新春講演会2025

出口戦略最終回!具体的な実践方法もご紹介

2022年11月9日配信

積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。
楽天証券の山口です。

毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。

取り崩し期の注意点・失敗しにくい秘訣を解説!

さて、先々週より、「実際に運用しながら取り崩しを続けていたら、最終的にどうなったのか?」について検証するため、実際に1992年~2022年の過去30年間、米国株式で運用しながら取り崩していた場合のシミュレーションをお届けしております。
先週は、過去30年間の中でも、特に相場の下落局面では資産がどの程度値下がりしていたのか?についてお伝えいたしました。
やはり、30年間も運用を続けていると色々なことがあるもので、2000年~2001年のITバブル崩壊や、2008年のリーマンショックの頃には、資産が半分以下になってしまうという局面がありました。

このように、取り崩し期にも積極的な運用を続けていた場合、やはり資産の下落を免れることはできません。
もちろん、これまでお伝えしてきたシミュレーション結果の通り、途中の下落を気にせず30年など長期にわたり運用を続けていれば、結果的には預金だけで取り崩すよりも大きなリターンを得られていました。
しかし、続けられず、途中で辞めてしまった場合は、結局自分の使った分以上に損失を出してしまい、その後の生活も不安定なものになってしまいます。

そこで今回は、取り崩し期における注意点や、失敗しにくい秘訣についてお伝えしていまいります!

取り崩しの場合、「下落はチャンス」にならない

まず、運用を続ける以上は下落を避けることはできません。
しかし、積立の場合は「下がった時は安く買うチャンス!」とよく言われる通り、下落をチャンスに変えることができます。(先日、「下がれば下がるほど喜んでしまいます」というコメントをくださったお客様もいらっしゃいました!)
この積立の仕組みは、自分の資産がマイナスになっている時でも「今は安く買えているから将来のためになっている!」と言い聞かせることができ、大いに心の支えとなるものでしょう。

一方で、取り崩しの場合は、下落をチャンスに変えることができません。
積立のように下がったところで買いを入れることはなく、反対に下がったところで売りを入れることになるためです。
下がったところで売ってしまうと、その分元手が減っているわけですから、その後相場が反発したとしても、得られるリターンは減ってしまいます。
また、大きなマイナスが出ている資産の中から取り崩しを続けていると、さらに資産は減っていき、心理的にも大きな負担になってしまうことでしょう。

取り崩しのデメリットを和らげる方法とは?

このような取り崩しのデメリットを和らげ、心理的負担を減らすには、以下のような方法が考えられます。

(1)初めから運用資金と使う資金を分けておく

こちらは、出口戦略(3)「運用資金と使う資金を分け、使う資金の方から取り崩す」(10月5日配信)でお伝えした方法と同様ですが、出口戦略を始める時点で、運用資産と預金の比率をリバランス(調整)しておくという方法です。
預金比率については、今後5~6年間でどの程度現金があると安心か、という観点で考えていただけると良いかと思います。
必要な場合には預金部分から先に使い、運用資金にはなるべく手を付けず純粋に運用を続けていくことで、運用のリターンを損ねることもなく、また取り崩しのタイミングに悩むこともなくなるでしょう。

(2)下がっている時は取り崩しをストップする

また、「マイナスの時に資産を売ってしまう」ことを避けるためには、単純に下落時には取り崩しを一旦ストップする、という方法もあります。
下落している資産からさらに取り崩しを続けるのは心理的にも負担が大きいので、一旦運用資産には手を付けないでおく…といったことも選択肢の一つになります。
ただ、やはりこの場合でも、一時的に運用資産からの取り崩しをストップしてもしばらくの間は生活に困らないよう、ある程度運用資産とは別に現預金を確保しておく必要があるでしょう。

余裕資金があれば、下がったところで買いを入れ、「下落をチャンスに変える」ことも可能になります。
特に老後は、新たな収入がほとんど無くなってしまう時期。
ある程度の安全資産を確保しておくことが、安心して運用を続けられ、失敗を防ぐ秘訣となります!

是非、ここまでの出口戦略についての解説をご参考いただき、ご自身に合った出口戦略を見つけてみてくださいね。

最後に、出口戦略の実践方法についてご案内

ここまで、出口戦略について約2ヶ月半にわたりお伝えしてまいりました。
その中で、「実際に、運用しながら資産を取り崩してみたい!」「必要な資金を確保するために一部資産を売却したいが、一度に売却するのは怖い…」といった思いが出てきた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

あまり知られていないサービスなのですが、楽天証券には出口戦略にご活用いただける「定期売却サービス」をご用意しております。
こちらは、「毎月○万円受け取りたい」「毎月資産の○%受け取りたい」などの金額や受取り率のご指定だけでなく、「今後3年間にわたって資産を売却していきたい」などの期間指定もできるサービスとなっております。
長期にわたって取り崩す場合だけでなく、数年後の必要な資金に向けて分割して売却していきたい、といった場合にも、大変便利にご活用いただけます。
ご利用はもちろん無料!是非こちらのサービスも有効に使ってみてくださいね。

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