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withコロナ時代の分散投資と
バランスファンド選び

withコロナ時代の分散投資とバランスファンド選び

掲載日:2020年6月30日

2020年上半期は、金融市場が「新型コロナウイルス」の感染拡大によって大きく揺れ動きました。
「コロナショック」後は、世界的な金融緩和策や財政出動策によって、株式市場は回復傾向にある一方、新興国やリート市場は出遅れ感が否めず、「明暗」が分かれました。加えて、足元は実体経済を先読みするような急回復に警戒感もあるなど、当面、変動を伴う市場の値動きも想定しておく必要があります。

しかし、「長期投資」の原点に立ち返ると、短期の値動きに一喜一憂するのではなく、「世界経済の持続的な成長」の恩恵を受けるべく「長期分散投資」を継続すべきという原理原則は不変です。そこで今回、「withコロナ時代」の「分散投資とバランスファンド選び」について考えます。

ポイント

  • 「分散投資」のコツは「逆の動きをする(低相関)資産」を組み合わせること
  • withコロナ時代の「分散投資」は「金」などの代替資産が鍵を握る
  • 手軽に「分散投資」をするには、優れた「バランスファンド」選びがポイント
  • 各ファンドの特徴を理解し、自分に合った「バランスファンド」を選ぶことが重要
  • 楽天証券経済研究所のファンドアナリストがおすすめする「厳選バランスファンド」をご紹介

withコロナ時代の分散投資

従来、「分散投資」の伝統的な組み合わせといえば、株式に代表されるリスク資産と債券に代表される安定資産の組み合わせでした。ここ数年、伝統的な資産の組み合わせが今後も有効かどうか、様々な議論が交わされています。というのも、安定資産である国内外の債券利回りはゼロ近辺(あるいはマイナス)まで低下したことで、中長期の期待リターンが低下し、株式下落時の補完効果が低下しているからです。

実は利回りが低下した債券に代わり、「リスクヘッジ資産」として注目されているのが「金」です。「金」は、株式や債券などの伝統的資産の代わりになる資産という意味で、オルタナティブ(代替)資産と呼ばれています。「金」の値動きは、株式と逆の動きをする傾向にあり、先進国の債券利回りがゼロ近辺まで低下したことを受け、近年注目が集まっています。

下図は、「株式(オレンジ)」、「債券(青)」と「金(赤)」の代表的なファンドの値動きと、3つの資産を1/3ずつ組み合わせた値動き(黒)の過去1年間の推移をチャートにしたものです。株式や債券などの伝統的資産に、「金」を加えることで、安定的かつ右肩上がりに推移してきた様子がうかがえます。「withコロナ時代」では、例えば「金」を組み入れているなど、一歩進んだ「分散投資」を考えましょう。

リスク資産には、
債券や金を組み合わせると安定する

コロナショックで底堅かった
バランスファンド

分散投資を簡単に実践できるのが「バランスファンド」です。ファンド選びで大事なのは、自分が許容できる値動きの幅に収まる資産配分かどうかです。自分が許容できる値動きの幅を知るために、参考にしたいのがコロナショックです。コロナショックは、リーマンショックを上回るほど市場の変動幅が急拡大した局面でした。この期間の値動きを振り返ることで、自分にはどれくらいの値動きが許容できるのかをあらためて考えてみると良いでしょう。

下図は、代表的な「バランスファンド」の過去半年間のチャートです。黄緑のチャートは、8資産(国内、先進国、新興国の株式、債券、リート)に均等投資する「バランスファンド」の値動きで、コロナショックの際は、▲20%を超える水準まで下落しました。下落要因は、株式やリート、新興国資産などの高リスク資産の比率(全体の75%)、あるいは為替変動の影響を受ける外貨建て資産の比率(全体の62.5%)が高く、相対的にハイリスクの「資産配分」であることにあります。8資産に均等分散と聞くと、分散されていて安心できそうという印象を持つかもしれません。ただ、重要なのは資産の数ではなく、その配分だということを覚えておきましょう。

「楽天みらいファンド」も高リスク資産の配分が高いファンドですが、為替リスクを抑制(為替ヘッジ)していることに加えて、株式や債券とは異なる値動きをするオルタナティブ資産を組み入れていることで、コロナショックでの下落を抑え、より早く回復しています。また、前述の8資産均等型バランスと「楽天みらいファンド」は、資産配分を固定したタイプの「バランスファンド」ですが、特徴は市場変動リスクをそのまま受けるということです。下落するときは、リスク相応に下落し、上昇するときも相応に反発します。このような値動きから積立投資に向いているファンドといえるでしょう。

一方、より安定的に推移しているのが、「投資のソムリエ」と「ファイン・ブレンド(資産成長型)」です。両ファンドに共通する特徴は、市場環境の変化に応じて「機動的に資産配分」を調整することです。「コロナショック」で市場の変動幅が拡大するなかでも、リスクを抑えた運用を実現しました。このようなファンド特性であれば、まとまった資金も投資することができるでしょう。 一口に「バランスファンド」といっても様々。各ファンドの特徴を理解し、自分に合った「バランスファンド」を選びましょう。

一口にバランスファンドといっても、
値動きは様々

ファンドアナリストがおすすめする
「厳選バランスファンド」

楽天みらいファンド

楽天証券ファンドスコア(3年) ★★★★★ 5

アナリストのコメント
株式等の下落をヘッジする代替資産にも投資。他の2ファンドと比べるとリスク水準はやや高めだが、「多少の価格変動があっても、しっかり増やしたい」という方向けです。

投資のソムリエ

楽天証券ファンドスコア(3年) ★★★★★ 5

アナリストのコメント
資産配分を機動的に変更するのが特徴です。市場の変動の影響を受けにくい「安定運用」が持ち味です。「リスクを抑えて預金金利+αのリターンで十分」という方向けです。

ファイン・ブレンド(資産成長型)

楽天証券ファンドスコア(3年) ★★★★★ 5

アナリストのコメント
内外株式、債券、リート、金にも投資する点が特徴です。リスク水準は「投資のソムリエ」より高めだが、積立などで時間をかけて着実に増やしていきたいという方向けです。

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