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バンガードETF発売15周年、低コストバンガードETF活用で“究極”の分散

バンガードのインデックスファンド発売40周年&バンガードETF発売15周年
低コストバンガードETF活用で“究極”の分散

投資初心者でも簡単に運用が始められるインデックスファンドやETF(上場投資信託)が注目されています。インデックスファンドとは指数への連動を目指すファンド、ETFとは株式市場に上場するインデックスファンドのことです。このインデックスファンドの運用残高で世界最大手となるのが米国の運用会社バンガードです。どのような運用会社なのか、また、日本の投資家がバンガードのETFを活用するにはどのような手段があるのかご紹介します。

インデックスファンド最大手のバンガードとは?ユニークな会社構造で差別化

バンガードは米国ペンシルベニア州に本拠を置く1975年創業の運用会社です。世界の投信市場におけるバンガードの純資産総額は2016年3月末時点で3.5兆ドル(約394兆円)と、2007年1月末に比べて約3倍に拡大し、世界最大級の運用会社となっています(図1)。なお、日本の投信市場全体(国内公募追加型株式投信、ETF含む)の2016年3月末時点の純資産総額が約74兆円ですので、バンガードの運用規模はその約5.3倍と、いかに大きいかが分かるかと思います。

図1:世界の投信市場におけるバンガードの純資産総額推移

  • 期間:1989年~2016年3月末

出所:バンガード

バンガードの成長の秘訣は、業界でいち早くインデックスファンドの運用を開始し、市場を開拓したことです。2016年8月には、バンガードが世界で初めて米国の個人投資家向けにインデックスファンドを発売してから40周年を迎えます。同社はポートフォリオのコア(中核)となるファンドを中心に「長期・分散・低コスト」を運用哲学とした商品を長年にわたり提供し続けたことにより、投資家の支持を着実に獲得しました。世界の投信市場におけるインデックスファンドのシェアを見ると、バンガードが約4割と最大シェアを占め、2位に倍近くの差を付けています(図2)

図2:世界の投信市場におけるインデックスファンドのシェア

  • 世界のオープンエンドファンド(ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズによる重複除く)のうち、インデックスファンドが対象
  • 2016年4月末時点

出所:モーニングスター作成

インデックスファンドの運用会社の中でも、バンガードの大きな優位性となっているのが、圧倒的なコストの低さです。同社は株主が企業を保有する一般的な構造とは異なり、ファンドの投資家が同社を保有するというユニークな構造となっています。(図3)

図3:会社構造の違い

これにより配当を株主へ支払う必要がなく、その分ファンドのコストである経費率(日本の信託報酬に相当)を引き下げることで投資家に利益を還元することが可能となっているのです。コストは日々ファンドの基準価額から差し引かれるため、ファンドを長期で保有する上では特に、低コストの商品を選ぶことが大切です。投資家の利益を最優先にする運用や低コストなどが高く評価され、米モーニングスターが運用会社に対して付与するレーティングである「モーニングスター・スチュワードシップ・グレード」は5段階で最高の「A」を取得しています。

インデックスファンドより低コストのETF、さらに低コストのバンガードETF

近年、バンガードの商品がいっそう充実し、市場シェアが拡大している分野がETFです。ETFとは取引所に上場しているファンドのことで、一般的なインデックスファンドよりコストが低い点が特徴の1つとなっています。実際に、米国籍ファンドのコストの平均を比べると、インデックスファンド全体の0.87%に対して、ETF全体は0.58%と、さらに低くなっています。注目されるのは、ETFの中でもバンガードが運用するETFのコスト平均は0.12%と、ETF全体の約5分の1の水準に抑えられている点です(図4)

図4:米国籍ファンドのコスト平均比較

  • コストは目論見書記載の経費率を単純平均
  • 2016年5月24日時点で存在する米国籍オープンエンドファンドとETFが対象

出所:モーニングスター作成

バンガードは、既存のファンドとETFを合同運用するという特許を取得した仕組み(図5)により、スケールメリットを活かし、低コストを実現しています。

図5:特許を取得しているバンガードETFの構造

注:上記は米国籍バンガードETFの構造ですが、すべてのファンドにETFクラスがある訳ではありません。合同運用の基本構造は同じですが、細部の構造はファンド毎に異なります。

  • 2016年4月末現在

出所:バンガード

コストは定期的に見直されており、ファンドの純資産額が大きくなるにつれて引き下げられる傾向があります。例えば、設定が2001年5月とバンガードETFの中で最初に発売され、2016年5月に発売15周年を迎えた「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(ティッカー:VTI)のコストの推移を見ると、2001年の0.15%から段階的に引き下げられ、2015年には3分の1の0.05%となっています(図6)。2016年においては日本で購入可能な72本のバンガードETFのうち、22本のコストの引き下げが発表されています(2016年5月末時点)。こうした継続的なコスト抑制への取り組みが投資家の資金を惹きつける要因となっています。

注:バンガードのファンド/ETFの運用コストは変動します。運用残高が増えれば経費率が低下し、残高が減少した場合は経費率が上昇する可能性があります。経費率とは、ファンドの平均資産残高に対する、運用その他の経費の比率(%)です。経費率は原則として毎年決算日に見直され、変動します。ファンドの現在の経費率は、目論見書に記載されている数値よりも低い、または高い可能性があります。

図6:VTIのコスト推移

  • コストは運用報告書記載の経費率

出所:モーニングスター作成

バンガードETFでポートフォリオ構築、“5ツ星”ファンド参考に

日本の投資家は証券会社を通じて海外上場のバンガードETFを購入することが可能です。現在、楽天証券では67本の海外上場のバンガードETF(米国籍65本、香港籍2本)が提供されています。投資対象資産は、長期的な視点で安定運用を目指すポートフォリオのコア(中核)となるグローバル株式や先進国株式・債券ETFがあり、さらに、コアを補完し、より高い投資リターンの獲得を目指すサテライト(非中核)を担う新興国株式・債券、米国の小型株式やヘルスケアといったセクター株式など、幅広いラインナップがあります。

コア部分の株式資産として日本で特に人気が高いのは、楽天証券での売買代金ランキングでも常に上位に入る「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(ティッカー:VT)です。先進国及び新興国約47カ国の株式市場に上場する大型・中型・小型の約8,000銘柄を投資対象とするETFで、全世界の株式に投資するという“究極”の分散投資を1本で可能にする利便性が魅力となっています。経費率は0.14%と、米モーニングスターのETFカテゴリー「世界株式」に属するETFの平均0.47%を大きく下回り、コスト面でも他を圧倒する優位性があります。

また、安定資産として、バンガードの株式ETFに債券ETFを組み合わせることにより、分散投資を低コストで実現できます。運用の成果は8~9割がアセットアロケーション(資産配分)で決定されると言われ、株式、債券をそれぞれどのくらいの比率で組み入れるかが重要です。ここでは、資産配分の参考として、米モーニングスターの定量評価で最高となる5ツ星(2016年4月時点)を獲得したバンガードの米国籍バランスファンドを例に見てみましょう。当ファンドは株式に6割、債券に4割というシンプルな資産構成で、この比率を維持することで、カテゴリー内で相対的にリスクを抑えながら良好なパフォーマンスを達成しています。

当バランスファンドは日本での取扱いはありませんが、2本のバンガードETFを組み合わせることで、同じようなポートフォリオを組むことが可能です。株式については米国株の指数「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に、債券については米国債の指数「バークレイズ米国総合浮動調整インデックス」にそれぞれ連動するインデックスファンドを組み入れています。これらと同じ指数に連動するバンガードETFとしては、株式が「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(ティッカー:VTI)、債券が「バンガード・米国トータル債券市場ETF」(ティッカー:BND)となります。実際にVTIを6割、BNDを4割組み入れたポートフォリオのパフォーマンスを見ると、米モーニングスターのバランス型ETFのカテゴリー「アロケーション-株式比率50%~70%」を長期で大きく上回る結果となりました(図7)。コストはVTIが0.05%、BNDが0.06%と低水準となっています。世界最大市場である米国の株式と債券への分散投資により、リスクとコストを抑えながら長期で資産を増やしたい人におすすめのポートフォリオです。

図7:VTIとBNDに分散投資したポートフォリオとカテゴリー平均のリターン比較

  • カテゴリー平均は米モーニングスターETFカテゴリー「アロケーション-株式比率50%~70%」
  • 分散投資はVTIに6割、BNDに4割投資したポートフォリオを月次リバランスした想定で算出。分散投資、カテゴリー平均ともにドルベース
  • 2007年12月末を10,000として指数化

出所:モーニングスター作成

サテライトとしてヘルスケアや新興国株ETFの活用も

コア部分は幅広く分散されたVTやVTI、BNDといった幅広くグローバルや米国に分散している銘柄を保有し、一方でサテライト部分では、バンガードのセクターETFや新興国株ETFに投資する方法があります。例えば、セクターETFでは、米国のヘルスケア関連株に投資する「バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF」(ティッカー:VHT)が注目。ヘルスケア関連株は、先進国の高齢化や新興国の医薬品需要の高まり、新薬開発の加速が株価の上昇要因になると期待されています。また、新興国株では、世界の新興国市場の大型株・中型株・小型株をカバーする「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」(ティッカー:VWO)への投資が可能です。長期的に新興国は人口及び内需の拡大などで先進国を上回る成長を達成することが見込まれています。新興国の単一国への投資は政治リスクなどが懸念材料となるものの、VWOへの投資により幅広い新興国への分散が可能となります。

こうした新興国やセクター等サテライトのファンドはコストが高くなりがちですが、バンガードETFのコストはVHTが0.09%、VWOが0.15%と、低く抑えられています。コア資産であるVTIなどと組み合わせることにより、コア・サテライトのポートフォリオを構築することも可能です。マーケットの先行きが不透明な中、コストを抑えることは確実にパフォーマンスを向上させる手段となります。投資家の皆さまにとって、低コストのバンガードETFは、資産形成のための有力な選択肢となるでしょう。

外国株式のリスクと費用について

外国株式等の取引にかかるリスク

外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

米国株式の信用取引にかかるリスク

米国株式信用取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。米国株式信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。また、米国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、米国株式信用取引による損益は外貨で発生します。そのため、お客様の指示により外貨を円貨に交換する際の為替相場の状況によって為替差損が生じるおそれがあります。

外国株式等の取引にかかる費用

〔現物取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
米国株式 約定代金の0.495%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:22米ドル(税込)
中国株式 約定代金の0.275%(税込)・最低手数料:550円(税込)・上限手数料:5,500円(税込)
アセアン株式 約定代金の1.10%(税込)・最低手数料:550円(税込)・手数料上限なし
※当社が別途指定する銘柄の買付手数料は無料です。
※米国株式の売却時は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
※中国株式・アセアン株式につきましては、カスタマーサービスセンターのオペレーター取次ぎの場合、通常の取引手数料に2,200円(税込)が追加されます。

〔米国株式信用取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
約定代金の0.33%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:16.5米ドル(税込)
※当社が別途指定する銘柄の新規買建または買返済時の取引手数料は無料です。
※売却時(信用取引の場合、新規売建/売返済時)は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。

米国株大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。米国株大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔米国株式信用取引(米国株大口優遇)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0米ドルです。

  • 米国株式信用取引には、上記の取引手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 米国株式信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は当社が指定する30万円相当額、新規建て時に最低必要な委託保証金率は50%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が30%です。委託保証金の保証金率が30%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。

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