2023年10月3日
先物・オプション取引の証拠金額は、日本証券クリアリング機構(JSCC)が算出する証拠金所要額を基準に設定されておりますが、JSCCでは、証拠金の急増・急減の抑制やリスク管理の高度化を通じお客様を守ることを強化すべく、2023年11月6日(月)に、現行の「SPAN方式」から新証拠金計算方式である「VaR方式*1」へ変更いたします。
*1.VaR方式は、過去5年(1250日)の大量のデータを用い想定損失を99%カバーできる水準を証拠金として計算する方式です。
新証拠金計算方法のVaR方式とは、Value at Risk方式の略であり、特定のポジションを一定期間保有すると仮定した場合において、将来の価格変動により一定の確率の範囲内で予想される損失をカバーする額(想定損失相当額)を計算する方法です。VaR証拠金※は、限月ごと、売り買いごとに計算(1円単位)、毎営業日見直しが行われ即日適用されるため、リスク管理の高度化が図られます。
表は横にスクロールします
変更点 | 現行 (SPAN方式) |
株価指数先物銘柄 (HS-VaR方式) |
商品先物銘柄 (AS-VaR方式) |
---|---|---|---|
①売りと買いの証拠金額の違い | 売りも買いも同額 | 売りと買いで異なる金額 | 売りも買いも同額 |
②限月ごとの証拠金の違い | どの限月も同じ | 限月ごとに異なる金額 | どの限月も同じ |
③証拠金の更新・公表頻度 | 毎週最終営業日18時ごろ | 毎営業日15時45分~16時ごろ | 毎週最終営業日17時ごろ |
④新証拠金の適用タイミング | 翌週の日中立会終了後より |
公表当日の日中立会終了後より適用
|
翌週の日中立会終了後より |
株価指数市場の取引所証拠金は毎営業日15:45~16:00に公表され、当日日中立会終了後の建玉に対して値洗い処理(追証判定)が実施されます。日中立会終了時点で維持率が100%を上回っていても、証拠金の見直しにより維持率が100%を下回り、証拠金不足となることもありますので、証拠金に余裕をもって取引することをお勧めします。
証拠金は原則毎営業日更新されるため、メールでの変更通知は行われません。取引画面でのお知らせや市況情報の証拠金情報でご確認ください。※追証発生時のメール・お知らせは従来通り値洗い処理(追証判定)後に行われます。
SPAN方式では限月間スプレッド割増や商品間スプレッド割引等により自身で証拠金所要額を計算できましたが、VaR方式では保有するポジション全体に対して取引所の定める方法により取引所証拠金額が計算されるためご自身で計算いただくことはできません。証拠金シミュレーション画面をご利用ください。
2023年11月から導入される先物・オプションの証拠金計算方法の見直し(VaR証拠金)についてポイントをわかりやすく解説しております。
資料
銘柄選択することで、限月別・買い売り別に証拠金が表示されます。
買い売り別に証拠金を表示します。
両建て証拠金とは、先物取引において、市場の動きに連動しないポジションでも、一定の証拠金を維持していただく金額のことです。その計算式は以下のとおりで、VaR証拠金制度に対応して一部変更になります。
銘柄ごとの両建て枚数(注1)×両建てにかかる限月の中で最も高い1枚あたりの取引所証拠金額(注2)×当社が定める証拠金掛目
上記金額は、両建てポジション時であっても、一定の証拠金所要額を維持していただくために考案した当社独自の計算式です。
(注1)銘柄ごとの両建て枚数は買建玉1枚、売建玉1枚をセットで両建て1枚とカウントし、日経平均株価指数先物取引1枚に対し、日経225ミニは1枚あたりを0.1枚換算、日経225マイクロは1枚あたりを0.01枚換算して、両建て枚数を少数第2位までカウントします。
(注2)両建てにかかる限月の中で最も高い1枚あたりの取引所証拠金額は、日経平均株価指数先物取引の場合は1、日経225ミニの場合は10、日経225マイクロの場合は100を1枚あたりの取引所証拠金に乗じて比較し、計算に用います。
先物・オプション取引のリスクと費用について