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●資産運用には2人で取り組み、2人で忘れて人生を楽しむべし

長いこと付き合ってくれてありがとう。いよいよ終わりです。
僕が30年以上にわたり、会社は変われどずっと同じことについて考えてきたことを、取りとめもなく喋ってきたと思う。

最近になって市民権を得てきた投資信託や投信積立だけど、やっぱり難解なんだよね。
もちろん専門用語もたくさんで難しいんだけど、何より投資信託って、ある意味「品質の決まっていない商品」だから難しいんだと思う。

シャンプーはどう考えたってシャンプーとして使われるから、メーカーはいいもの作って、効果的な宣伝すればいいんだと思うけど、投資信託は買う瞬間にはリターンという品質は決まってないわけじゃない。
そして、使う人によっては、我々「メーカー」の想いとは違った使い方をされてしまうこともある。

そうした「使い方」が難しい投資信託を「正しく使ってもらいたい」とずっと思ってきた。
でも価格変動がマストで、そこに人間の損得勘定という心理が絡むから、それは簡単なことじゃないんだよね。
だからこそ、時間が経っても古くならない知識と考え方を「背骨」として持ってほしいと思って話してきた。

ぜひ、2人一緒にオープンに、仲良く取り組んでほしい。
投資オタク的とかポイ活的な世界には行かないクールな距離感が勝ちだと思う。
お金のことを気にするのはせいぜい年末に一度くらいにして、あとは生活を楽しんでほしい。
見栄をうまく制御し、でもメリハリをつけて、心豊かな生活を2人で過ごしてほしい。

最後に「資産運用のやめ方」の話をしておこうか。
一部では、まだまだずっと先なのにも関わらず、将来取り崩す場合には毎月同じ金額がいいのか、それともその時々の評価額の一定比率の金額にした方がいいのか、何パーセントの引出しなら元本が減らないのか――みたいな通称「出口戦略」がちょっとした話題なんだけど、君たちは気にしなくていいわ。

「出口」なんて気にならないくらいに増やしてやるぜ。出口で「何とかショック」があっても大丈夫なくらいまで増やしておくぜ――って威勢よく思っていればいいんじゃないだろうか。
そのうち僕みたいな年齢になったら、嫌でも考えることになるんだから。

一方で、前にも少し話したけど、「ハンドルを握った大人家族になる」という目標が達成されたと思ったら、さっさと撤退したらいいんじゃないだろうか。
そして、その時々で自分たちが大切だと思うことにお金を使っていけばいい。自分たちで「人生を運転する」ために使えばいいんだよ。スマホに映る評価益を眺めて喜ぶために資産運用してるんじゃないんだから。

ちなみに、もし何かにお金が必要になり、手元の預貯金だけでは足りないとなった場合には、躊躇なく投資信託の「一部解約」をしたっていいんだからね。

できるだけたくさんの金額を「市場に居る」状態に放置しておくことは大事っちゃ大事なんだけど、使うためにこそ頑張って運用してきたお金なんだから、それが選ぶべき人生の選択肢なんだったら、迷わず売って使うべき。

僕も8年ほど前に、今のマンションの頭金を作るために一部解約した。
その時に含み益か含み損かなんて気にする必要はなくて、今、自分の人生のステージにこのマンションが必要なんだと考え、そのために有意義に使うことにした。

投資信託を買う時は1万円とかじゃなくて「本気の積立」にしろって言ったけど、売る時には1万円からでも売れるのが投資信託のいいところ。必要な分だけを解約すればよし。
ただし、必要だからと売る場合でも全部解約をしないことが大事。必ず「市場に居る」お金を残しておく。
そして「本気の積立」もやめずに続け、できれば「入金力」を高めて増額もし、ボーナスなんかも利用してどんどんと「市場に居続ける」お金が大きくなるよう、投入していく。
必要なら躊躇なく売って使うけど、一方では決してやめずに続けていく。増やしていくと。

さてさて、以上で本当に終わりです。
きっとわかってくれていると思うけど、資産運用について考えるってことは、自分の人生に「前を向いて」取り組むことだ。
これからの君たちの前を向いた資産運用と、それが叶える素晴らしい未来を考えると、まるで自分のことのようにワクワクする。頑張って。
あ、でも僕らもまだまだやめずに続けていきますんで。一緒に、頑張りましょう。

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