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●問題は「利回り」部分

さて、でも「毎月7万は厳しいですー」あるいは「私には35年は長すぎますー」という場合はどうしたらいいだろう。そうだよね。「お金を増やす方程式」の最後の変数である「利回り」に期待するしかないよね。

さっきの割り算はただ35年で割って、それを12ヵ月で割った。つまり利回りをゼロと置いた。それを仮に4%としてみようかね

僕が作ったEXCELで計算してみると、こうなる。

※1ヵ月複利で運用を行なう計算。表示される結果は何らかの商品の運用成果などを約束するものではありません。また、手数料・税金等は考慮していません。

これはEXCELのある関数を使って立てた、目標金額3,000万円のための方程式の「積立元本」の答えなわけだけど、答えは3.3万円となった。毎年固定の4%の運用がずっとできたとしたら、つまり4%の預貯金で積み立てていったとしたら、毎月3.3万円の「積立元本」で35年の「期間」を頑張ることで目標の3,000万円は達成されるということだ。

ちょっと出来すぎでビックリなんだけど、この月3万3,000円ってさ、2023年が最終年となる「つみたてNISA」の月の限度額と同じなんだよね。今度改めて話すけど「つみたてNISA」って聞いたことあるでしょ?あれの年間の拠出上限は40万円なので、12ヵ月で割った月当たりの上限は3万3,000円なんだよ。たまたまだけど、それと同じ金額が出たってわけ。

さて、タンスに入れていく「利回りゼロ」の積立なら毎月7万1,400円も必要だったのが、年4%という「利回りの力」を借りることで、毎月3万3,000円と半分以下で同じ目標が出来るという話だ。どう、付いててきてくれてるかな?

とはいえ「固定利回り」なんてないんだけどね

と言いながらで悪いんだけど、この「毎年固定の利回り〇%」なんて、投資信託の運用においては絶対にないんだよね。これまで何度も話してきたように、投資信託を買うと、明日か1年後かは別にしてほぼ間違いなく一度は元本割れ、より正確には「含み損」を経験することになる。だって毎日基準価額が上に下にと動くんだからね。毎年の利回りが固定のはずがない。したがって「利回り」という言葉は、そもそも投信の話に使われるべきじゃない。

それでもこんな計算をしてみせたのは、これによってすごく大事なことが理解できるから。「もし固定利回りだったら」というあり得ない仮定を置いてでも計算してみることで、
まず、

●「そうか、利回りゼロ、つまり預貯金で3,000万円作るなんて無理なんだな(毎月7万円の積立は無理なんだから)」ってことに自分で納得ができる。預貯金から一歩踏み出す、自分にとっての必要性に気付ける。

そして、

●「そうか、(固定ではないにしても)平均してこれくらいの「利回り」が必要なんだな。これは裏にある相応のリスクを取らない限り、絶対無理な水準だろうな」ってことに気付ける。

さらには、

●「年平均で4%が必要ってことは安全重視の投資信託じゃ無理なんじゃないかな。投資対象としては株式がメインにならざるを得ないな」

といった具合に思考を展開させていくことができる。つまり具体的な投資対象選び、そしてそれを実現させる具体的な投資信託選びへと進むことができる。

そして、始めた後のことで言うと、

●「私が株式100%の投資信託で積立をしているのは、最終的に平均値で4%を取るためなんだから、今年が仮にマイナスだって気にしないでいいわけだ。逆に来年10%になったとしてもそこで売ろうかどうかと悩む必要もないんだ」

おっと、ちょっと先走ってしまったかな。ここまで考えろって、ちょっと飛躍が過ぎたかもしれない。最後の話はまた改めて、投資信託をどう選んでいくかって話のところで詳しくするから安心して。さ、今日はここまでにしとこ。

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