BRICsに続く成長国として世界各国の注目を集めるアセアン経済ですが、そのアセアン各国の株式市場の状況については日本の投資家にとってまだまだ馴染みが薄く、どの銘柄を取引したらよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の特集では"アセアン株の魅力"と題して、アセアン各市場の主力銘柄とされる各国のトップ上場企業にスポットをあて、その銘柄をご紹介させていただきます。
第2回目は2011年の洪水被害から急速な立ち直りを果たしているタイ株式をピックアップいたします。
2011年のタイ洪水は日本の有力メーカーの現地工場を直撃した結果、サプライチェーンを米国での自動車や半導体供給などに大きな影響を与えましたが、それは図らずも世界経済におけるタイの重要さを浮き彫りするイベントとなりました。
コメ輸出で世界ナンバー1の座にあるタイは、温暖な気候や豊富な水源にも恵まれ従来は農業国としてゆるやかな成長を続けていました。しかし1980年以降は、安価かつ有能な労働力の供給源として認識されたことに加え、プラザ合意後の円高により海外進出を余儀なくされた日本企業など先進国企業からの投資が急増。その結果、製造業セクターが急拡大し、民間の所得水準も急激に引き上げられました。
アジア通貨危機では経済的な混乱に見舞われましたが、通貨危機からの復興を目指す過程で財閥の同族支配の廃止や、外国資本導入の拡大により経済成長も再加速。リーマンショック後は先進国の景気低迷に伴う輸出減が響き、マイナス成長を強いられましたが、2010年以降は再び成長路線に回帰しています。
株式市場では輸出関連企業のほか、所得水準向上に伴い拡大が予想される内需関連企業に有望企業がひしめいています。
銘柄名 | 情報種類 | 注文 |
---|---|---|
アドバンスド・インフォ・サービス(ティッカー:ADVAn) |
タイ最大のモバイル通信企業である同社ですが、むしろ元首相のタクシン首相一族が率いる企業集団の中核企業、そして現首相のインラック・シナワトラが首相就任前に社長を務めていた企業として知られています。
タクシン元首相から引き継がれる同族経営となる同社ですが、経営スタイルは合理的で、アジア通貨危機での影響を最小限に食い止めたことでも知られています。
現在タイのモバイル通信は,3Gへの移行が進んでいる段階で、関連機器の販売や契約者数の増加などをうけ業績は順調に拡大基調を続けています。
銘柄名 | 情報種類 | 注文 |
---|---|---|
CPオール(ティッカー:CPALLn) |
タイ全土でセブンイレブンブランドのコンビニを展開を展開するのがCPオールです。2011年末時点での店舗数は約6,000ですが、これは日本、米国に次いで世界第三番目の規模となります。
経営母体は食品や小売流通業をコアビジネスとする華僑系財閥グループ、チャルーン・ポーカパン(CP)の子会社ですが、日本のセブンイレブンとライセンス契約を結び、店舗展開や商品供給体制などについて包括的なアドバイスを受けながら着実に店舗網を広げています。
今後もタイ現地消費市場の拡大が見込まれるだけに、良好な事業環境のメリットを享受できる消費関連銘柄の代表格として期待されます。
銘柄名 | 情報種類 | 注文 |
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チャルーン・ポーカパン・フーズ(ティッカー:CPFn) |
CPオールと同じく華僑系財閥チャルーン・ポーカパングループで食品事業を担う同社。タイの食品製造最大手として主に畜産品、海産品、加工食品の製造、加工、販売を手掛けます。厳格な品質管理には定評があり、衛生基準が厳しいとされる先進国市場の開拓を進めてきました。
製品の主な輸出先は、日本をはじめ米国、欧州主要各国ですが、近年はトルコなど今後の市場拡大が期待できる新興国への進出も積極的です。国内ではCPオールが展開するセブンイレブンへの商品供給なども行っています。国内外でさらなる販売拡大が期待できる事業環境が同社にとって最大のメリットといえます。
銘柄名 | 情報種類 | 注文 |
---|---|---|
バンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(ティッカー:BGHn) |
タイ最大の病院グループを経営するバンコク・ドゥシット・メディカル・サービス。タイ国内に26の病院を展開するほか、カンボジアでも事業拡大を進めています。
現在同社が注力しているビジネスが、メディカルツーリズムです。低水準の医療費で治療を受けることを求める先進国の患者受入れを増やすため、高機能の医療設備を導入や医療サービスの高度化を進めており、現在は患者の3割近くが外国人となっています。
国内シェア拡大を目指し同業他社のM&Aにも積極的です。
銘柄名 | 情報種類 | 注文 |
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ホーム・プロダクト・センター(ティッカー:HMPRn) |
内需関連銘柄の代表格として知られるホーム・プロダクト・センターですが、特にタイ洪水後は国内外の投資家から熱い注目を集めています。タイ洪水では首都バンコク大きな被害を受けたため、住宅の改修や家具の買い替えなどの復興需要が拡大しているとされています。
バンコク中心にホームプロブランド店舗を45店展開する同社にとってバンコクの洪水は、大きなビジネスチャンスとして捉えられているようです。
国内の耐久消費財への需要はまだまだ拡大余地が見込めることもあり、長期的観点からも同社の事業環境は良好といえるでしょう。
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