(16) ポイント・アンド・フィギュア
ポイント・アンド・フィギュア(P&F)は、縦軸には株価をとり、横軸には時間の概念が入らない不規則時系列チャートです。そのため一定の価格変化がなければ、チャートには何も記入しません。欧米で常用されている人気の高いチャートです。
P&Fの見方
1. チャート・パターンによる売買信号
ダブル・トップ型と同型ですが、〇印の位置が切り上がっていくのが特徴です。
ダブル・ボトム型と同型ですが、×印の位置が切りさがっていくのが特徴です。
この型は信頼度が高いとされます。[3]強気([4]弱気)信号型と、[9]トリプル・トップ([10]ボトム)型で合成された最強(最弱)パターンです。
この型で重要なのは〇印の動きではなく、×印の動きです。前の×印二つを三つ目で上抜くことは難しいためです。
この型で重要なのは×印の動きではなく、〇印の動きです。前の〇印二つを三つ目で下抜くことは難しいためです。
三つ目ではなく、四つ目や五つ目で抜けていく型です。
列数は、六列以上でしたら何列でもかまいません。この型が確定するまでに途中に何度か売り買いの信号が発信されることがあります。
この型も変形トリプル・トップ(ボトム)型の一種です。
2. トレンド・ラインの引線による中・長期傾向の把握(トレンド分析)
コーエンの『チャート・クラフト方式』
特徴⇒45度線を用いる
- a強気支持線⇒最安値より右斜め下45度に引く。この線を割り込まない(下に抜けない)限り、強気トレンドががサポートされる。
- b弱気抵抗線⇒最高値より右斜め上45度に引く。この線を上に抜けない限り、弱気トレンドが維持される。
- c強気抵抗線(補助線)⇒(a)に平行する右上がり45度線。この線が当面の上値目標となりうる。
- d弱気支持線(補助線)⇒(b)に平行する右下がり45度線。この線が当面の下値目標となりうる。
ただし、(c)、(d)ともブレイクされた後もトレンドが継続するようならば、別の補助線を新たに引く。
シュリッカーの『ホッペンシュテット方式』
特徴⇒高値と高値、安値と安値を結ぶ
長期
- aメイン・トレンド・ライン⇒上昇トレンド時は安値と安値、下降トレンド時は高値と高値を結ぶ。
- bサブ・トレンド・ライン⇒メイン・トレンド・ラインに平行する線。上昇トレンド時では上値目標となり、下降トレンド時では下値目標となる。
中期
- cインターナル・トレンド・ライン⇒(a)と(b)により引かれたチャネル・ラインの幅が広い時に引く線。
短期
- dインターミディエイト・トレンド・ライン⇒メイン・トレンド・ラインはブレイクしていないが、インターナル・トレンド・ラインがブレイクされた時に引く線。
- eアクセレイテッド・トレンド・ライン⇒メイン・トレンド・ラインの方向と同じであるが、角度がより急な場合に引く線。
3. カウンティングによる目標値の算出(カウンティング分析)
- a水平計算⇒保ち合い放れに要した列数と、1ポイントの価格と、3枠転換の3を乗じた結果を最安値にプラスもしくは最高値からマイナスする。
∴(8列*200円*3)+10200=15000
↑保ち合い期間の最安値∴15600-(8列*200円*3)=10800
↑保ち合い期間の最高値
ポイントのサイズ
前日終値 | 1ポイントの価格 |
---|---|
~100 | 2.5円 |
100~200 | 5円 |
200~1,000 | 10円 |
1,000~5,000 | 20円 |
5,000~10,000 | 100円 |
10,000~50,000 | 200円 |
50,000~100,000 | 1000円 |
100,000~500,000 | 2000円 |
500,000~1,000,000 | 10000円 |
1,000,000~5,000,000 | 20000円 |
5,000,000~ | 100000円 |
- b垂直計算⇒保ち合い放れからの最初の列の枠の数を数え、3枠転換の3を乗じた結果を最安値にプラスもしくは最高値からマイナスする。
∴(15枠*100円*3)+6800=11300
↑保ち合い期間の最安値
ポイントのサイズ
前日終値 | 1ポイントの価格 |
---|---|
~100 | 2.5円 |
100~200 | 5円 |
200~1,000 | 10円 |
1,000~5,000 | 20円 |
5,000~10,000 | 100円 |
10,000~50,000 | 200円 |
50,000~100,000 | 1000円 |
100,000~500,000 | 2000円 |
500,000~1,000,000 | 10000円 |
1,000,000~5,000,000 | 20000円 |
5,000,000~ | 100000円 |
価格等の最終判断はこれら3つを総合して行います。
P&Fの作図法
作図のルールは以下の通りです。
- 1ひとつひとつの×印および○印は、価格の一単位(=ポイント)を意味します。
- 2価格は終値(大引値)を採用します。
- 3上昇すれば×印を、下落すれば○印を記入します。
- 4それぞれの列(コラム)は、上昇か下降かの一方のみを示し、×印と○印は同じ列には記入しません。
- 5価格が方向転換した時は、右に一列移動して記入します。そのため×印と○印は一列おきに現われます。
- 6×印と○印は一列に必ず三つ以上記入します。つまり価格の方向転換には、価格水準に応じた三枠以上の価格変動が必要です。これを三枠転換(スリー・ポイント・リバーサル)と言います。ルールにより、上昇相場、下降相場とも列を変えて×印または○印を記入する時は、一枠あけてから書き込みます。このため、結局は四枠以上の価格変化が列を変えるためには必要となります。ただし、同じ方向に動いている間は上昇、下降とも一枠でも記入します。
- 7上昇時でも、下降時でも1ポイントに満たない端数は切り捨てます。
- 8株式分割等の権利落ちがあった場合は、ロウソク足ではマド(空間)が空きますが、マーケットスピードのP&Fではそのまま引き継いで記入します。