信用取引には現物取引と異なるルールがあります。
ここでは信用取引の基本ルールをおさえましょう。
現物取引では、取引の開始=「買い」、取引の手じまい=「売り」ですが、信用取引では、取引の開始を「新規建て」、取引の手仕舞いを「返済」といいます。
また、信用取引の手仕舞い方法には「現引」「現渡」という方法もあります。
信用取引での取引の開始を「新規建て(しんきだて)」といいます。
信用取引で「買い」から取引を始めることを「新規買建(しんきかいだて)」、「売り」から取引を始めることを「新規売建(しんきうりだて)」といいます。
信用取引での取引の手仕舞いを「返済(へんさい)」といいます。
「新規買建」した注文を手仕舞うことを「返済売り」または「売埋(うりうめ)」、「新規売建」した注文を手仕舞うことを「返済買い」または「買埋(かいうめ)」と言います。
信用取引の取引を手仕舞う方法には、「現引(げんびき)」と「現渡(げんわたし)」という方法もあります。
「現引」は、新規買建した建玉の返済方法で、信用取引で新規買建したときに証券会社から借りた資金を手持ちの現金で返済することで、買建した株式を現物株式として引き取ることができます。
信用取引で買建した株式を長期で保有したくなった場合にご活用ください。
「現渡」は、新規売建した建玉の返済方法で、信用取引で新規売建したときに証券会社から借りた株式を保有している現物株式を使って証券会社に返すことで、売建したときの代金をそのまま引き取ることができます。
信用取引では保有している株式のことを「建玉(たてぎょく)」といいます(ポジションともいいます)。信用取引では同じ銘柄を複数回注文(約定)した場合、それぞれの注文(約定)ごとに建玉として分かれます。取得単価(建て単価)もそれぞれの建玉ごとに分かれるため、返済する場合は返済したい建玉を指定して返済(損益の確定)することができます。
信用取引をするために信用取引口座に預け入れる資金のことを「委託保証金」といいます。これは、証券会社から借りる資金や株式の担保となります。
信用取引をおこなうには、最低限預け入れなければいけない金額(最低委託保証金)や、建玉を継続して保有するために、建玉に対して維持しなければいけない委託保証金の割合(最低委託保証金率)など、現物取引にはないルールがあります。
信用取引で取引(新規建て)をおこなうには、信用取引口座に最低限預け入れなければいけない委託保証金の金額が決められています。それを「最低委託保証金」といいます。
米国株式信用取引の最低委託保証金は「30万円相当額の米ドル」と定められています。
国内株式の信用取引では「30万円」ですが、米国株式信用取引では為替レートの変動の影響があるため「30万円相当額」となっています。
当社では、「315,000円÷当日の為替レート(7時頃に決定)」で算出した金額(米ドル)が、その日の最低委託保証金となります。
委託保証金率とは、信用取引で注文したい金額(約定金額)に対して、差し入れなければいけない委託保証金の割合のことです。
米国株式信用取引の委託保証金率は50%となっています。
逆に言うと、米国株式信用取引の場合、差し入れている委託保証金の最大2倍まで取引することが可能です。
米国株式信用取引で新規建てをおこなうには、上記に記載の「最低委託保証金」と「委託保証金率」の両方の条件を満たしている必要があります。
最低差し入れなければいけない「最低委託保証金」が足りていなかったり、「委託保証金率」を上回るような場合には、新規建てすることができません。
【新規建てができる】
【新規建てができない】
最低委託保証金率とは、建玉を継続して保有し続けるために、最低限維持しなければいけない建玉に対する委託保証金の割合です。
米国株式信用取引の最低委託保証金率は30%となっています。
建玉の評価損の拡大などで委託保証金の割合が建玉に対して30%を割った場合、追加保証金(追証)を差し入れていただく必要があります。(追加保証金(追証)については、次の項目で説明します)
追加保証金(追証)の差し入れ期限までに追証が解消されなかった場合、お客様がその時点で保有しているすべての信用建玉を当社が反対売買いたします。
追加保証金(追証)(ついかほしょうきん(おいしょう))とは、保有している建玉の評価損の拡大等により建玉に対する委託保証金の割合が最低委託保証金率(米国株式信用取引の場合30%)を割り込んだ場合に、最低委託保証金率を回復するように追加で信用取引口座に預け入れていただかなければいけない金額です。
米国株式信用取引では、米国現地取引終了後の日本時間7時頃の建玉と委託保証金で追証となるか判定されます。その時点で最低委託保証金率を割り込んでいた場合、追証となります。
追証が発生した場合、追証発生日の翌々営業日12:00(正午)までに追証を解消していただく必要があります。
一度追証が発生した場合、翌日以降に建玉の株価の上昇などで最低委託保証金率を上回った(回復した)としても、それでは解消とはならず、追証として通知した金額を信用口座に入れていただく必要があります。
米国株式の取引には1日の中の値幅制限(国内株式の「ストップ高・ストップ安」)がなく、1日の中で株価が大きく上昇・下落する場合があります。
そのため、楽天証券の米国株式信用取引では、お客様のご資産を守るために米国市場取引時間中に定期的に実施する判定時点において、委託保証金率が10%を割り込んでいた場合、当社にて反対売買を執行する「ロスカット」を設けさせていただいています。
信用取引では、現物取引と同じように注文する際のコスト「取引手数料」のほかに、建玉を保有している間、「金利」または「貸株料」がかかります。
「金利」は買い建玉に対してかかります。
買建する場合は、証券会社から投資に使う資金を借りて注文をします。その借りた資金に対して金利がかかります。
「貸株料」は売り建玉に対してかかります。
売建する場合は、証券会社から株を借りてきてその株を売るところから取引を始めます。「貸株料」は、その株を借りるためのレンタル料のようなものです。
はじめての信用取引
外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
米国株式信用取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。米国株式信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。また、米国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、米国株式信用取引による損益は外貨で発生します。そのため、お客様の指示により外貨を円貨に交換する際の為替相場の状況によって為替差損が生じるおそれがあります。
〔現物取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
米国株式 約定代金の0.495%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:22米ドル(税込)
中国株式 約定代金の0.275%(税込)・最低手数料:550円(税込)・上限手数料:5,500円(税込)
アセアン株式 約定代金の1.10%(税込)・最低手数料:550円(税込)・手数料上限なし
※当社が別途指定する銘柄の買付手数料は無料です。
※米国株式の売却時は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
※中国株式・アセアン株式につきましては、カスタマーサービスセンターのオペレーター取次ぎの場合、通常の取引手数料に2,200円(税込)が追加されます。
〔米国株式信用取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
約定代金の0.33%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:16.5米ドル(税込)
※当社が別途指定する銘柄の新規買建または買返済時の取引手数料は無料です。
※売却時(信用取引の場合、新規売建/売返済時)は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
米国株大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。米国株大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔米国株式信用取引(米国株大口優遇)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0米ドルです。