中国株のマーケットは本土市場と香港市場の二本立てです。前者の本土(上海証券取引所と深セン証券取引所)に上場する銘柄は、各種の規制が存在するため、外国人(日本人を含む)にとって必ずしも一般的な投資対象とはいえません。海外投資家による中国株の売買は、後者の香港証券取引所に上場する銘柄が主体です。ただ、本土と香港は、互いに影響を与え合う関係となっているため、海外投資家であっても両者の特徴を押さえておく必要があります。まず、本土の方から詳しく見てみましょう。
狭義の中国株市場ともいわれる本土市場は、さらに上海証券取引所、深セン証券取引所の2カ所に分かれます。国内に複数の取引所が存在する例は、合併前の東京証券取引所と大阪証券取引所のケースを想起したくなるのですが、日本の場合とは明らかに異質。というのも、1つの銘柄が2つの取引所で同時に売買されることはないからです。上海と深センがそれぞれ、独自の銘柄を上場させています。
また、他の市場にない特徴として、一つの上場企業が2種類の株式(人民元建てA株、外貨建てB株)を流通させている点が目に付きます。A株、B株は株主の権利という点では差がありませんが、B株(上海は米ドル、深センは香港ドル)は外国人の投資が可能であるのに対し、A株の売買は原則として中国籍の法人・個人に限定される点が大きく異なります(一部の海外大手金融機関=QFIIは例外:後述)
A株の取引の外国人規制を設けた背景には、人民元レートの安定を保ちたいという当局の意向があります。多額の資本移動を伴う証券投資を無制限に対外開放した場合、株式を売買する都度、外貨と人民元の交換が必要となり、巨額な資本の流出入が発生してしまうからです。これを防ぐ目的で作られたのが、特設市場の外貨建てB株市場といえます。
楽天証券では、上海証券取引所 A株が取引可能です。
(決済通貨は日本円のみ、2017年6月30日時点)
しかし、外国投資家の多くはB株ではなくA株市場への参入を要求しています。それは、銘柄数が少なく時価総額も小さいB株市場に対し、A株市場は著名企業が多く流動性も高いからです。また、人民元の上昇傾向が続く中で為替差益を得たいというのも大きな理由といえます。
こうした声に加え、WTO加盟に伴う金融自由化の要請も圧力となり、中国当局は数年前からA株市場の部分開放に乗り出しました。中国証券監督管理委員会(CSRC)は02年11月、適格海外機関投資家(QFII)制度の導入を発表。CSRCの認可を受けた特定の海外機関投資家に対し、投資枠の上限を定めた上で人民元建てのA株や債券への投資を認めたのです。これにより、A株は部分的に開放されたことになります。
2013年10月現在の投資枠は、全体で1,500億米ドルに設定されています。本土市場内でQFIIのプレゼンス(存在感)はそれほど大きくないものの、規制緩和が進めば将来はマーケットの動向を左右するような主要プレーヤーになる可能性があります。
また、新たな動きとして、2012年にRQFII(人民元適格海外機関投資家)制度が始動したことも注目です。RQFIIは、香港などのオフショア人民元を本土に還流させる目的で、本土系の現地金融機関にA株ファンドなどの組成を認める制度。QFII制度が海外機関投資家(香港など本土域外含む)を対象としているのに対し(=つまり海外機関投資家が保有する米ドルやユーロ、日本円を人民元に交換させてA株市場へ誘導している)、RQFIIは香港など域内の本土法人を認可対象にしている点で異なります。現在の投資枠は2,700億人民元に設定されています。
なお、海外の個人投資家はA株の直接売買が禁じられていますが、これらQFIIが組成するファンドを通じて間接参入することができます。
ところで、B株銘柄のなかには同時にA株を発行しているものが多く見受けられます。いわゆるA/B同時上場の銘柄です。ただ、将来的にはA株とB株が統合されるとの見方が少なくありません。
◆金融の自由化・国際化に伴って、変則的な市場形態を認めるべきでないとの意見が強まっていること
◆出来高の縮小を受けて、B株市場の存在意義が薄まっていること、などがその要因です。
一般にA株の株価水準の方がB株を上回るため(いわゆるA、B価格差の発生)、A株とB株が統合される場合は、B株の株価がA株にサヤ寄せする形で上昇すると期待されています。
ただ、A/B統合のためには人民元の自由化問題など様々なハードルに直面することも事実。したがって、実現にはかなりの時間を要しそうです。
外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
米国株式信用取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。米国株式信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。また、米国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、米国株式信用取引による損益は外貨で発生します。そのため、お客様の指示により外貨を円貨に交換する際の為替相場の状況によって為替差損が生じるおそれがあります。
〔現物取引〕
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アセアン株式 約定代金の1.10%(税込)・最低手数料:550円(税込)・手数料上限なし
※当社が別途指定する銘柄の買付手数料は無料です。
※米国株式の売却時は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
※中国株式・アセアン株式につきましては、カスタマーサービスセンターのオペレーター取次ぎの場合、通常の取引手数料に2,200円(税込)が追加されます。
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※当社が別途指定する銘柄の新規買建または買返済時の取引手数料は無料です。
※売却時(信用取引の場合、新規売建/売返済時)は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
米国株大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。米国株大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔米国株式信用取引(米国株大口優遇)〕
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