保証金余裕額とは、新規に建玉を建てるときに充当することができる保証金の余裕額です。
おおむね次の考え方に基づいて算出されます。
保証金余裕額は、受入保証金合計(代用有価証券を含む)から必要保証金合計を差し引いて算出されます。自動振替(米国株)の新規発注時の自動振替機能を利用している場合は、受入保証金合計に預り金(米ドル・円)の残高を加算して算出します。なお、受入保証金合計額が、30万円相当額(当社が指定する計算方法により算出)を下回っている場合は、保証金余裕額は算出されますが、新規建てはできません。
信用新規建余力(保証金余裕額÷50%)の範囲内で取引ができます。
増担保規制銘柄を新規建てする際は、次の点にご注意ください。
自動振替機能(米国株)を設定していただくと、以下の振替処理が自動的に行われます。
新規建て注文を発注するときに信用新規建余力が足りなければ、預り金(米ドル・円)を米国株式信用取引口座の保証金へ自動で振り替えます。また、マネーブリッジの自動入出金(スイープ)設定を有効にしている場合、楽天銀行の普通預金口座(利用可能額)の残高も自動振替の対象となります。
なお、注文を訂正するときや期間指定注文が翌営業日以降に繰越されるときに信用新規建余力が足りない場合においても同様に自動振替します。
入金期限までに追証が解消していなければ、預り金(米ドル・円)を米国株式信用取引口座の保証金へ自動で振り替えします。
また、すでにマネーブリッジをご利用のお客様が「投資あんしんサービス」をお申込みいただくと、楽天銀行の普通預金口座(利用可能額)の残高も自動振替の対象となります。
「新規発注時の自動振替」及び「未解消の追証に対する自動振替」は通貨毎(米ドル・円)に設定することができます。米ドル、円及びマネーブリッジの自動入出金(スイープ)設定を全て有効(未解消の追証に対する自動振替は「投資あんしんサービス」の設定を含む)にした場合は、以下の優先順位で自動振替が行われます。
①米ドル預り金 → ②円預り金 → ③楽天銀行の普通預金口座残高
保護預り口座で米国株式(現物)を買付した際に、受渡日に保護預り口座から代用有価証券として米国株式信用取引口座の保証金へ自動で振り替えます。
その他、以下の場合には、当社で自動的に振替処理を行います。
代用有価証券(米国株式)を売却した場合、受渡日に受渡代金全額を預り金(米ドル)から保証金(米ドル)に振り替えます(差し換え)。
ただし、お客様が特定口座(源泉徴収あり)をご選択されていて、かつ売却益が発生した場合は、売却益から源泉徴収税相当額を控除した金額を振り替えます。
信用建玉の決済益は、受渡日に受渡代金全額を預り金(米ドル)から保証金(米ドル)に振り替えます。同一の受渡日に決済益と決済損が発生した場合、決済益と決済損は相殺されません。決済損は受渡日に預り金(米ドル)から清算されますが、預り金が不足していた場合は不足金が発生する場合があります。
ただし、お客様が特定口座(源泉徴収あり)をご選択されていて、かつ決済益が発生した場合は、決済益から源泉徴収税相当額を控除した金額を預り金(米ドル)から保証金(米ドル)に振り替えます。
信用建玉の決済損は、受渡日前日までは受入保証金合計額に含めて計算され、受渡日に受入保証金合計額から預り金(米ドル)に振替えられた後に清算されます。この時に預り金が不足していた場合は不足金が発生する場合があります。
不足金が発生、又は発生が見込まれる場合、米国株式信用取引口座の保証金から預り金(米ドル)への振替可能額を上限額として、自動で振り替えします。なお、振替可能額が不足金額に満たない場合でも振替は行われます。振替処理は以下の時点で行われます。
①受渡日前営業日の15:30
②受渡日当日(不足金入金期限)の15:30
※自動実行されるため、お客様で設定の変更はできません。
※自動振替後に不足金が解消しない場合でも、振替可能額の振替は行われます。
また、信用建玉の決済により損失が発生し、受渡日の前営業日13:30の時点で、受渡日当日の預り金(米ドル)と米国株式信用取引の保証金現金(米ドル)の合計額が決済損金に満たなく、かつ、保証金現金(円)に残高がある場合は、同日の14:00に約定する定時為替取引で保証金現金(円)を保証金現金(米ドル)に交換します。
なお、充当される金額は、保証金現金から預り金への振替限度額が上限となります。
信用新規買建注文(成行)または信用新規売建注文(指値・成行)を行う際は、発注する時間帯によって以下の計算式で概算の約定代金を算出して、必要な保証金を拘束します。
また、8:00~23:15(サマータイム期間中は22:15)までに受注した注文については、23:15(サマータイム期間中は22:15)時点の気配値が注文時に参照した株価または気配値から5%以上上昇している場合、保証金の再計算を行います。その結果、外国株式信用取引口座における余力(保証金)が不足した場合、①に該当する全ての注文は取り消されます。
信用新規買建注文(指値)は以下の計算式で概算の約定代金を算出して、必要な保証金を拘束します。なお、23:15(サマータイム期間中は22:15)時点で保証金の再計算は行ないません。
米国株式信用取引口座をお持ちのお客様の現物買付可能額(現引余力)は、預り金(米ドル・円)、及び設定中の米ドルMMFの2営業日目以降の最小値となります。発注の際は、決済通貨(円または米ドル及び設定中の米ドルMMF)をご選択いただきます。
以下のご注文については、「期間指定」でご注文いただけません。
成行 | 指値 | ||
---|---|---|---|
現物 | 買 | 不可 | 可 |
売 | 可 | 可 | |
信用 | 新規買 | 不可 | 可 |
新規売 | 不可 | 不可 |
また、「期間指定」注文の繰越処理において、米国株式信用取引の委託保証金率が50%または最低委託保証金額(30万円相当額。当社が指定する計算方法により算出)を下回った場合、「新規建注文」の「期間指定」注文を取消させていただきます(自動振替(米国株)を設定されている場合、預り金(米ドル・円)から米国株式信用取引口座の保証金へ自動振替が行われます)。
委託保証金率が50%、ならびに最低委託保証金額(30万円相当額。当社が指定する計算方法により算出)を下回ると、新規に発注いただけません。
米国株式信用取引の弁済期限は原則として無期限ですが、コーポレートアクション等により信用期日が設定される場合があります。
信用期日のご連絡については、ログイン後の建玉一覧画面上に最終返済日(信用期日の前営業日)を表示するとともに、信用期日の30営業日前、7営業日前、2営業日前に電子メール、ログイン後の「お知らせ」画面にて通知します。
なお、コーポレートアクション(株式併合等)が急遽発生することがあり、その場合は上記のとおり通知されないことがあります。
分割比率に応じて建株数が増加し、建単価も調整されます。
銘柄Aは米国現地4月25日を権利付最終売買日(権利落日4月26日)として 1:2の分割を行いました。仮に、銘柄Aを分割前に100米ドルで1株建てている場合、 分割後の建玉数は、新株1株が増加し合計2株となります。
建単価は分割比率に応じて計算し、旧株・新株とも、100米ドル ÷ 2 = 50米ドルになります。
権利付最終日(4月25日)時点
建玉一覧 | 建玉数量 | 建単価 | 現地約定日 | 建日(国内約定日) | 信用期日 |
---|---|---|---|---|---|
A銘柄 | 1株 | 100米ドル | 4月1日 | 4月2日 | 無期限 |
権利落日(4月26日)の早朝システムメンテナンス以降
建玉一覧 | 建玉数量 | 建単価 | 建日(国内約定日) | 信用期日 | |
---|---|---|---|---|---|
旧株分 | A銘柄 | 1株 | 50米ドル | 4月2日 | 無期限 |
新株分 | A銘柄 | 1株 | 50米ドル | 4月27日 | 無期限 |
銘柄Bは米国現地4月25日を権利付最終売買日(権利落日4月26日)として1:3の分割を行いました。
仮に、銘柄Bを分割前に100米ドルで1株建てている場合、分割後の建玉数は、新株2株が増加し合計3株となります。
新株分の建単価は分割比率に応じて計算します(100米ドル÷3=33.333...より 33.33米ドルになります)。旧株分の建単価は、分割比率に応じた上記計算の端数分を考慮し、33.34米ドル(100米ドル -(33.33米ドル × 2) =33.34米ドル)となります。
権利付最終日(4月25日)時点
建玉一覧 | 建玉数量 | 建単価 | 現地約定日 | 建日(国内約定日) | 信用期日 |
---|---|---|---|---|---|
B銘柄 | 1株 | 100米ドル | 4月1日 | 4月2日 | 無期限 |
権利落日(4月26日)の早朝システムメンテナンス以降
建玉一覧 | 建玉数量 | 建単価 | 建日(国内約定日) | 信用期日 | |
---|---|---|---|---|---|
旧株分 | B銘柄 | 1株 | 33.34米ドル | 4月2日 | 無期限 |
新株分 | B銘柄 | 2株 | 33.33米ドル | 4月27日 | 無期限 |
銘柄Cは米国現地4月25日を権利付最終売買日(権利落日4月26日)として1:100の分割を行いました。仮に、銘柄Cを分割前に0.5米ドルで1株建てている場合、建株数は新株99株が増加し、合計100株となります。
建単価は分割比率に応じて計算すると、旧株・新株とも、(0.5米ドル÷100) =0.005米ドルと計算されますが、システム上0.01米ドル未満はお取扱できないため、0.01米ドルとします。
この状況では建玉の合計金額(建株数×建単価)が、分割前(1株×0.5米ドル=0.5米ドル)と分割後(0.01米ドル×100株=1.00米ドル)で相違してしまいます。
このため、建玉の合計金額の差額(1.00米ドル-0.5米ドル=0.5米ドル)は、権利落差金として預り金にて金銭決済(買建玉の場合はお客様のお受取り、売建玉の場合はお客様のお支払い)を行います。
権利付最終日(4月25日)時点
建玉一覧 | 建玉数量 | 建単価 | 現地約定日 | 建日(国内約定日) | 信用期日 |
---|---|---|---|---|---|
C銘柄 | 1株 | 0.5米ドル | 4月1日 | 4月2日 | 無期限 |
権利落日(4月26日)の早朝システムメンテナンス以降
建玉一覧 | 建玉数量 | 建単価 | 建日(国内約定日) | 信用期日 | |
---|---|---|---|---|---|
旧株分 | C銘柄 | 1株 | 0.01米ドル | 4月2日 | 無期限 |
新株分 | C銘柄 | 99株 | 0.01米ドル | 4月27日 | 無期限 |
預り金の授受
信用期日が繰り上げになり、権利付最終日(米国現地基準)が信用期日となります(お客様ご自身での決済は信用期日の前営業日の米国現地取引時間終了までとなります)。ご注意ください。
■代用有価証券のご注意
現物株式において、複数の異なる預り区分(保護預り口座・米国株式信用取引口座・NISA口座)で保有している銘柄が、分割比率が整数倍ではない株式分割等が行われた場合、以下の例のように預り区分ごとに発生した端株(1株未満の株)は、保護預り口座(一般口座)に入庫されます。
結果として、代用有価証券の1株未満の株数に相当する金額が保証金から減額となり、保証金率が低下することがありますのでご注意ください。
保有銘柄 | 保有口座 | 分割前の保有株数 | 分割後理論株数 | 分割後の保有株数 |
---|---|---|---|---|
D銘柄 | 信用口座(代用) | 7 | 10.5 | 10 |
D銘柄 | 保護預り口座(特定) | 5 | 7.5 | 7 |
D銘柄 | 保護預り口座(一般) | 0 | 0 | 1 |
委託保証金の差換えとは、委託保証金として差し入れられている金銭又は代用有価証券をそれに相当する額以上の金銭又は代用有価証券と同時に交換することを言います。
米国株式信用取引では主に代用に差し入れている有価証券を売却した場合に行われます(保証金を使用して代用有価証券の買付はできませんので、買付による差し換えは行われません)。
代用有価証券として差し入れられているA銘柄を外貨決済で売却し、受渡日において売却代金がA銘柄の評価額(差し換えを行う日(受渡日)の前営業日※の終値×70%)以上の場合には、A銘柄と売却代金との差換えが可能です。
円で差し入れた保証金は、当社が指定する為替レートで米ドルに換算した金額の95%の価額で評価されます。
リアルタイム為替取引で保証金(米ドル)を保証金(円)に交換した場合、受渡日に円(95%)で評価されます。リアルタイム為替取引が約定後、受渡日が到来するまでの間に信用建玉の評価損が拡大したり、代用有価証券の株価の値下がり等の事由により保証金率が50%未満に低下すると不足金が発生いたしますのでご注意ください。
なお、保証金を預り金に振り替えた後に、リアルタイム為替取引で円に交換した場合は、上記の事由による不足金は発生しません。
現引・現渡注文は、受渡日に建玉金額、必要保証金が減額され、信用新規建余力や保証金率が回復します。このため、受渡日までの間に株価変動等により保証金率が低下した場合、追加保証金が発生する可能性がありますのでご注意ください。
建玉金額 | 必要保証金 | 信用新規建余力 | 保証金率 | |
---|---|---|---|---|
現引・現渡 | 受渡日に減額 | 受渡日に減額 | 受渡日に回復 | 受渡日に回復 |
返済(売埋・買埋) | 約定時に減額 | 約定時に減額 | 約定時に回復 | 約定時に回復 |
200の建玉のうち100を現引すると、
200の建玉のうち100を現渡すると
現物取引または信用取引に関わらず、同一銘柄の買いと売りのご注文を同時に行う取引のことをクロス取引といいます。
楽天証券では、クロス取引となる注文が米国現地の法令諸規則・取引制度等に抵触することを防止する観点から、指値注文同士の高い「売り」注文と安い「買い」注文の場合に限りクロス取引を受注いたします。
なお、クロス取引を行うにあたっては以下の点にご注意ください。
クロス取引を行う場合、その取引状況(取引の回数や出来高など)によっては、他の投資者に現実の需給に基づいて取引が頻繁に行われていると誤解を生じさせるものとして、不公正取引と見なされるおそれがあります。また、株価を変動させるようなクロス取引は、株価操作に該当するものとして、不公正取引と見なされる場合があります。
なお、他の証券会社を併用したクロス取引に関しても同様に不公正取引と見なされる場合があります。
上記に限らず、市場の価格形成に影響を及ぼす可能性が高いと判断したお取引を行った場合、当社からお取引の目的などについて確認等をさせていただく場合があります。
米国株式信用取引は、信用取引(国内株)と異なり証券金融会社から株式の調達をすることができないことから、証券会社等から株式を調達しており、売建玉に充当する株式の数量には限りがあります。このため、当社保有残高の不足等の事由で米国株式信用取引の売建玉に信用期日を設定させていただいたり、新規の売建を停止する場合があります。
信用期日が設定されると、最終返済日(信用期日の前営業日※)までにお客様ご自身で建玉を返済していただく必要があります。最終返済日までに返済していただけなかった場合、信用期日に当社にて強制返済させていただきますので、ご注意ください。
コーポレートアクション(※)の種類によっては、権利落ち日の日本時間の夕方頃まで、保護預り口座と米国株式信用取引口座との間の振り替えを制限させていただくことがあります。なお、コーポレートアクションの種類によっては、制限期間が延びる場合があります。
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