新春講演会2025

どうする出口戦略?変動が激しくなる積立後期

2022年8月10日配信

積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。
楽天証券の山口です。

毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。

今週も引き続き、「2002年5月末から2022年5月末まで、毎月33,000円を米国株式で積み立てていた場合、どのような値動きをたどってきたか?」についてご紹介していきます。
先週まで3週間をかけて、2002年5月末から2018年1月末までの16年間を振り返ってきました。
改めて、ここまでのハイライトを見てみましょう。

【2002年5月末から毎月33,000円を米国株式ファンドで積み立てていると?】
■2009年2月末の資産額:約174万円
(この時点での元本合計:約270万円)
⇒積立開始から7年で約100万円の含み損!
■2010年3月末の資産額:約326万円
(この時点での元本合計:約314万円)
⇒2009年2月末の底値から、約1年で再び含み益に!
■2018年1月末の資産額:約1,313万円
(この時点での元本合計:約624万円)
⇒含み益689万円!!

2008年~2009年にかけては、リーマンショックの影響で高値から40%程度の非常に大きな下落を経験しましたが、下落時にも積立を続けていた効果により、そのすぐ1年後には元本を回復しました。
そして、そこからは世界景気の回復とともに資産は大きく伸び、2018年1月末時点では、資産は1,313万円、含み益は689万円となりました。
16年も続けていると、いい時も悪い時も、どちらも経験するものだ、ということがお分かりになるかと思います。

今回は、この続きを見ていきましょう。
2018年以降、相場は変調を迎えていきますので、このあたりの値動きを見ていきながら、今回からは出口戦略の必要性について考えていきたいと思います。

【2002年5月末から毎月33,000円を米国株式ファンドで積み立てていると?】
※(カッコ)内はその時点の元本合計
■2018年9月末:約1,383万円(650万円)
■2018年12月末:約1,199万円(660万円)
⇒直近の高値から約180万円の下落!
■2019年12月末:約1,589万円(700万円)
⇒2018年12月末から1年で390万円増加!
■2020年3月末:約1,280万円(710万円)
⇒再び高値から300万円の下落!

2018年あたりは、2010年~2017年あたりのように、ぐんぐんと資産が成長していく環境とは少し変わり、やや変調が多くなってきた年でした。
また、皆さんも記憶に新しいかと思いますが、2020年3月には世界的なコロナウイルス蔓延により、「コロナショック」ともいえる世界同時株安が発生しました。
上記のように、積立期間が長くなり、資産額が大きくなってきた段階ですと、何か相場変動があったときには動く金額も相当大きくなってきます。積立の初期であれば、同じ下落があっても、資産額が小さいため、変動する金額もそこまで大きくはならないのですが、上記を見てもお分かりの通り、短期間で300万円程度は簡単に資産が減ってしまうことがあるのです。

さらに、今回のシミュレーションでは、たまたま2008年のリーマンショックは積立初期に発生したため、40%の下落があったとしても資産が減るのは100万円程度でしたが(それでもかなり大きな数字ではありますが)、これが積立の後期になり、資産が2000万円ぐらい出来上がった状況であったらどうだったでしょうか。
2000万円の40%、つまり800万円もの資産が減っていたことになります。
これから頑張って増やしてきた資産を使おうとしていた矢先に、自分の資産が数百万円も減ってしまったら、心理的にも大変なショックを受けていたことでしょう。
このようなことを防ぐために、使う時期が近付いてきたら、商品を変更し値動きを安定させていくことも考える必要があります。

ただ、このシミュレーションにはまだ続きがあります。
皆さんは覚えていますでしょうか?
このシミュレーションは、20年間の積立で2000万円が貯められることを示すものでした。
2022年5月末には、結果的に資産は2,134万円になっていたのです。2020年3月末時点では、資産はまだ1,280万円ですから、これからあと2年少しで、まだ1,000万円弱も資産を伸ばせることになります。

これを考えると、出口戦略をとるべきなのか?積極的に積立を続けるべきなのか?この判断は大変難しく、最適解といえるような答えのない問いでもあります。
ただ、やはり過去の事例を見ることが、今後の判断の参考になるでしょう。
次回は、本日の続きから、いよいよ2022年5月末の最後まで、このシミュレーションを見ていきたいと思います。
次回もお楽しみにお待ちください!

投資信託の質問箱

ご質問

「あまり考えずに10本の投資信託商品を積み立ててしまいました。投資対象も同じ地域のインデックス株式という同じような商品なのですが、他のサイトを見ると本数は少ない方がいいと記載があるため、不安になっています。本当に数を減らした方がいいのでしょうか。」

ご回答

確かに、同じ地域の株式インデックスですと、分散という観点ではあまりメリットは無いのですが、本数が多ければ何か不利益が発生する、ということもないので、「とにかく本数は少ない方がいい」ということは特に無いですよ。
ただ、同じ地域を投資対象にした株式インデックスでも、コストが大きく異なる場合がありますので、同じタイプの商品同士(例えば「米国株式インデックス」同士、「世界株式インデックス」同士など)で信託報酬は比較しておいた方が良いかと思います。もし、その中であまりにもコストが高い商品などがあれば、今後の積立設定についてはコストの低いものに一本化するというのも手かと思います!

一方で、よく「商品が多いと管理が大変になる」といった言説を見ることがありますが、私はあえて商品を分けることで、資金を管理することもできると考えています。
というのも、投資信託の場合、同じ商品で積立すると、残高が全て合算されてしまうため、資金の色分けをすることができません。例えば、3万円分の積立は将来のために20年間続け、2万円分の積立は10年後に使うかもしれない、と考えていたとしても、同じ商品で5万円を積み立てていくと、その残高を色分けすることができないのです。

一方で、同じ株式インデックスの中でも商品を分けておけば、商品別に残高を分けて管理することができます。
「この商品は老後のためにずっと続けておく」「この商品は何かあった時に下ろしてもいい」など、目的別に管理することも可能となります。
少し上級者向けの考え方にはなりますが、せっかく沢山の商品で積立をしていらっしゃるので、こんな使い方もできる、ということが参考になれば幸いです!

お役に立てましたでしょうか?引き続き、皆様からのご質問をお待ちしております!

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