2020年3月3日作成
全体的に増加傾向にある中、タイとマレーシアへの訪問観光客が多くなっています。特にタイへの訪問観光客の増加が顕著です。
タイとマレーシアの外国からの訪問観光客増加に貢献しているのが「医療ツーリズム(観光)」です。
医療サービスを観光と一体化させ、外国人に対して治療や診察後に休暇を豪華に楽しんでもらえるよう、外国語で対応できる質の高い医師・スタッフを揃え、個室は5つ星ホテル並みの設備を揃えています。
タイでは、アラブ首長国連邦などの中東の富裕層を呼び込むことに成功し、アセアンにおける医療ツーリズムの約半分の患者シェアを獲得しています。
そのおかげでタイは観光産業がGDPの10%以上を占める観光立国となりました。
マレーシアは、シンガポールの高額な医療サービスと比べて費用対効果が高いこと、およびイスラム教徒の患者が家族連れで来ても安心して滞在ができることのメリットを生かしています。
そのため、医療ツーリズムに係る外国からの患者のうち、イスラム教徒が中心のインドネシアからの患者が約6割を占めています。
インターネット普及率では、シンガポールとマレーシアが早くからインターネットの普及が進み、情報通信・IT産業が発展していましたが、タイとインドネシアも急速に追い上げています。
マレーシアは、2020年までの先進国入りの目標を掲げ、1996年に「マルチメディア・スーパーコリドー(MSC)計画」を承認しました。
IT産業を中心とするサービス・知識集約型産業を育成するため、首都クアラルンプールの郊外に行政都市の「プトラジャヤ」や情報産業都市の「サイバージャヤ」などの人口のテクノロジー都市が建設されました。
このような経緯があり、マレーシアはアセアンにおける情報通信・IT産業でいち早く先進的な地位を占めることができました。
これに対し、アセアンの情報通信産業のもう一方の雄であるシンガポールでは、シンガポール・テレコム社(政府系投資会社のテマセク・ホールディングスが過半数の持株比率を有する)が、タイ、フィリピン、インドネシア、およびインドの各々の市場で1位または2位の通信事業会社を戦略的に重要な関連会社とするなど、アセアン市場全体に強い影響力を有しています。
その一方、マレーシアは国内の人口が多くない割に有力な通信事業者がひしめき合い、サービスの基盤となる通信・放送市場は厳しい競争と事業環境の変化に晒されています。
特に次世代5G通信に向けて必要な投資額が増えることが予想されるなか、シンガポール勢が優勢なアセアンでの競争に勝ち抜くため、統合などを含めた情報通信事業の再編の動きが活発化することが考えられます。
各国の政体・内政・民族・宗教の概略は以下の通りです。(民族・宗教の割合表示は2019年1月時点のものです。)
シンガポール | タイ | マレーシア | インドネシア | |
---|---|---|---|---|
政体 | 立憲共和制(英連邦加盟) | 立憲君主制
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立憲君主制(英連邦加盟)
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大統領制、共和制
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内政 | リー・シェンロン首相率いる与党(人民行動党)が議会で圧倒的多数 | プラユット暫定軍事政権から2019年に新憲法下で民政復帰へ(プラユット首相は継続) | 2020年2月29日、政権交代を発表(マハティール前首相からムヒディン首相へ) | 2019年4月にジョコ大統領が再任 |
民族 | 中華系74%、マレー系14%、インド系9% | 大部分がタイ民族 | マレー系69%、中国系23%、インド系7%(2019年1月現在) | 大半がマレー系 |
宗教 | 仏教・イスラム教・キリスト教・道教・ヒンズー教 | 仏教94%、イスラム教5% | イスラム教(連邦の宗教)61%、仏教20%、キリスト教9%、ヒンズー教6%、儒教・道教・その他4% | イスラム教87%、キリスト教10%、ヒンズー教・仏教・儒教・その他3% |
出所:外務省のウェブサイトをもとにフィリップ証券作成
シンガポール
シンガポールはリー・シェンロン首相に権力が集中し、政策の実行が迅速であるメリットがある反面、権力集中の弊害への危惧も指摘されています。
タイ
タイは王室の存在感が大きいことに特徴があります。「サイアム」の冠名があるタイ王室が筆頭株主の企業のブランド価値も高いものとなっています。
同じ上座部(小乗)仏教のミャンマー、およびタイ民族として共通している面もあるカンボジアやラオスとの結びつきを深めることで経済的に市場を拡大しやすい面があります。
マレーシア
マレーシアはマレー系の民族を優遇する「プミプトラ政策」があり、国民としての一体性を持ちにくいことが大きな政治・社会問題となっています。
連邦の宗教がイスラム教であることから、イスラム金融やハラル、および海外のイスラム教徒をターゲットとした医療ツーリズムへの取り組みが成長戦略の柱の一つとなっています。
インドネシア
インドネシアもマレーシアと同様にイスラム金融が盛んですが、マレーシアと比べると1人当たりGDPが低いことから、低所得者向けに小口の融資や貯蓄などのサービスを提供し、彼らが零細事業の運営に役立て、自立し、貧困から脱出することを目指す「マイクロ・ファイナンス」への取り組みが進んでいます。
また、所得水準の低さから銀行口座保有率やクレジットカード保有率が低い一方、スマートフォンが普及しています。そのため、スマホのアプリを通じたQRコード決済の電子決済サービスが普及し、日常生活のあらゆる場面で活用できる「スーパーアプリ」の座を巡って激しい競争が繰り広げられています。
はじめてのアセアン株式
外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
米国株式信用取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。米国株式信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。また、米国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、米国株式信用取引による損益は外貨で発生します。そのため、お客様の指示により外貨を円貨に交換する際の為替相場の状況によって為替差損が生じるおそれがあります。
〔現物取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
米国株式 約定代金の0.495%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:22米ドル(税込)
中国株式 約定代金の0.275%(税込)・最低手数料:550円(税込)・上限手数料:5,500円(税込)
アセアン株式 約定代金の1.10%(税込)・最低手数料:550円(税込)・手数料上限なし
※当社が別途指定する銘柄の買付手数料は無料です。
※米国株式の売却時は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
※中国株式・アセアン株式につきましては、カスタマーサービスセンターのオペレーター取次ぎの場合、通常の取引手数料に2,200円(税込)が追加されます。
〔米国株式信用取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
約定代金の0.33%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:16.5米ドル(税込)
※当社が別途指定する銘柄の新規買建または買返済時の取引手数料は無料です。
※売却時(信用取引の場合、新規売建/売返済時)は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
米国株大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。米国株大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔米国株式信用取引(米国株大口優遇)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0米ドルです。