「仕組債」とは、文字通り、一般的な債券(プレン債)にはない特別な「仕組み」をもつ債券です。この「仕組み」とは、スワップ(※1)やオプションなどのデリバティブ(金融派生商品)のことをさします。つまり「一般的な債券」に「デリバティブ」を組み込んだ債券を「仕組債」ということになります。
デリバティブを利用することにより、投資家や発行者のニーズに合うリターンを生み出すことができます。つまり「仕組み」により、満期やクーポン(利子)、償還金などを、投資家や発行者のニーズに合わせてさまざまな形態に設定することができるのです。通常、ほとんどの仕組債には、オプション取引が組み込まれています。オプションの売り手になると、その価値の分だけの代金を受け取ることができます。それを金利に上乗せすることにより、高めの金利を設定することができるのです。
仕組債は「EB債(イービー債)」、「株価指数連動(リンク)債」の2種類の発行が多くなっています。通常の債券と異なり、EB債・株価指数連動(リンク)債は参照銘柄(株式や各種指数)の値動きによって、商品の条件が変動する代わりに、通常の債券よりも好利回りで運用することができます。
あらかじめ定められた判定日における参照銘柄の価格が一定の範囲内で推移すれば、通常の債券と同じような運用となります。
一方、判定日に、参照銘柄の価格が決められた水準(ノックアウト判定水準、早期償還判定水準)を上回れば、償還日より前に償還(ノックアウト、早期償還)されます。また、参照銘柄の価格が決められた水準(ノックイン判定水準)以下となれば、償還時に元本割れとなってしまうリスクもあります。
③のパターンで償還すると、対象株式と現金調整額で償還します。
①、②、③いずれのパターンで償還しても、現金で償還します。
以上のように、仕組債はそれぞれ利金の支払い方法、ならびに償還方法などの条件を色々な形で設定することができる反面、仕組も複雑です。
仕組債に投資される場合は、目論見書や契約締結前交付書面などをよく読んで、内容を十分に理解したうえで投資することが重要です。
参考:日本証券業協会
外国債券のリスクと費用について