2022年10月5日配信
積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。
楽天証券の山口です。
毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。
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積立を始めたはいいものの、終わり方が分からない…
色々見たけれど具体的な出口戦略が分からない…
そんな方のために、ここまで具体的な出口戦略の選択肢についてお伝えしてきました。
積立を続けて資産が増えてきたものの、ここからどうしたらいい?とお悩みの方も、是非参考にしてみてくださいね。
さて、先週までは出口戦略(1)、(2)についてお伝えしてまいりました。
【4つの出口戦略】
出口戦略(1)については、全部売却後のリスクはゼロとなるため、その後リスクを一切取れない場合に適した方法となります。
そのため、長く続く老後のための出口戦略にはあまり適しておらず、2~3年などの短期で必要となる資金の出口戦略に適している、というお話しをさせていただきました。
出口戦略(2)については、メリットは株式のみの投資に比べてリスクを大幅に抑えることができる、という点でした。
老後はリスクを抑え、資産の動きを安定させたいという方に適しています。
一方で、デメリットとしては、当然ながら株式ファンドなどに比べてリターンが低い分、取り崩し期には資産が減るスピードが速くなってしまうという点です。
3%程度の安定運用のリターンでは、資産の取り崩し分をカバーできない可能性があるため、より資産の減るスピードを緩めていきたい、という方には、3点の方法(運用のリターンを高める、運用に回す金額を増やす、毎月の取り崩し金額を減らす)が取れるということをお伝えしました。
さて、本日は出口戦略(3)「運用資金と使う資金を分け、使う資金の方から取り崩す」についてお伝えいたします。
これまで、株式ファンドなどで資産形成を続けてきた方などは、この方法が適しているかもしれません。
積立などで資産形成を続けてきた場合、老後を迎えた時点では、運用資産が大きく膨らんでいるケースがあります。
例えば、株式ファンドが2,400万円、預金が600万円程度になっているとしましょう。
この場合、全体の資産3,000万円に対して、株式比率が80%、預金が20%という比率になっていることになります。
この状態のまま運用を続けても良いのですが、かなり株式比率が高いため、大きな下落があった際には資産全体が大きなダメージを受けてしまうことになります。
もちろん預金の600万円の部分はダメージを受けませんが、下落が続いている間はこの預金の部分から色々と取り崩しを行う必要があるため、この金額で当面の生活費の取り崩しや諸々の出費が賄えるか、やや不安な金額かと思います。
このため、老後を迎えたら株式比率と預金比率の「リバランスを行う」、という考え方が必要になってくるでしょう。
これまでは、積立を続けていても、定期的な収入があったため、そこまで預金とのバランスを考える必要はありませんでした。
しかし、老後は、大きな出費や下落があった際に新たな収入でカバーすることができないため、ある程度預金の比率を高めることで、運用で増やしていく部分と、使う部分をしっかり分けておく、ということが必要になってきます。
例えば、株式80%・預金20%であったものを、株式50%、預金50%にする(つまり、先ほどの例ですと株式ファンドを900万円売却する)にするといった考え方です。
まだそこまで現金が必要でないという場合は、株式70%・預金30%程度でもよいかもしれません。
預金比率については、今後5~6年間でどの程度現金があると安心か、という観点で考えていただけると良いかと思います。
この方法は、運用資産と預金の比率でリスクを調整するという考え方ですので、運用資産の部分は、これまで運用を続けてきた株式ファンド等をそのまま持ち続けていただければ大丈夫です。
運用資産の部分を安定運用に切り替える等も検討できますが、こちらの方法の方が、ファンドを選ぶ手間やファンドを乗り換える心理的ハードルも少なく、実行しやすい方法といえます。
また、運用資産の部分は今後も運用を継続することでリターンを生み出すことができますので、預金部分からは資金を取り崩しつつ、運用部分は老後もしっかり増やしていくことができます。
攻めと守りのバランスを取りたい方には、実践しやすい方法ではないかと思います!
それでは、来週は出口戦略の最後となる「(4)積極的な運用を続けながら取り崩す」について解説いたします!
投資信託のリスクと費用について