発売、グラフのフィットはハイブリットとガソリン車を含む)
グラフ14 アメリカ、欧州、中国の新車販売台数:前年比
(単位:%、月次、出所:アメリカはオートデータ、欧州はACEA、中国は中国汽車工業協会)
グラフ15 アメリカ、欧州、中国の新車販売台数
(単位:台、月次、出所:アメリカはオートデータ、欧州はACEA、中国は中国汽車工業協会)
2012/3期1Qの建設大手の業績は堅調でした。復興需要は、補正予算の執行としてはまだ発注されていませんが、民間からのビル、工場の復旧、復興関連の仕事が少なからずありました。
復興に向けて、第1次補正予算約4兆円、第2次補正予算約2兆円が成立しましたが、いずれもまだ被災地へは本格的に投入されていません。ただし、いずれは投入されます。瓦礫処理については、鹿島建設を中心とする9社の共同企業体が宮城県から事業費約2000億円でがれき処理事業を受注する見込みとなったことが報じられました。今後このような事例が増えると思われます。
建設機械の国内需要も好調です。震災後、建機メーカーと建機のレンタル会社は、手持ちの中古機械を全て被災地に送りました。その結果、日本から中国への中古建機の輸出が止まりました。中古建機ですから、瓦礫処理をするうちに壊れますし、中古建機だけでは足りませんので、新車の需要も増えています。瓦礫処理だけで2~3年かかると思われるため、その後の本格的な復興も含めると、日本の建機需要の伸びは3年以上続くと思われます。
また、建機の世界市場を見ると、中国が大きく調整し、欧州も後退が始まったようですが、その他の地域は好調です。アメリカは、アメリカ国内はよくありませんが、アメリカ経由で中南米に流れるレンタル建機のルートが好調です。東南アジア、オセアニア、中南米、アフリカでの資源開発が活発で、中国での都市開発の後退を十分カバーしています。
今後の内需を考えると、野田新内閣発足で、復興需要が本格的に出てくると思われます。
復興予算の考え方は、震災の被害総額を16~25兆円として、震災でできた国富の穴を補正予算とその他の予算で埋めるというものです。これまで第1次、第2次の補正予算が成立していますが、野田新政権によって第3次補正予算が組まれることになりそうです。第3次補正予算の規模は総額10兆円を超えるという声もあります。増税も視野に入りますが、これに対して野田新政権がどう対応するかを注目したいと思います。
一方で我々は、日本がOECD諸国の中でも最悪の財政状態であることを認識する必要があります。欧米で財政問題、格下げ問題が出ている時に、これ以上財政を大きく悪化させることは普通出来ません。ここで問題になるのは、日本政府の東京電力に対する支援です。8月に原子力損害賠償支援機構法(原子力賠償法)が成立したため、福島第一原発の賠償については、東京電力に対して国が支援することになりました。
しかし、東京電力が賠償しなければならない額は巨額になります。東京電力は8月30日に賠償算定基準を公表しましたが、大雑把に避難住民や農業、水産業、工業、サービス業への被害額を試算すると、3~5兆円以上になると思われます。更には、被爆した住民に対する長期間の医療サポートなどを東京電力の責任の範囲に含めると、東日本のホットスポット(かなり広範囲にわたっていることがわかってきました)がある地域の住民の検査や長期の医療監視などが必要になるため、例えば、福島県民200万人を含む1000万人に対して今後10年間の検査費、医療費を仮に100万円としただけで10兆円が必要になります。
つまり、東京電力が賠償すべき額は10兆円を超える可能性が高いということです。
東京電力の要賠償額が10兆円を超えるような巨額になると、日本政府にはそのような金はありません。予算上限界があります。今後は復興予算や一般会計にも東電支援費用が食い込んでくることになると思われます。
そこで今後、一時浮上して消えた東京電力の解体論が再び浮上する可能性があります。東京電力の総資産は、6月末で14兆2940億円、そのうち固定資産は11兆8333億円あります。東京電力の設備その他の資産を他の電力会社や投資ファンドなどに切り売りして、株主には100%減資を行い(株主資本は同1兆585億円)、社債保有者(社債残高は同4兆7246億円)や金融機関(長短借入金残高は同4兆457億円)に対しては、債権の大幅カットを要求すれば、10兆円前後かそれ以上の現金が、計算上は生み出されることになります。社債の担保は東京電力の資産全体に対して担保権を設定する「一般担保」ですが、東京電力が賠償のために一方的に資産を切り売りして現金化する場合は、社債保有者はそれに対抗できないはずです。この場合、東京電力の一時国有化も視野に入る可能性があります。また、電力自由化も必要になります。
またその場合、前述したように、原子炉メーカーにも応分の負担が要求される可能性があると思われます。荒療治にはなりますが、そもそもこれだけの大事故を引き起こした東京電力を存続させるほうに無理があるのではないかと思われます。
この件について、野田新政権がどう考えるかは、まだ定かではありません。しかし、遅かれ早かれ、復興予算、国の一般会計と東京電力支援の関係が、国の重大な問題となる可能性は高いのではないかと思われます。
グラフ16 業種別営業利益:建設
(単位:億円、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成)
グラフ17 業種別営業利益:建機
(単位:億円、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券)
表8 主要7建機需要伸び率(台数ベース)
表9 小松製作所の建設機械・車両部門の地域別売上高:通期ベース(外部顧客向け)
今の相場のように、先行きの見通しが立ちにくい状況での銘柄選択の方法を考えてみます。筆者が銘柄選別をするときによく採る方法は、「もし自分にカネがあったら自分で所有してみたい会社」を業績、PER、PCFR(株価/グロスキャッシュフローレシオ、グロスキャッシュフローは当期純利益+減価償却費-配当総額)、PBR(株価/純資産倍率)、チャートを勘案しながら選別するやり方です。
株価が大きく下がった今は、PER、PCFRに加え、PBRを見ると良いと思います。あるいは、一時的な赤字がでた場合は、PBRが目安になります。
自分で持つのですから、一定以上の規模があり、黒字体質で利益率が高い会社、財務体質の良い会社、社会に必要とされる会社、開発力の高い会社、スキャンダルリスクの少ない会社ということになります。
今回は下のような参考銘柄を挙げました。
過去10年間、あるいは、リーマンショック後の株価の安値と最近の安値でのPBRを比較すると、ソニー、パナソニックは過去10年間の最低PBRに達したか接近しました(表17)。これを見ると、両社とも株価の底打ちが近いか、底を打ちつつある可能性があります。任天堂は、大赤字にならなければ、株価はとりあえず底を打った可能性があります。ソニー、任天堂のPBRチャート(グラフ19、20)を参照してください。
ソニー、パナソニックともに、テレビのリストラを始めると思われます。世界経済の後退懸念が不透明要因ですが、前述のようにテレビのリストラが終わった後のソニー、パナソニックの企業としての方向性は明確です。そのことを踏まえた上で、PBRの低さに注目したいと思います。
京セラ、村田製作所などの電子部品株は、スマートフォンと自動車向けがポイントになります。日本電産も自動車向けを急速に強化しています。これら電子部品株は、PBR比較ではまだ下値があることになりますが、リーマンショック時と比較すると収益力が強化されていることを考慮する必要があります。
ゲーム株は、任天堂が3DSとWii Uのビジネスをどう立ち上げていくかが注目されます。また、業界全体が上向きになり始めていることから、大手ゲームソフト専業の中でも、開発力の高い、カプコン、コナミを挙げました。
自動車株も電機同様世界経済の先行きと円高を考えると、不透明感があります。円高デメリットと、特に北米でのシェア奪回のために販促費をどの程度積み増すのかということと、増産効果を比較する必要があります。ただし、PBRが1を割れたことから割安感は出ています。
建機はもっと見直してよいセクターだと思われます。内需が復興需要で増える方向にあります。世界市場では中国など新興国の都市開発、インフラ整備向けが一服しましたが、代わって資源開発向けという大きな需要が出てきました。
野田新政権成立によって、補正予算執行の期待が出てきました。補正予算が執行されれば、少なくとも2~3年間は何らかの復興需要を獲得できると思われます。ただし、内需は予算頼みなので、限りがあります。中長期的には海外展開する力と経験がある建設大手が有望と思われます。
表10 参考銘柄の業績推移:1
表11 参考銘柄の業績推移:2
表12 参考銘柄の業績推移:3
表13 参考銘柄の株価とPER、PBR:1(2011年9月2日終値)
表14 参考銘柄の株価とPER、PBR:2(2011年9月2日終値)
表15 参考銘柄の株価とPER、PBR:3(2011年9月2日終値)
表16 主要企業に対する円高の影響
表17 過去10年間あるいはリーマンショック後の安値PBRと直近安値PBRの比較
グラフ18 ソニーの株価と株価/グロスキャッシュフロー倍率
(出所:楽天証券作成、株価は左目盛、株価/グロスキャッシュフロー倍率は右目盛、株価は分割調整済み月末値)
グラフ19 ソニーの株価とPBR
(出所:楽天証券作成、株価は月末値、左目盛で単位は円、PBRは右目盛で単位は倍)
グラフ20 任天堂の株価とPBR
(単位:円、倍、出所:楽天証券作成、株価は左目盛、PBRは右目盛)
楽天証券では、「企業調査レポート」として、ゲーム、電機セクターを中心に銘柄レポートを作成しております。事業内容や業績動向の詳細をまとめてあります。口座をお持ちの方が対象です。
本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
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