会社が君らの公的年金保険料の半分を払っていたこと、知らなかったでしょ?はい、正直でよろしい。まず公的年金の構造を説明しておくわ。
君が20歳になった時に通知が来たのは、「全国民が同額の保険料」を毎月支払い、将来も「全国民が同額の年金」を受け取る仕組みである「国民年金」のものだった。ややこしいことに時々「基礎年金」と言われることもあるが同じもの。
学生やフリーターや自営業者は、会社に入っていないためこの国民年金だけの加入となる。公務員や僕ら会社員などは、その上乗せ分である「厚生年金」とセットで加入することになる。そしてその毎月の保険料の半分を会社が持ってくれるわけだ。
給与明細に「厚生年金」という項目があるのがそれだ。そこに書かれた金額には国民年金の保険料も含まれているので、その金額を2倍にしたもの、だって会社が払ってくれてるからね、その金額が君らが毎月国に収めている「義務」としての公的年金保険料ってことになる。
具体的に、保険料をいくら払っていて、年金をいくらもらうことになるのかを教えようか。まず「国民年金」では、全員が一律の月額約1万6,000円の保険料を納付し、現在の受給者は月額約6万5,000円を受け取っている。「厚生年金」の分は、その人の給料によって収める保険料も受け取る年金額も異なるんだけど、給料に対する保険料の比率は18.3%で固定されている。企業と折半なので、個人としてはその1/2の金額ってことだね。
収める分が給料次第ということは、受け取る厚生年金は、現役時代の給与が高かった人ほど多くなるわけだけど、あえて平均すると月額約9万円くらいで、6.5万円の国民年金と合せると月額15万円くらいだ(2022年度のモデル賃金より1人分を計算。出所:厚生労働省HP)。
ちなみに、公的年金の受け取りって毎月ではなくて、偶数月に2ヵ月分がまとめて振り込まれるので、今の人は2ヵ月毎に約30万円、専業主婦だった奥さんと2人だとざっくり45万円くらい振り込まれるのが平均像って感じだ。年ベースでは1人だと180万円くらいで、さっきのような夫婦だと270万円くらいが「年収」ってことになる。
さてどう感じただろうか。月15万円くらいだってさ。
すごく多いわけじゃないよね。今のお年寄りが法外に優遇されてて、僕らの世代がすごく割を食って損でケシカラン、ってわけじゃないんだよね。今も昔も、というか元々公的年金だけですごく豊かな老後が送れるわけではないってことだ。あくまで国全体のセーフティネットなんだから当たり前だよね。
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