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2016年3月24日

第329回 「マイナス金利」で改めて考える・配当利回りに着目した銘柄選びとその注意点(応用編)

配当利回りについてはお伝えしたいことがたくさんあります。それほどまでに配当利回りを重視した株式投資は一見単純なようで実は奥が深いものです。今回は「応用編」として、前回のコラムまでに取り上げることができなかったことや、配当利回りに関するより戦略的な内容をお話したいと思います。

そもそも高配当利回り銘柄の「リスク」とは何なのか?

筆者は、高い利益成長が続く見込みがあるなどといった理由がない限り、配当利回りが高いというだけでその銘柄に投資し、長期間保有することはありません。そもそも、筆者自身の株式投資の目的がインカムゲインではなくキャピタルゲインだから、ということもあるのですが、配当利回りが高い銘柄には「配当金が減る」リスク以上に大きなリスクがあるからです。

現在の配当利回りが高くとも、将来配当金が減らされれば、実質的な配当利回りは低くなってしまうことは前々回のコラムでもお伝えしました。

それだけならまだよいのですが、配当金が減額されるときは、ほとんどの場合業績も悪化しています。高配当利回り銘柄の本当のリスクは、この業績悪化に伴い株価が大きく下落してしまうという点にあるのです。時には、現時点での配当利回りが5%ある銘柄でも、将来業績が悪化すれば株価が5分の1、10分の1にまで下がってしまうこともありえます。その時には当然配当金も減っているはずですから、配当金はもらえない、株価は下がると踏んだり蹴ったりの状況になってしまいます。「株価が下がっても持ち続けていれば投資元本がそのうち回収できる」とはいかなくなるのです。

ですから、前回のコラムでお話ししたように、単に配当利回りだけをみて銘柄を選ぶのではなく、業績や配当金が増加傾向にある、もしくは安定的に推移している銘柄に絞って投資することが重要です。そのような銘柄なら、多少株価が下がったとしても、保有を続ければ配当金により投資元本が回収できる可能性が高まるからです。

「リスクが高い」=「必ず失敗する」というわけではない

といっても、高配当利回り銘柄はリスクが高いから投資したら必ず失敗する、というわけではありません。

配当利回りが高い銘柄は、多くの投資家が将来「配当金が減らされる」とか「業績が悪化して株価が下がる」と心配している現れです。でも、ふたを開けてみれば配当金は下がることなく、業績も大幅に良くなるかもしれません。そうなったら、現時点での高い配当利回りでの買いは、非常にお買い得ということになります。

円高や国内外の景気悪化が懸念されて配当利回りが高止まりしている銘柄は数多くありますが、もし画期的な新製品・新技術の開発などによって円高・景気悪化という逆風をはねのけることができれば、株価は大幅高、配当も増額となるでしょう。

前回のコラムにて取り上げた大塚家具であっても、業績が急上昇して配当性向が100%を大きく下回れば株価も上昇するでしょうし、夢真ホールディングスも足元の増収増益が今後何年も続けば、配当金も増え、株価も大きくプラスに反応するはずです。

結局は、配当金が減らされるかもしれないリスク、そして業績が大きく落ち込んで株価も大幅に値下がりするリスクが他の銘柄より大きいという点を覚悟の上で、高配当利回りの銘柄に投資するかどうかを自分自身で判断する必要がある、ということです。

買いタイミングはどうするか?

配当利回りに着目した場合、株を買うタイミングも非常に難しいところです。筆者のようにキャピタルゲイン(値上がり益)を狙って株式投資をしているのであれば、株価のトレンドに従って売買していれば問題ありません。でも、長期間保有を続ける前提のインカムゲイン(配当金)重視の場合はそうもいかないからです。

端的に言えば、配当利回りが高くなるタイミング、つまり株価が大きく値下がりしたタイミングで買うのが理想です。2月前半の株価急落局面は、新規買いのチャンスだったといえるでしょう。

ここでの最大のポイントは、単に株価が大きく下がって配当利回りが高くなった銘柄を狙うのではなく、業績・配当金とも安定していて普段ではあまり配当利回りが高くならないような銘柄の株価が、相場全体の暴落につられて大きく下がったところを狙うということです。

実は、業績・配当金とも安定している銘柄の配当利回りは、2%から、高くてもせいぜい3%程度です。しかし、日本株全体が大きな下落となれば、そうした優良銘柄も影響を受け、株価が大きく下がることがあります。2%、3%の配当利回りが、4%、5%まで上昇することも珍しくありません。普段の相場で配当利回りが4~5%ある銘柄はかなりリスクが高いですが、相場全体の下落につられた結果配当利回りが4~5%に達した優良銘柄は絶好の買い時となります。

ただ、日本株がいつ大きな下落局面を迎えるかは分かりません。下手をすると、数年間はそうした下落が訪れず、新規買いのチャンスがなかなか到来しない可能性もあります。

それでもよいから安く仕込みたい、という方は大きな下落局面をじっと待てばよいですし、例えば投資可能資金の2分の1~3分の1程度を現時点で投入し、残りは株価が大きく下落する局面が来たら追加投入する、という方法もあります。

「連続増配」銘柄でキャピタルゲインも同時に狙う

配当利回りを重視した銘柄選択は、当然ながらインカムゲインを重視した戦略です。でも、これにキャピタルゲインの要素を加えた戦略もあります。それが「連続増配銘柄」を狙った戦略です。

連続増配銘柄とはその名の通り、毎年配当金を増やし続けている銘柄のことです。例えば花王(4452)は、なんと26年もの間、配当金を増やし続けているのです。それ以外にも、連続増配期間が10年以上の銘柄は40社ほどあります。

連続増配銘柄の足元の配当利回りは、それほど高くないのが通常です。良くて2%前後です。でも、買ってから配当金が2倍に増えれば、実質的な配当利回りも2倍になります。

さらには、配当金が今の2倍に増えるということは、企業業績もそれに伴ってかなり伸びているはずですから、株価の上昇も大いに期待できるのです。

毎年きっちり配当金を増やし続けている銘柄でなくても、過去10年間の配当金の推移をみて、明らかに増加傾向にある銘柄であれば、十分投資対象となります。

なお、上記の花王も、2008年~2009年のリーマンショック時には株価が大きく下落し、半年で株価が50%ほど下落しました。配当利回りを重視するのであれば、平常時から優良銘柄をあらかじめピックアップしておき、株価の大幅下落で配当利回りが高くなったところをしっかりと買い向かうようにしておける準備をしておくのが非常に重要です。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

足立武志

知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識

株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのように行動すべきか、これから「株式投資」を始めようと考えている方、必見です。

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

【かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)にかかるリスクおよび費用】 

リスクについて
かぶミニ®の取扱い銘柄については市場環境等により、取扱いを停止する場合があります。
費用について
売買手数料は無料です。

かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

リスクについて
貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」となります。株券等を貸付いただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
(信用貸株のみ)
株券等の貸出設定について
信用貸株において、お客様が代用有価証券として当社に差入れている株券等(但し、当社が信用貸株の対象としていない銘柄は除く)のうち、一部の銘柄に限定して貸出すことができますが、各銘柄につき一部の数量のみに限定することはできませんので、ご注意ください。

(貸株サービス・信用貸株共通)

当社の信用リスク
当社がお客様に引渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」・「信用取引規定兼株券貸借取引取扱規定第2章」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いいたしますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様は取得できません。
投資者保護基金の対象とはなりません
貸付いただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管および投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
手数料等諸費用について
お客様は、株券等を貸付いただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。
配当金等、株主の権利・義務について
貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義等になっており、この期間中において、お客様は株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主提案権等について、貸借期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。(但し、信用貸株では貸借期間中の全部又は一部においてお客様名義のままの場合もあり、この場合、お客様は株主としての権利義務の一部又は全部が保持されます。)株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出設定は、お客様のお取引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。
株主優待、配当金の情報について
株主優待の情報は、東洋経済新報社から提供されるデータを基にしており、原則として毎月1回の更新となります。更新日から次回更新日までの内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、貸株サービス・信用貸株内における配当金の情報は、TMI(Tokyo Market Information;東京証券取引所)より提供されるデータを基にしており、原則として毎営業日の更新となります。株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がありますので、必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
大量保有報告(短期大量譲渡に伴う変更報告書)の提出について
楽天証券、または楽天証券と共同保有者(金融商品取引法第27条の23第5項)の関係にある楽天証券グループ会社等が、貸株対象銘柄について変更報告書(同法第27条の25第2項)を提出する場合において、当社がお客様からお借りした同銘柄の株券等を同変更報告書提出義務発生日の直近60日間に、お客様に返還させていただいているときは、お客様の氏名、取引株数、契約の種類(株券消費貸借契約である旨)等、同銘柄についての楽天証券の譲渡の相手方、および対価に関する事項を同変更報告書に記載させていただく場合がございますので、予めご了承ください。
税制について
株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、お客様が個人の場合、一般に雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、一般に法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。税制は、お客様によりお取り扱いが異なる場合がありますので、詳しくは、税務署又は税理士等の専門家にご確認ください。

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