2024年は「辰年」。十二支の中で唯一、空想の生き物である龍(辰)は、天に昇る様子から、中国・シンガポールでは成功や発展の象徴として、縁起がよいとされています。
「辰年」で皆様に是非知っていただきたいのが「シンガポール上場ETF」と「香港上場ETF」です。日本とシンガポール・香港の時差はわずか1時間。取引時間が昼夜逆転する米国市場とは異なり、日中にトレードができるのが大きな魅力です。
楽天証券では日興アセットマネジメントアジアリミテッドのシンガポール証券取引所上場の5本、香港証券取引所上場の2本、計7本の海外ETFを取り扱っています。
シンガポール証券取引所上位30銘柄
シンガポール証券取引所に上場する時価総額上位30銘柄に投資します。これらの株式の多くは、シンガポールにとって戦略的利益があり、国家も実質的な株主となって支援しています。例えば、DBS銀行(金融)、シンガポールテレコム(通信)、STエンジニアリング(防衛および航空宇宙)、シンガポール航空(国営航空会社) などがあります。また、ウィルマー(インドネシアとマレーシアのパーム油農園)やタイビバレッジ(タイの食品・飲料複合企業)のように、シンガポール証券取引所に上場したアジアの大規模複合企業が含まれます(※3)。
シンガポールの上位30銘柄に投資することで、投資家は同国の強力な金融インフラから恩恵を受けると同時に、アジアの底堅い経済の活力を享受することができます。シンガポールはアジアでも成熟した証券市場であり、シンガポール証券取引所に上場する企業はグローバルスタンダードのガバナンス基準を満たす必要があります。シンガポールは透明な法的枠組み、公平な司法、安定した政治環境、そして健全な財政黒字と外貨準備金に裏付けられた世界で最もよく管理された通貨を備えており、同国のシステミックリスクは低いと言えます。また、構成銘柄の多くは、成長が著しいアジア太平洋全域でビジネスを展開しています。
高い経済成長率
シンガポールは、1965年の独立以来、高い経済成長を成し遂げました。世界銀行のデータによると、今やアジア(ASEAN+3)で国民1人あたりのGDPが最も高く、世界の上位10位にランクインします(※4)。シンガポールは優秀な人材の宝庫であり、アジアの中心に位置するグローバルハブとして引き続き高い成長が続くと考えられます。
シンガポールが魅力的なビジネスハブである理由
高い配当利回り
ストレーツ・タイムズ指数の配当利回りは高く、2023年12月末時点でおよそ5.2%です(※1、※2)。これは同時点の日経225指数の約1.8%、NYダウ指数の約2.0%の配当利回りと比べて、かなり高い水準といえます(※2)。
出典
シンガポール国債に投資
当ETFは主としてシンガポール政府や政府関連機関(Land Transport Authority(陸上交通庁)やHousing Development Board(住宅開発庁)など)が発行するAAA格のシンガポールドル建て債券に投資します。アジアの政府や国際金融機関が発行するシンガポールドル建て債券が組み入れられる場合もあります。
AAA格
シンガポールは大手格付会社3社の全てが最高格付を付与しているアジアで唯一の国です(※6)。1997年のアジア通貨危機、2003年のSARS流行、2008年のリーマンショック、2011年の欧州債務危機、2020年のコロナショックなど、数多くの危機でもAAA格を維持してきました。高い格付の要因としては、健全な財政政策や潤沢な外貨準備高、政治の安定性が挙げられます。シンガポール国債は安全性が高く、同格のAAA格付の国債の平均を上回る利回りがあります(※7)。
2023年12月末時点において、当ETFの構成銘柄の加重平均最終利回りは約2.93%です(※8)。構成銘柄の約80%がシンガポール国債で、残りがシンガポールの政府関連機関等が発行するシンガポールドル建て債券となっています。
堅調に推移するシンガポールドル
シンガポールドルは、主要貿易相手国の通貨バスケット対比で管理されており、シンガポールの中央銀行(MAS)が消費者物価指数などを考慮しながら、変動幅が一定の範囲に収まるよう運営しています。シンガポールドルはMASの潤沢な外貨準備高に支えられているため、相対的に安定的な通貨とされています。1997年、世界的なヘッジファンドによる一連の投機的な通貨の空売りによってアジア金融危機が引き起こされました。タイバーツ、インドネシアルピア、マレーシアリギット、フィリピンペソ、さらには韓国ウォンなど、多くのアジア諸国の通貨が大きな影響を受けました。香港ドルも投機的な攻撃を受けましたが、香港金融管理局は外貨準備を取り崩すことで、香港ドルを防衛しました。そんな中、シンガポールドルだけが直接的な投機圧力にさらされませんでした。一般的には、MASの決意の強さと通貨防衛能力が抑止力になったと考えられています。
多くの国では金利を動かすことでインフレをコントロールしますが、シンガポールは輸入に頼る側面が強いため、為替でインフレをコントロールします。具体的には為替レートの為替バンドの幅や傾きを調整、またはバンド自体を上下動させることで、物価をコントロールしています。例えばインフレ局面ではシンガポールドルを強くすることで、輸入価格を下げ、また輸出を減らし、インフレ圧力を弱めるといった政策をとっています。逆説的に言うと、インフレ局面ではシンガポールドルは強くなるので、インフレヘッジになるとも言えます。
下のグラフはシンガポールの主要貿易相手国の通貨バスケットに対する名目実行為替レートを示しており、シンガポールドルが年々強くなってきていることを示しています。
(出所)Morgan Stanley, Bloomberg, 2024年1月23日
※ グラフおよびデータは過去のものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。
(出所)Bloomberg, 1993年12月~2023年12月
※ グラフおよびデータは過去のものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。
シンガポール投資適格社債
当ETFは主としてシンガポールドル建ての投資適格社債(BBB―格以上)に投資します。社債の発行体の大部分はシンガポールの政府系企業や民間企業ですが、一部外国の企業がシンガポールで発行するシンガポールドル建ての社債にも投資します。
一般的に、個人投資家がシンガポールの社債に直接投資することは、次の 3 つの理由から容易ではありません。
このETFに投資すれば、少額で一度に100以上の近いシンガポール社債に投資ができます。指数に連動するように残存期間等の管理もETFが日々行うため、個々の債券の償還に応じた銘柄入替について気にする必要もありません。
シンガポール国債よりも高い期待リターン
中長期的に見て、投資適格社債に投資するので、シンガポール国債(AAA格)に投資するETFよりもリスクが高い分、期待リターンも高くなっております。シンガポール国債よりも高い利回りを獲得しながら、シンガポールドルのメリットと国際分散投資の恩恵を受けたい投資家向けのETFであると言えます。
下は前述の主としてシンガポール国債に投資するABF シンガポール・ボンド・インデックス・ファンドとの比較表です。2023年12月末時点において、日興AM シンガポール・ドル建て投資適格社債ETFの平均格付けはA格(※10)、加重平均最終利回りは3.84%となっています。(※11)
ETF名称 | ABF シンガポール・ボンド・インデックス・ファンド | 日興AM シンガポール・ドル建て投資適格社債ETF |
---|---|---|
主な投資対象 | SGD建てのAAA格シンガポール国債/政府機関債 | SGD建ての投資適格社債 |
連動指数 | iBoxx ABF Singapore Bond Total Return Index | iBoxx SGD Non-Sovereigns Large Cap Investment Grade |
運用残高 | SGD1,004mn | SGD573mn |
平均格付※10 | AAA | A |
加重平均最終利回り※11 | 2.93% | 3.84% |
銘柄数 | 65 | 122 |
分配頻度 | 年2回(1月・7月) | 年2回(1月・7月) |
総経費率 | 年率0.24%* | 年率0.26%* |
2023年12月末時点
*総経費率については2023年6月30日決算にて監査済み
中国国債
当ETFは中国の国債と中国政府によって100%保有されている三大政策銀行債(国家開発銀行、中国農業発展銀行、中国輸出入銀行)に投資します。三大政策銀行債は中国国債に比べて0.1%~0.2%程度利回りが高く設定されています(※12)。三大政策銀行は中国国債と類似するリスク水準とグローバル市場から見なされており、主要格付会社からも中国国債と同等のA+格相当が付与されています。(2023年12月末時点)
フリーランチイールドプレミアム
中国の投資家の場合、中国国債からのクーポンは免税ですが、一般的には政策銀行債には25%の税率が課されます。他方、外国人投資家にとっては中国国債も政策銀行債も免税です。(※13)この税率の差によって、信用リスクは大きく変わらないにもかかわらず、政策銀行債の利回りは国債を上回ります。当ETFは外国人投資家とみなされ、政策銀行債に対する税金が免除されます。
2023年12月末時点における当ETFの中国国債への投資比率は約36%、三大政策銀行債への投資比率は61%となっています。構成銘柄の加重平均最終利回りは約2.48%(※14)、平均格付けはA+格です。(※15)
人民元の国際化
従来、中国の資本市場は閉鎖的であり、外国人投資家が中国にアクセスすることは容易ではありませんでした。近年は中国の資本市場の対外開放が進み、世界の複数の債券インデックスに組み入れられる動きも相俟って、外国人投資家による中国債券の投資額は年々増加しております。人民元の国際化に伴い、中国の債券は特に機関投資家にとって無視できないマーケットになってきています。機関投資家にとって、中国債券は人民元に投資する自然な方法です。個人投資家にとって、当ETFは、人民元に投資しながら利回りを獲得できる便利な方法の1つです。
中国電気自動車上位50銘柄
中国を代表する電気自動車(EV)とフューチャーモビリティ関連の株式銘柄に投資します。フューチャーモビリティは、電気自動車や自動運転車から高速鉄道、電動スクーター、ハイパーループ、太陽光発電の飛行機に至るまで、新しい交通手段のすべてを含めます。主として中国でビジネス活動するEV関連銘柄に投資しますが、米国や香港などの中国外に上場するEV関連銘柄にも投資します。 NIO、Geely、Li Auto、BYDのような純粋なEVメーカーに加えて、ContemporaryのようなEVバッテリーやリチウム製造メーカーなどの株式がポートフォリオに組み込まれます(※16)。(2023年12月末時点)
現在、EVの時価総額上位5社の内訳は、米国2社と中国2社です。欧州や日本には純粋なEVプレーヤーが非常に少ない一方、中国には多くのEV企業が誕生しています。
EVメーカー時価総額上位5社
名称 | 時価総額(億米ドル) | 国 |
---|---|---|
Tesla | 6745 | 米国 |
Li Auto | 283 | 中国 |
Rivian | 148 | 米国 |
VinFast | 140 | ベトナム |
NIO | 128 | 中国 |
(出所) companiesmarketcap.com 2024年1月21日現在
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今や中国のEV関連業界は高い生産能力や価格競争力に加え、技術面でも先進国に迫る水準へと成長しつつあります。そうしたメーカーは、巨大な国内市場のみならず、欧州諸国やアジア・オセアニアなどへの海外進出も活発化させており、今後ますます注目を集めるとみられます。
比較優位性
世界的なEV競争の中で中国は以下のような優位性があります:
政府支援
EV産業は、中国政府の厳しい規制を受けるインターネット企業や教育産業とは異なり、中国の重要育成産業です。政府のコミットメントに裏打ちされ、世界屈指の技術力と産業拠点を有する中国のEV業界の成長可能性は相対的に高く、かつ長期のものであると考えられます。
世界各国は伝統的なガソリン車からEVへシフトしています。中国では、2060年までにカーボン・ニュートラルの達成目標を打ち立てており、政府がEV産業を積極的に支援。国を挙げたEV優遇政策や産業育成の結果、EV関連の新興企業が数多く誕生しました。
★日興AMストレイツトレーディングMSCI中国電気自動車フューチャーモビリティETFの紹介動画は以下よりご覧ください。
インターネット企業上位30社
インターネットセクターの急速な発展により、投資家にとって個別銘柄の選択は難しくなっています。 今後の爆発的なインターネット成長株を見つけることは容易ではないため、中国や米国を含む世界の時価総額ランキングの上位 30 社のインターネット関連企業に投資し続けることが良い選択肢になる可能性があります。
インターネットサービスは必要不可欠
インターネット関連企業は現在社会においてますます不可欠な存在となっており、オンラインでのビジネス展開、デジタルサービスの提供、電子商取引の拡大など、その需要は着実に増加しています。インターネットは国境を越えて展開されるプラットフォームです。世界のインターネット企業への投資を通じて、地域的な制約を超えて世界市場でビジネス展開する企業に投資することが可能となります。上位30に入る銘柄は実証済の成功ビジネスモデルを有しています。
連動対象指数
ETFはiEdge-FactSetグローバルインターネット指数と同じ30銘柄に投資することで指数に連動します。連動対象指数はシンガポール証券取引所が算出主体であり、世界中のインターネット30社の企業の浮動株時価総額によって構成、ウェイト付けされます。(銘柄あたり10%の上限があります) 投資対象にはインターネットやインターネットサポートサービス、データ サービス、オンラインサービス、オンラインショップ、オンライン金融ソフトウェアおよびサービス、仮想現実およびエンジニアリング ソフトウェアの企業が含まれます。
★日興AM グローバルインターネットETFの紹介動画は以下よりご覧ください。
メタバース
メタバースは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、そしてインターネットの進化を基盤とした新しい三次元のコンピュータ生成環境概念です。従来のインターネットは主にウェブページやアプリケーションの利用に焦点を当てていましたが、メタバースでは現実世界に似た仮想空間で人々がデジタルアバターを通じて対話します。人々はデジタル空間で他の人々と出会い、交流し、協力することができ、さまざまな産業のビジネスモデルや経済に影響を与える可能性があります。メタバースは仮想空間内でのコミュニケーションや協働、ゲーム、エンターテイメント、ビジネス、教育など、さまざまな活動をサポートするインフラとして展開されています。
メタバースのエコシステム
当ETFはメタバースの発展に寄与する製品、サービス、技術若しくは技術的能力を提供する企業など、メタバースの幅広い分野に投資します。主として以下のメタバースの物理的なインフラの3つのカテゴリ(ハードウェア、コンピューティング、コネクティビティ)およびメタバースの仮想レイヤーの4つのカテゴリ(プラットフォーム、ツール、支払い、コンテンツ)に投資します。
アクティブETF
香港証券取引所に上場した最初のアクティブETFの1つです。急速に変化するメタバース環境に対応するため、経験豊富な運用チームによる厳格なアクティブ運用を行ないます。そのため、連動対象指数はございません。運用チームは日本や中国を含む世界のメタバースの開発に従事する企業にアクティブに投資します。
本コンテンツは日興アセットマネジメントアジアリミテッドによって作成されました。
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