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読みやすくリニューアル!元気が出るニュースレター:米国での投資事情/本日の質問箱

2022年6月22日配信

積立投資家の皆様、こんにちは。楽天証券の山口です。
毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。
今週も、メール後半にて「投資信託の質問箱」へのご回答を掲載しておりますので、是非最後までお付き合いください!

さて、前回は日本人の「投資=損をするもの」という発想の理由についてお話ししましたが、今回は米国の投資事情についてお伝えします。
皆様は、日銀が年に一度発表している「資金循環の日米欧比較」という統計をご存じでしょうか?
この中に、「家計の金融資産構成」という統計があるのですが、これを見ると、家計に占める「投資信託+株式等」の比率は、日本は14.3%にとどまっているのに対し、米国は51%となっています。
なぜ米国では、家計の半分を投資に回せるほど、投資することに自信を持っているのでしょうか?

この理由にもつながるエピソードをひとつご紹介します。
私は以前、米国の運用会社のニューヨーク本社に研修に行ったことがあるのですが、そこで日本ではあまり普及しなさそうな運用商品が人気を集めているという話を聞きました。
疑問に思い、「なぜこの商品が流行っているのか?」と現地の運用担当者に質問してみたのですが、その回答が、
「アメリカ人は投資するのが基本で、”投資しないのはもったいない”と考えている人が多いからだ」というものでした。
当時、「投資が怖いと考えているお客様に、どうやったら資産形成に踏み出していただけるか?」をずっと考えていた私にとっては、大変なカルチャーショックでした。
そもそも投資に向き合うマインドが全く違うのだと気づかされたのです。

このマインドを生み出している一つの理由として、やはり「投資での成功体験」が関係しているのではないかと思います。
ご存じの方も多いと思いますが、前回のメールでもお伝えしたように、日本の株価と米国の株価は、過去全く異なる動きをたどってきました。
例えば、1990年に日本・米国の株式それぞれに投資していた場合を見てみましょう。

【日本の場合】 ※日経平均株価
38,712.88円(1990/1/4)⇒25,963.00円(2022/6/17現在)
1990年に100万円で投資していたら…現在約67万円
(約3割マイナス)

【米国の場合】 ※S&P500
359.70ドル(1990/1/2)⇒3,674.84ドル(2022/6/17現在)
1990年に1万ドルで投資していたら…現在約10万ドル
(約10倍)

これだけ資産が増えたという体験があれば、やはり「投資しないのはもったいない」という考えを持つのも自然な流れといえるでしょう。
このように、どうしても「母国の株式市場」が投資体験に大きな影響を与え、それが投資に対するマインドにも繋がっていると考えられます。

現在、足元では大きく相場が変動しており、S&P500は年初来で約▲21%(6月15日時点)下落しています。
同時に円安が進んでいますから、日本人はそこまで大きなダメージは受けていないものの、米国では為替の影響がありませんので、この下落はダイレクトに米国人の資産に影響しています。
ただ、これまでも当然同様の下落は数えきれないほど経験しているわけで、それでも米国で「投資しないのはもったいない」と考えられている理由は、一時的な損益以上に、期待できる長期利益が大きいと分かっているからでしょう。
おそらく、今後しばらくは相場変動の大きい日々が続くかと思いますが、下落した際に途中離脱してしまうのが一番「もったいない」といえるかもしれません。

米国では投資が当たり前とされているように、現在政府が打ち出している「新しい資本主義」により、日本人にとっても「投資が当たり前になる」日が近づいてきています。
そんな日が来るよりも前に、将来のことを真剣に考え、自ら学び勇気を出して一歩踏み出した皆さんは本当にすごいのです。
他の皆さんが始める前に、しっかりと積立を続けて、一足早く資産形成を達成していきましょうね!

投資信託の質問箱

先週も引き続きたくさんのご質問をお寄せいただき、ありがとうございます!
本日は以下のご質問をご紹介します。

ご質問

「多数の商品で投信積立を行っています。似たような銘柄の商品も多いので、長い目で見ると数本に絞った方がいいのでしょうが、全てがプラスになっていて、成績の悪いものがなく、絞り方が分かりません。
どのように決断すればいいのか、判断基準のアドバイスをお願いします。」

ご回答

まずお伝えしたいのは、実は損益がプラスになっていても、必ずしもそれが成績の優秀なファンドであるとは限りません。
例えば、米国株式に投資を行う異なる2つのファンドA、Bに10年間投資していたとして、同じ期間でAは120万円プラス、Bは50万円プラスだったとします。
どちらもプラスが出ているとはいえ、Bは米国株式の中で成績優秀とはいえないですよね。
せっかく同じリスクを取って米国株式ファンドに投資を行うなら、Aに投資しておいた方がよかった、ということになります。

このように、損益がプラスになっていると気づきにくいのですが、実は同じカテゴリーで比較すると全然成績が優秀でないファンドもあったりします。
(ただ、短期間の比較ではあまり参考にならないため、なるべく長期間で比較した方がよいです。)
もし、そのようなファンドがあれば、成績の良いものに絞るのも良いでしょう。
ただし、乗換を行う(一方のファンドを売却して別のファンドを購入する)ときには利益分に税金がかかりますので、注意してくださいね。

一点、ファンドを比較する際にご注意いただきたい点は、カテゴリーが全く違うファンドの場合、損益の大きさでファンドの優劣を決めることはできないということです。
例えば、株式ファンドと債券ファンドを保有していた場合、結果的に株式ファンドの方が大きなリターンが出ていたとしても、株式ファンドはハイリスク・ハイリターン、債券ファンドはローリスク・ローリターンですから、当然の結果といえます。
高いリターンを狙うファンド、あまりリスクを取らず安定的に運用するファンドなど、それぞれファンドの目的は違いますので、ご自身の目的に照らして選んでいただけると良いかと思います。

楽天証券のファンド検索機能「投信スーパーサーチ」では、お好きなファンドを選んでパフォーマンス比較を行うことができます。
(スーパーサーチ上の各ファンドの一番右に「比較」のチェックボックスがあり、5つまで選択可能です。)
判断基準の一つとして、ファンドの成績を比べてみるのも良いかと思いますので、是非活用してみてくださいね。

お役に立てましたでしょうか?引き続き、皆様からのご質問をお待ちしております!

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