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質問箱の回答オープン!/「投資=損をする」の発想の理由

2022年6月15日配信

積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。
楽天証券の山口です。

毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
相変わらず相場変動の大きい日々が続いていますが、本メールで少しでも元気になっていただければ幸いです。
今週より、メール後半に先週のメールで募集した「投資信託の質問箱」へのご回答を掲載しております。
是非、最後までお付き合いください!

さて、前回のメールでは「相場変動時に感情的に行動してしまうのは、人間の本能であり万国共通である」ということをお伝えしました。相場が大きく動き怖くなってしまったりしても、決してそれは「自分が投資に向いていないから」ではない、というお話でした。

とはいえ、相場変動時にどっしりと構えるには、ある程度「投資への慣れ」というものも関係しているかもしれません。
楽天証券は、皆様のおかげで口座開設数が700万件を突破しましたが、それでもまだまだ日本全体の人口に比べれば少数派。
少数派だと、相場変動時には「本当にやってよかったのか?」「やらない人の方が正解だった…?」という気持ちが余計に募ってしまいますよね。

では、なぜ日本では投資経験がなかなか広がっていかないのでしょうか?
最近でこそ、若い方が積立投資を始めるケースが増えていますが、少し前までは、投資といえば「時間やお金に余裕のある比較的高齢の方がまとまった資金を投資する」というのが主流でした。
また以前は、今のように簡単に外国の株式市場にアクセスできるような仕組みも無かったため、当時の多くの方にとっては、投資といえば日本株式への投資でした。(これだけ低コストで世界に投資できるのは、大変便利な時代なのです…!)
しかし、ご存じの方も多いと思いますが、日本の株式市場(日経平均株価)はバブルがはじけて以降、1989年につけた最高値を30年以上更新していません。
つまり、33年前に日経平均に投資を行った方は、今でも損失が回復していないことになります。

また、2008年9月にはリーマンショックがありましたが、ちょうどその頃は団塊の世代の方々の退職時期あたり。
退職金を少しでも増やそうと投資に回した結果、その直後にリーマンショックで資産が半分になってしまった…そんな経験をされた方も少なくなかったと思います。
つまり、日本では、これまで投資において大変なご苦労をされた方が多く、成功体験を持っている人が少ないと考えられます。
このような歴史的経緯を考えると、「投資=ギャンブル」「投資=損をするもの」というイメージが根付き、投資が広まってこなかったのも無理はないのかもしれません。

しかし、このような教訓から、まさに今、「長期・分散・積立」がセオリーとして語られているともいえます。

  1. 長期:相場変動があっても頑張って耐え、長期での成長を狙うこと。
  2. 分散:日本など一国に集中せず、世界の成長に投資を行うこと。
  3. 積立:一挙に投資して高値掴みせず、タイミングを分散すること。

先人の方々の失敗を無駄にせず、是非「長期・分散・積立」を継続して、しっかりと投資の成功体験を作っていきましょう!
次回は、日本人とは真逆ともいえる「投資しないのはもったいない」といった感覚を持つ、米国での投資の実態についてお話しいたします。

投資信託の質問箱

皆様、先週のメールではたくさんのご質問をお寄せいただき誠にありがとうございました!
全てにお答えすることが出来ず大変恐縮ではございますが、今週はまず一つご質問をご紹介いたします。

ご質問

「損益が20%以上プラスになっている投資信託の一部を売却して利益確定し、その利益を新たに再投資したほうがよいのか、それともこのまま置いておくのがよいか悩んでいます。」

ご回答

含み益が膨らんでくると、「何かした方がいいのだろうか!?」と心配になってしまいますよね。
このご質問に対し、3点ポイントをお伝えします。

  1. まず、基本的に同じ投資対象で同じ期間投資を行うなら、100万円で投資を続けるのも、80万円+20万円で投資を続けるのも、成果は全く同じです。
    ただ、売却時には税金がかかりますから、税金が引かれた金額を再投資すると当然元手が減りますので、複利効果が薄れ、成果も落ちてしまいます。
    (NISAで保有されている場合は売却時の税金はかかりませんが、それでも非課税枠を無駄にしてしまうことになります。)
  2. 一方で、税金がかかっても良いので、一度売却してから値下がりを待って再投資しよう、という考えもあると思います。
    日々値動きを見ていると、どうしても「あの時売っていれば!」「ここで買えていれば!」と思ってしまいますよね。
    しかし、以前このニュースレターでもお伝えしたように、そのような感情に基づく行動が投資家のリターンを下げる要因になっていると考えられています。
    私の経験上でも、下がった時に「ここが底値なのか分からない」とタイミングをうかがってしまい、そこから上がってしまうと「あの時買っておけばよかった。もうこの水準では買えない」と、結局リターンを取り損なってしまうお客様は大変多いです。
    もし当面現金化の必要が無く、長期投資を継続される意向であれば、そのまま保有いただいて問題無いかと思いますよ。
  3. ただし、そのまま長期で持ち続けてよいかは、商品やお客様の状況にもよります!
    投資信託にも大変多くの種類があり、皆様が多くお持ちの米国株や全世界株系は基本的に長期リターン狙いでよいのですが、中には長く持っても報われない商品も。
    例えば、変動の大きな新興国一国への投資や、株式以外のちょっと変わった資産などで、一時的に高騰しているようなケースでは、売り抜けておいた方がいい場合もあります。
    また、近々必要になるご資金であったり、ご年齢的にもうそこまで大きく増やさなくても良い、といった場合には、株式ファンドなどの大きな値動きは避けておいた方がよいでしょう。
    その場合は安定的な値動きの商品に切り替え、リスクを抑えておくこともおすすめです。

お役に立てましたでしょうか?引き続き、皆様からのご質問をお待ちしております!

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