(1) バリュー・アット・リスクの見方

「総合-ポートフォリオ」 では、『再計算』ボタンの押下により、設定されたポートフォリオ(画面上段)及び現在保有している個別銘柄(画面下段)の"VaR"が出力されます。尚、出力結果は絶対的なものではなく、あくまでも一つの指標ですので、参考程度にお使い下さいますようお願いいたします。

1. VaRについて

"VaR"は、ひとことで表現すると 「ある一定の確率で起こりうる将来の損失額の最大値」 であり、より厳密に定義すると 「将来の特定の期間内(保有期間)に、ある一定の確率の範囲内(信頼水準)で、ポートフォリオの現在価値がどの程度まで損失を被るか(損失値の最大値)を、過去のある一定期間(観測期間)のデータをもとに理論的に算出された値」 となります。

VaR計測の概念図

すなわち、"VaR"は「ある一定の確率で起こりうる損失額の最大値」といえます。例えば、「精度99%の1日VaRが1,000円」 ということは、「1日後のポートフォリオの変化額が、-1,000円を下回る確率は1%である」 ということを意味します。このように、「将来のある期間(1日)」と「最悪の場合が起こる確率(99%)」を与え、計算結果として損失の規模を具体的な数値として得ることができます。

2. VaRとポートフォリオ理論の相違点

本来、ポートフォリオ理論とVaRは概念的に全く別のものです。しかし、VaRの計算方法の1つである『デルタ法』が、ポートフォリオ理論の計算過程と同様の手続きを踏むため、しばしば近い概念として認識されております。ポートフォリオ理論は、リターン一定のもとでのリスク最小化問題として定義され、その最終的なアウトプットは"最適ポートフォリオ"すなわち"資産(投資)比率"であり、これは現時点での投資家の意志決定もしくは投資戦略そのものといえます。これに対して、VaRのアウトプットは"ポートフォリオのリスク量"であり、投資家の意志決定というより、現状分析といえます。

3. VaRの計算

MarketSpeedにおける"VaR"の算出は『デルタ法』とよばれる方法で計算いたします。各銘柄の過去データを利用し、統計的性質を明らかにして"VaR"を計算いたします。具体的には、各銘柄の変動の程度と相関の程度が計算の入力になり、「確率」を何%にするのか、そして保有期間を何日にするのかを特定し算出いたします。尚、MarketSpeedでは、99%の精度(信頼水準),観測期間80日,保有期間1日にてVaR計算を行います。

デルタ法の計算ステップ

操作説明編

活用編

フル板編

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