相場が悪いときに積立を続けたほうが保有口数を増やせることはわかったけれど、保有している商品がマイナス(含み損)になると、やっぱり心配になっちゃう。
基準価額が下がったときに気をつけることはある?
- 基準価額が下がった時にあわてて全商品を売却してしまうのが新米投資家にありがちな行動だね。
今回は、基準価額が下がったときの心得を勉強しましょう。
まずは、自分の限界を設定しよう。
-
「基準価額が下がる」と一言でいっても、10,000円のファンドが9,900円になるのと、7,500円になるのでは、資産へのダメージが違うわよね。
-
9,900円なら基準価額の回復を待ってみようかなと思うけれど、7,500円まで下がっちゃうと困るな。
投資資金に対するリスクの許容度(リスクの限界)は人によって異なります。
全体の資産に占める投資資金の割合や、投資目的によって「基準価額の下落にともなう資産の目減りを挽回できる」期間が異なるためです。
-
例えば、お父さんとらく太郎にとっての投資資金300万円の重みを考えてみましょうね。
リスク許容度 10%
リスク許容度 33%
退職後は主な収入が年金中心になるので、資産は大きく減らせない。 例えば、海外旅行1回分の損失(約30万円)は受け入れられるとすると、投資300万円のうち30万円(10%)を最大リスクとして想定。
あと25~30年間は収入(給与)が見込めるので、ある程度リスクを取っても大丈夫。 例えば、年収の15%にあたる約100万円程度の損失なら25年間でリカバーできるとすると、投資300万円のうち100万円(33%)を最大リスクとして想定。
-
なるほど!自分の収入状況やその他の資産の状況も考慮に入れて自分にぴったりのリスクの限界を決めなければいけないのね。
基準価額が下がったときにどうしよう?
-
自分のリスクの限界を決めなければいけないのはわかったけれど、実際に基準価額が下がっちゃったらどうしたらいいの?
-
ここでもう一つのポイントが、基準価額が下がったときに取るべき行動をあらかじめ決めておくということ。その際に、「リスクの限界には達していないが、これ以上下落したらアクションをする」という「アクションライン」を決めておくのもいいわ。
「ココまで下がっても大丈夫」ラインに達することを防ぐためにとるべき行動は投資の考え方や、その他の資産の状況によって異なります。自分の目的や状況をよく考え、最適なアクションプランを立てましょう。
-
なるほど!リスクの限界とは別にもう一つ「自分の投資スタイルにあったアクションライン」が必要なのね。
もしアクションラインに達してしまったら、どんなことをすればいいの?
-
具体的なアクションについては、周囲の環境にもよるから、一概に「こうすべき」というものはないの。
ココでは、いくつかの例を教えるわ。
基準価額の下落が一時的なもので、積立てている銘柄の投資先に成長性がまだ見込めると判断する場合は、買い増しましょう。
第3回でも説明したように、投信積立で意識すべきことは「口数を増やす」ということ。一時的な基準価額の下落に左右されずに、口数を増やすことに専念しましょう。
投資環境が変化し、積立てている銘柄の今後の成長が見込みにくくなった場合、今の銘柄の積立設定を解除し、別の銘柄を積立し直すのも手です。リスクを今以上増やさず、今後、さらなる成長の見込める銘柄を探しましょう。少額から複数の銘柄にリスクを分散させられるのも、投信積立の魅力の一つです。
保有銘柄の今後の成長が見込めない場合、ある程度の損失は諦めて一部を売却し、売却資金で別銘柄を購入してリスクを避ける作戦もあります。
アクション1-3のどれを取るべきかは、あらかじめ決めておき、「アクションライン」を基準価額が下回ってしまった場合は、決めていたアクションどおりに対応しましょう。
重要なことは、多少の基準価額の変動に慌てず、冷静に行動することです。
取れるリスクの大きさは年齢や環境によって大きく変化するので、アクションプランは定期的に見直すとよいでしょう。
金の卵MEMO
自分の資産状況や投資目的に合わせた対応が重要です。
- ★3つのポイント
- リスク許容度を決めておく
- アクションラインに達したときにどう対応するかを決めておく。
- 慌てない