いえ、むしろ株式と同じように考えて、まずはバランスファンドの「パーツ」として検討しましょう。
「不動産賃貸業に特化した企業の株式みたいなもの」がREIT。不動産投資の安定収益イメージを持つのはちょっと違います。あくまで取引所に上場した有価証券なので、売り手と買い手の需給次第では意外と動きますのでね。
それにも関わらず、REITのことを「不動産の大家さんになるようなもの」で、「家賃がコツコツ入ってくるので安定的な投資」だとする解説を目にすることがあります。でもそれは投資信託の投資対象としてのREITの説明としては正しくありません。
投資信託の投資対象としてのREITは、あくまでも株式や債券と同じように市場で取引されている有価証券であり、日々投資家に売買され、価格が上がったり下がったりしています。
一方、REITの魅力は株式と債券の両方の性質を併せ持っている点にあります。REITには債券の利子にあたる定期的なインカム(証券の保有者が受け取れる現金)がありますが、それは債券の利子や株式の配当金に比べて高めであり、しかも比較的安定しています。
さらに、株式のようにREITの価格の値上がりが期待できる点も魅力です。REITの証券を発行するREIT法人は、いわば賃貸業に特化した不動産会社みたいなものであり、賃貸物件を自ら保有して賃料を収入としています。オフィスビルに特化したREITもあれば、ショッピングセンターを保有して入居する店舗を入れ替えたり、リノベーションをしたりして賃料を稼ぐREITもあります。
バランスファンドとは、株式と債券、そしてREITなどを一定の比率で組み合わせた、あらかじめ分散投資のかたちとなっているタイプの投資信託。株式だけの投資信託に比べると環境が良い時の「上昇パワー」は劣るものが多いですが、悪い時の下落率がマイルドになることが多く、高いリスクを取れないお金には向いた投資信託です。
投資信託のリスクと費用について